SNS詐欺の被害額が455億円だとは!

 昨日、警察庁が発表したSNS詐欺の被害額が455億2000万円(3846件)にも上り、オレオレ詐欺など特殊詐欺の被害額(441億2000万円)を上回ったと言いますから、魂消ました。

 警察庁が命名したSNS詐欺は、「投資詐欺」と「ロマンス詐欺」を区別しているようです。要するに「金」と「女」(「男」)ですか。。。平均しても一人1000万円以上が騙し取られたといいます。

 率直な感想を書けば、炎上するかもしれませんけど、このニュースを読んだ最初の感想は「よくもそんな大金(余裕資金)を持っているものだ」と「よくもそんな簡単に騙されてしまうものだ」でした。とにかく、総額455億円という巨額の大きさに唖然としました。

 まあ、敵はプロですから、やり口は巧妙なのでしょう。人の弱みにつけこむ心理作戦計画は、知的レベルが高い学者さんや説法が鋭い宗教家以上なのでしょう。SNSですから「口八丁手八丁」ではなく、「文章」だけで騙してしまうんですからね。

 SNSといっても色んなツールがありますから、警察庁はその「内訳」も発表しています。例えば、SNS型投資詐欺被害は、昨年2271件あり、男性は1292件。SNSの内訳ベスト3は、①フェイスブック=285件②LINE=273件③インスタグラム=231件の順。女性は979件あり、ベスト3は、①インスタグラム=308件②LINE=188件③マッチングアプリ=138件の順番でした。

 実は、私がフェイスブックをやめたのも、「友だちの友だち」らしき若くてとても美しい女性から「友だちリクエスト」があり、もし応えれば、ズルズルと投資詐欺なり、ロマンス詐欺なり、誘惑にはまりそうだったからでした。私は、実にメンタルが弱いですからね(笑)。

 ということで、老婆心ながら、あまりSNSにはのめり込まない方が良いかもしれませんよ。昔の話ですが、幕末に薩長軍に最後まで抵抗した長岡藩の河井継之助は、評判を聞いた陽明学者の山田方谷に弟子入りするために、わざわざ、今の新潟県から、山田方谷が参政を務めていた備中松山藩(岡山県)にまで出掛けて行き、弟子入りを許されたのはその半月後だったといいます。山田方谷が河井継之助の人物を見定めていたからです。

 弟子入りの話はともかく、友だちになるには、クリックすれば良いなどとザッカーバーグさんが夢想するほどそんな簡単なものではない、ということを私は言いたかっただけです。彼は、他人の個人情報を利用して広告収益を図ることしか考えていないので、フェイスブックが詐欺に利用されようが、しまいが、我関知せずなのかもしれませんが。。。

チャットGPTによって、脳が搾取されているのかもしれない?

 先日、本屋さんに行ったら、やたらと「チャットGPT」関連の本が5~6種類、平積みになって売られていました。実は、表紙を眺めただけで、一冊も手に取ったりしませんでしたが、「チャットGPT」は目下、話題にならない日がないぐらい注目されていますから、関連書もそれだけ多く出版されるのでしょう。

 「チャットGPT」は、以前、小生も試してみましたが、あまりにも杜撰なので、すぐさま止めてしまったことをこのブログでも書きました。(2023年3月8日付「《渓流斎日乗》は俳句なのか!?=ChatGPTはいまいちです…」

 何と言っても、チャットGPTさんは、この《渓流斎日乗》ブログのことを「江戸時代中期の俳人・与謝蕪村が著した俳諧の随筆集の一つです。」なんて答えてくれてしまっているんですからね。 ありえない! です。

ヤブカンゾウ

 こんなにいい加減なツールなのに、チャットGPTの勢いは止まりません。小中高校でどうやって扱うのか、学生が論文をAIで仕上げたりしないのだろうか、コンクールにAI作品を出品したりしないだろうか…等々、喧々諤々です。

 私は、IT関係について、からっきし弱いのですが、このチャットGPTというのは、「生成AI」という技術を使っていることを知りました。ですから、この技術を使えば、「チャットGPT」社だけでなくても、他のIT企業でも、問答形式で答えたり、写真や動画を作成したり出来るツールをリリースできるのです。日本人が大好きなLINEも、チャットが出来る「AIチャットくん」なるものをリリースしたことを最近、新聞の記事で知り、私も早速試してみました。

