新型コロナウイルスの影響で例年になく少ない=京都・醍醐寺で「五大力尊仁王会」

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こんにちは、京洛先生です。

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 新型肺炎が広がり、この調子では2020年は「東京五輪」ではなく、「新型コロナウイルス」の年として後世に伝えられますね。「まだ、東京五輪は先の話だ」と思っている人が多いでしょうが、開催の最終決定権は国際オリンピック委員会(IOC)ですから、土壇場で何が起こるか分かりませんね。

 またその時は日本のマスコミは右往左往、後付け「講釈」をして、あれこれ誤魔化すのは目に見えます(笑)。

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トランプ大統領ではないですが、誰でも先の見通しは、はっきり分らないのですから、「マスコミは嘘ばかりだ!」と言うのは確かにそうです。米国民が、それを感じて同大統領を誕生させたのです(笑)。

 また、そう思っている人が米国だけでなく世界中で多く存在していて、それを追跡、検証する既存マスコミが皆無なのが現実です。

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 それはさておき、昨日23日(日)は世界遺産「醍醐寺」(京都市伏見区)で、庶民から「五大力さん」と親しまれている「五大力尊仁王会」が開催されたので、行って来ました。そのスナップをお送りします。

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 最近、熱心に仏教の歴史を勉強されている渓流斎さんなら詳しいと思いますが、平安初期、真言宗の僧侶、聖宝(しょうぼう)が開祖した醍醐寺ですが、この「五大力尊仁王会」は不動明王など五大明王(ほかに降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)の力によって、無病息災、国家、家庭の平和、幸せを祈願する、醍醐寺の最大の行事です。

Copyright par Kyoraque-sensei  迫力ある写真ですね!

 毎年、10万人を超える参拝者が訪れますが、新型肺炎の影響と、中国人など外国人の観光客激減もあって、去年に比べて参拝者は少なかったですね。

そのせいで、混雑せず参拝はスムース、境内もゆっくり歩けて快適でした。

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本堂前の特設舞台での大きな紅白の二段重ねの鏡餅を持ち上げる「持ち上げ力奉納」もやっていましたが、新型肺炎の影響もあり、参加者が例年より少なく鏡餅の持ち上げの最長時間は男性(重さ150キロ)は5分58秒、女性(重さ90キロ)6分40秒でした。

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それにしても、京都でも、どこもかしこも「新型肺炎」の影響が出ていました。

以上 おしまい。

京都・醍醐寺と仏高級レース「ドニヤン」とのコラボ

 おはようございます。京洛先生です。

 昨夜(6月1日)は、貴人もご存知の加藤力之輔画伯のお導きで、世界遺産「醍醐寺」境内の「霊宝館」で開かれた、フランスの高級バックの「ドニヤン(DOGNIN)」社の商品披露を兼ねたカクテルパーティーに行って来ました。

フランス語が喋れる貴人が見えていたら、フランス人関係者とさぞ会話も弾んだでしょう(笑)。

そう言えば、その昔、というか、30数年前、東京・大手町の旧経団連会館で開かれた日仏経済交流のパーティーで、貴人が、ポンセ外相と流暢に仏語で雑談を交わされたの思い出しましたね(笑)。

 今回のカクテルパーティーを主催した「ドニヤン」のデザインを手掛けているリュツク・ドニヤン氏(上の写真、通訳の女性の右隣の白ワイシャツの男性です)の実家は、フランスで1805年創業のシルクの高級レースを手掛けている老舗だそうです。「ドニヤン」製のレースは品質が良いことから、パリのオートクチュールの有名ブランドは「ドニヤン」製の超高級レースをこぞって使用、自らのブランドを高めてきたそうです。英国のエリザベス女王の戴冠式の時も、衣装のレースはすべてドニヤン製だったそうです。

 しかし、どの世界も、業界も、時代の変遷があり、レースも、ファッションの世界から、徐々に、その位置づけが後退して、ドニヤンも、レースだけでなく、多様性が求められてきたようです。

 当主のリュック・ドニヤンさんは、手技が器用なこともあって、繊維だけでなく、バックのデザインも手がけられたということです。伝統、歴史に胡坐をかいてはいられないのですね。業態、業容の変転、変容です。

 今回、醍醐寺とコラボレーションして、「霊宝館」の展示スペースには、ドニヤンさんが自らデザインした、こうしたファッション性の豊かな、最高級バッグが並び、鞄にうるさい、ご婦人連が見られれば「一つ、欲しくなるわね」と、ため息が出そうな光景です。

もっとも、お値段もそれなりにするようで、近々、三越・日本橋店でも、取り扱うことが決まっているということです。

 醍醐寺の仲田順栄総務部長は「我々、お寺も、国際交流をさらに積極的に進めていきます。今回、ドニヤンさんとコラボレーションしましたが、こうした工芸品だけでなく、食べ物や料理などあらゆる分野との交流を深めたいと思っています。フランス人2人を採用し、フランス語の接遇にも力を入れています」と日仏交流に意欲を見せていました。

