渡辺弥栄司先生にお会いしてきました

公開日時: 2008年6月13日 @ 11:29

 

「125歳まで、私は生きる」http://www.sonymagazines.jp/book/details.php?disp=200305&hinban=012011の渡辺弥栄司さんにお会いしてきました。

 

1917年生まれですから、今年91歳。驚くほど矍鑠としておられ、前向きで、プラス志向で、周囲に知恵と勇気と元気を与えてくれて、明るくしてくれる人でした。

人間ですから、山あり谷ありの人生で、それこそ、辛いことも苦しいこともあったことでしょう。しかし、渡辺さんの著書にもありましたが、愚痴ひとつこぼさないのです。

口から出る言葉も、前向きな言葉ばかりなのです。

「やりたいことがいっぱい。人生楽しくてしょうがない」

「夢と希望にあふれ、楽しくてしょうがない」

さすがに、55歳で英語資格試験TOEICを考案したり、65歳で司法試験に合格したりするバイタリティがある人でした。

確かに、渡辺さんは、東京帝大ー商工省と進む超エリートコースを歩んだ方なのですが、戦争も経験されていますし、49歳で退官した直後は、当初は無報酬で、日中経済交流のために尽力したりします。私はまだ読んでいませんが、城山三郎の「官僚たちの夏」という小説に、渡辺さんのモデルが登場するそうです。義を通す熱血漢の官僚として。

しかし、苦労話ひとつされないんですね。これには驚きました。

しかも、大変腰が低く、全然威張らない。

「人間、威張ったらおしまい。威張っていては進歩しませんよ」

ということで、91歳になるというのに、黒塗りのハイヤーの送り迎えを拒否して、今でも、満員電車で法律事務所まで通勤されているそうです。「真向法」という柔軟運動を朝晩続けているため、今でも体が柔らかいのです。背筋もピンと伸び、60歳代と言われても分かりません。

いやあ、世の中、こんなに志の高い気高い方がおられるとは…。

こういう人に会うことができただけでも、私自身、幸せを感じてしまいました。

「125歳まで、私は生きる!」

 

 

 

またまた、個人的ながら、どうも毎日、充実感に浸っているわけではありません。友人と会おうとしても、何度も都合が悪いと言って断られるし、相変わらず仕事も家庭もうまくいっているわけではなく、見えない壁と闘っています。良心とも闘っています。今年は私の人生で一番良運に恵まれている年のはずなのに、もう半分近く過ぎてしまった。焦燥感もあります。

 

自分は何て不幸なんだ、とジャリジャル砂を噛むような味気なさを感じながら、図書館に入りました。完璧にマイナス思考で、軽い鬱状態に近かったと思います。

 

すると、目の前に偶然「125歳まで、私は生きる!」(ソニー・マガジンズ)という本が飛び込んできました。著者は、渡辺弥栄司(わたなべ・やえじ)さんという方です。初めて名前を聞く人です。五年前に出版された本でした。

 

パラパラとページを捲っているうちに、引き込まれてしまい、ついに2時間ほどで、完読してしまいた。

この方は、すごい方です。現在91歳。東京帝国大学法学部から商工省(今の経済産業省)の高級役人となり、49歳で公務員をやめて、日中交流の架け橋になる民間団体の理事となって、国交回復の一翼を担い、60歳で125歳まで生きる決心を固め、英語能力テストのTOEICを考案し、65歳で司法試験に合格し、75歳で、中高年に笑顔を取り戻そうとビューティフル・エイジング協会(BAA)を設立した人なのでした。

単に口だけで、125歳まで生きるというのは簡単です。しかし、渡辺氏は、そのために、真っ向法という柔軟運動を朝晩行い、毎日30分以上ウオーキングも欠かしません。剣道は7段の腕前で、ゴルフも玄人はだしで、エイジシューターを目指しています。まさに文武両道です。

125歳まで生きて、何をするのかー。その答えも明確です。「世のため、人のために尽くす」というのです。そのために、独立して生計を立てるために、65歳で弁護士の資格を得るのです。

こんなすごい人はいないでしょう?

是非、会いたくなりました。

そこで、通訳仲間のUさんが、TOEICに勤めていたことを思い出し、仲介を取ってもらいました。

最終的には明日会えることになったのですが、Uさんからはメールで、「我々スタッフには雲の上の存在です。
朋之介さんに今更申し上げる必要はありませんが、失礼のないようにご配慮をお願い申し上げます」と釘を刺されてしまいました。
「私はそんな無礼な人間なのかなあ。そこまで言われなければいけないのかなあ」と数日間、不愉快でムッとしてしまいました。Uさんはまだ若いし、恐らく、言葉の使い方を知らない人なのだと斟酌し、これからお会いする渡辺氏とは、一切関係ない話なのだと気を取り直すことにしました。

渡辺氏と会見した時の印象は、また次回で!