 この「AIチャットくん」は、どうやら、悩み事相談やアイデア相談に特化しているようです。私は、これでも毎日豊富な悩み事を抱えていますから、相談してみました。

 「AIチャットくん」なるものを「開通」させて、最初に開いてみると、いきなり「最近悩んでいることや気になっていることはありますか?」と向こうから逆に質問してくるのです。相手はAIです。生身の人間ではないので、こちらも、調子に乗って、誰にも言えないような、秘密の悩み事を書き込むと、パッと答えてくれました。でも、最後は決まって「プロのカウンセリングによる相談を行うことが必要になるかもしれません」などと、AIらしからぬ、当たり障りがない、優等生の作文のような回答に段々なって来ました。

 こちらも納得がいきませんから、「貴方は何者なのですか?医者でも弁護士でも裁判官でもないのに、正しい回答が出来るのですか?」とまで質問してみました。すると、「本日の制限回数に到達しました」「プレミアムプランをご用意させていただきました。プレミアムプランへ加入すると、利用回数無制限でお使いいただけます!」との表示が出て来たのです。

 なんじゃあ、こりゃあ~

 大人げないですが、一番いい所で切れたので、こちらもキレました。

築地

 冷静になって、色々と探っていくと、「チャットGPT」にせよ、「AIチャットくん」にせよ、無料で使わせておいて、どうやら、秘密裡にデータを蓄積し、編集加工して、広告主などに有料で販売しているようなのです。まあ、当然ながら、それがビジネスモデルということになるのでしょう。IT企業は、儲けを追求する営利団体であり、ボランティアでも慈善運動でも何でもありませんからね。他人の脳を搾取しているようなものかもしれません。

 ということで、「タダより高い物はない」いや、「タダより怖いものはない」という教訓になりますね。 それでも、あなたは、「覚醒剤やめますか?それともチャットGPTやめますか?」と詰問されたら、どうしますか?

 ハムレットに言わせれば、「それが問題だ」。

国民の無知につけこんで「日本が売られる」

これを読むと、驚かされるやら、脅されるやら、自分の無知に腹が立つやら・・・。とにかく、最初から最後まで、後ろから頭にハンマーで叩かれたような衝撃を受けます。

今、話題沸騰の堤未果著「日本が売られる」(幻冬舎新書、2018年10月5日初版)のことです。賢明なる皆さんは、もう既にお読みになったことでしょう。

ざっと並べてみても、日本人の資産である「水が売られる」「タネが売られる」「森が売られる」。そして、日本人の未来が売られるということで、「労働者が売られる」「ブラック企業対策が売られる」「学校が売られる」「医療が売られる」「老後が売られる」「個人情報が売られる」・・・まさに、無知な国民が知らないうちに、何でもかんでも、売られっぱなし。その事実さえ気がついていないのです。

一体、どうなってるんでしょうか?

スペイン・ラマンチャ地方

著者の堤未果さんは、今最も注目されている国際ジャーナリストでしょう。実父は、放送ジャーナリストのばばこういち(1933~2010)。夫は、薬害エイズ事件の原告だった川田龍平参院議員。

「水が売られる」の章の中で、堤さんが実名を挙げて糾弾しているのが、麻生太郎副総理と竹中平蔵民間議員(注:議員といっても選挙で選ばれるのではなく総理が指名。現在各分野の規制緩和法案骨子は彼らによって作られている)の2人です。

通常、私有物ではなく、日本人の公共資産を外資に売る人のことを「売国奴」、もしくは「国賊」と呼びますが、上品な堤さんはそんな下品な言葉は使っていません。とはいえ、それ以上に断罪の口調が苛烈極まっております。

麻生、竹中両氏は、政界のトップ、もしくは政界に大変影響力のあるポジションに居座り続けながら、隠密裏にやっているせいか、無関心な国民をよそに、粛々と、率先して、そして、規制緩和の美名の下に、国民の資産である水の運営権を巧みにフランスの世界最大の水企業ヴェオリア社(の日本法人)に少しずつ売り渡していたというのです。(ルノーの日産支配といい、フランス人はいまだに植民地主義から抜け切れていませんね)

堤さんは「竹中平蔵氏や麻生太郎副総理の主導で法改正がどんどん進められ、その間マスコミは行儀よく沈黙していた」と、たっぷり皮肉を込めて書きます。

麻生副総理は2013年4月、米ワシントンにある戦略国際問題研究所で「日本の水道を全て民営化します」と宣言します。この時、「映像には『民営化します』という力強い発言が出た瞬間、隣に座っていたマイケル・グルーン氏が、興奮したのか思わず手元の水を飲む姿が映っている」ことを堤さんは見逃したりはしません。

また、竹中氏については、「小泉政権で日本の水道を最初に民営化した立役者」と、これまた、異様なほど皮肉をてんこ盛りに込めて紹介しております。

スペイン・ラマンチャ地方

日本の水道は黒字なのに、なぜ、民営化をしようとするのか?