カクテルパーティは霊宝館に隣接するフレンチカフェであり、このように「仏果」仕立ての、マカロン、ポムフリット(フライドポテトのことですね)、ワインなどのご馳走がふるまわれました。いずれもパリで長年修業したフレンチシェフの料理で、これまた大満足出来ました。

 おフランスも京都のお寺も“ブランド”ですが(笑)、上の写真のレースは200年以上の歴史のある「ドニヤン」が作った超高級の手織りレースです。

 今回、醍醐寺が「霊宝館」を会場に提供されたことから、同寺にリュック・ドニヤン氏が、お礼に寄贈されました。

関係者によると「このレースは、古い、年代もので、極めて貴重で、今では熟練の職人もいないので作れません」ということです。

「手織り」の技術は、世界中、どこでも、熟練した織工、職人が支えているわけですね。各国とも「無形文化財」、「人間国宝」のような形で認定、指定しているわけですが、人間の「眼力」が劣化してしまい、それも先細りしています。

 既存の大手マスコミは、単純に“人工知能”(AI)などによる“技術革新”を絶賛、肯定するだけでなく、人間の持つ、希少、貴重な手技(てわざ)の絶滅危機を、もっと大きく取り上げるべきですね。

 以上

 あらまあ、総務部長さんにまで、随分深く取材されましたね。京都の大手有力寺院もフランスのブランドと提携する時代になったとは驚きでした。いつもながら有難う御座いました。

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京都・醍醐寺の五大力さん

皆さんこんにちは、京洛先生です。

ここ、二、三日、洛中は気温が上昇し、春の訪れを感じさせる毎日ですが、帝都は如何でしょうか。3月の奈良の「お水取り」が終わらないと、春はやって来ない、と言われていますが、梅も咲き始め、あっという間に、桜満開、花見気分になるでしょう。

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ところで、渓流齋さんは「五大力(ごだいりき)さん!」は、ご存知ですかね?

「え、五大力さん? 何ですか、それは!」「人力車の大きいのですか?」「いや、待てよ? ごだいちから、という、昔の人の名前ですかね」との反応があるかもしれませんね(笑)。

まあ、関東や東京の人は、ほとんど分からないでしょうね。

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「五大力さん」とは、世界遺産でもある「醍醐寺」が、毎年2月15日~21日までの1週間、「五大力尊仁王会」という、同寺にとって、最大の宗教儀式を執り行うのですが、それを親しみを込めて「五大力さん!」と、京都の町衆は、昔から呼んできているのです。

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「五大力さんのお札。あれは、昔から、ウチの玄関、台所に貼ってあるわ!」「あの日は、醍醐寺で、大きな鏡餅を持ち上げ、競わはるのと違いますか」というふうに、その意味や歴史は分からなくても、京都の庶民は、自然にアタマの中に入っていることなのです。

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醍醐寺は空海の孫弟子の源大師聖宝が、貞観16年(874年)に開基したお寺です。醍醐山も、聖宝が名付けたと言われ、醍醐天皇のバックアップで、寺勢は興隆、延喜7年(907年)には、後醍醐天皇の発願で「薬師堂」も建てられ、下醍醐一帯は大きく発展しました。その後、応仁の乱で、醍醐山の麓の下醍醐は、国宝の「五重塔」を残して殆どが焼失、その後は、豊臣秀吉の手で再興され、「醍醐の花見」は有名ですね。

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この「五大力尊仁王会」は、千年以上続く、大きな宗教儀式で、同寺によると、全国各地から、この法会に、およそ10万人の信者、信徒が訪れると言われています。

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特に7日間にわたって延べ千人のお坊さんが祈祷した「五大力尊」の分身であり、あらゆる災難からも守られる、という「御影(みえい)」は、2月23日の一日に限って授与されるというので、朝から夕方まで、それを授かろうという人が、続々と醍醐寺にやって来ていました。

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愚生は、天気も良く、温かい日和でもあり、23日(金)、久しぶりに「奉納の餅ち上げ」の見物と、「御影」の授与を受けに、同寺に出かけて写真を撮ってきました。とくと、ご覧ください(笑)。

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醍醐天皇の御代から始まった「五大力尊仁王会」と違って、「奉納の持ち上げ」は、戦後、始まったもので、歴史はそれほどありません。終戦直後の食糧難、モノ不足の時代に、お米や餅米をもちよって大鏡餅を奉納し、ご利益を得ようという庶民、大衆の願いから始まったようです。

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女性は90キロ、男性は150キロもある巨大な鏡餅をどれだけ持ち上げて居られるか、時間を競うわけで、境内の特設会場には、それを見ようと大勢の人だかりができました。

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「御影」の授与には二千円が必要ですが、有難いお札を拝受しようと、長蛇の列で、同寺としては、かなりの志納金が集まったと思いますね。
来月になると、今度は桜を愛でる人で、醍醐寺はさらに、大勢の観光客でごった返します。

以上、ご報告迄。