それは、水ビジネスが世銀元副総裁が言う通り、「石油より巨大な金脈で、21世紀の超優良投資商品だからだ」といいます。

無知な日本の庶民は「民営化=効率化」で規制緩和は素晴らしい、と思い込んでいます。だから、あとは、竹中氏や麻生氏のような方々が「競争がサービスの質を上げ、水道料金を下げ、それが市民に還元される」といったような耳障りが良い甘言を振り回せば、馬鹿な庶民は惑わされるわけです。

本書では、水道を民営化したおかげで、莫大な借金を抱えることになった世界各国の自治体の例がふんだんに出てきます。

◇医療が売られる

この章では、国民健康保険(国保)を食い潰す外国人の例を取り上げております。

2012年、民主党政権はそれまで1年だった国保の加入条件を大幅に緩め、たった3カ月間滞在すれば外国人でも国保に加入できるよう、法律を変えてしまったといいます。

「その結果、留学生や会社経営者として入国すれば国籍に関係なくすぐに保険証がもらえるからと来日したその日に高額治療を受けに病院に行くケースが増え、深刻な問題を引き起こしている」と堤さんは書きます。また、「出生証明書さえあればもらえる42万円の出産一時金も中国人を中心に申請が急増しているが、提出書類が本物かどうかも役所の窓口で確認しようがないのだ」と嘆きます。

原資は、貧乏な日本人がコツコツと払い続いたものでしょう?国籍はともかく、不正を働く人間に対するぶつけようがない怒りが湧いてきます。

スペイン・ラマンチャ地方

◇個人情報が売られる

この章で一つだけ、取り上げたいのは、国が2017年11月2日から、マイナンバーと無料通信アプリ「LINE」と連動させることにしたことです。

個人情報がダダ漏れです。しかも、マイナンバーとなると、ハッカーが辿っていけば、銀行の口座まで行き着くことができかねません。

これは、マイナンバーができて2年以上経つのに、いまだに全国民の1割しか利用していないことから、政府が編み出した苦肉の策なんだそうです。(私は会社にもマイナンバーは登録してるので、真面目な羊のような国民の1割の一人だったの?)

LINEは今、日本ではスマホユーザーの7割、10代女子では9割という驚異的な利用率を誇るとか。

先日もこのブログで指摘しましたが、LINEを開発した技術者は韓国人で、親会社は韓国最大の検索会社のネイバー社でしたね。

詰めが甘い私の指摘はここで終わってましたが、堤さんによると、このネイバー社の株式の6割以上は、ブラックロック、オッペンハイマー・ホールディングス、バンガード・グループといった欧米の巨大投資会社が所有しているというのです!

「つまり、LINEでやりとりする内容や個人情報の扱いを決めるのは、日本の政府が直接手を出せない、韓国や外資の民間企業となる」と、堤さんは声高々に(私はそう聞こえましたが)披瀝するのです。

何とも、おっとろしい世界なんでしょ!!

何と言っても、自分たちがあまりにも無知でいることが。

情報戦で日本は完敗なのでは?

スペイン南部ミハス

トランプ米大統領の私用のiPhoneが  、中国から盗聴されて、友人との会話が漏れたのではないか、という疑惑の報道を受けて、中国外務省の報道官が「それなら、アップルをやめて、華為技術(ファーウエイ)に替えたらどうか」と皮肉ったらしいですね。

「うまい切り返しだなあ」と感心してしまいました(笑)。

それだけ、我々中国には技術もあり、世界の市場占有率では負けていないという自信の表れだということでしょう。

事実、調査会社のIDCが発表した2018年第2四半期のスマートフォンの世界シェアでは、サムスンが7150万台の出荷で相変わらずの首位ですが、アップル(4130万台)は、2位から3位に転落。変わって2位に浮上したのが、ファーウエイ(5420万台)だったのです。

20世紀で確かに冷戦は終わりましたが、21世紀になっても、覇権争いや経済戦争、貿易戦争は終わっていないようです。いや、米国の衰退と中国の台頭により、ますます熾烈になってきております。今さらですが。

スペイン南部ミハス 「食べるな」ではなく小レストラン

もちろん、ドンパチの戦争や核ミサイル攻撃などしようものなら、完璧なる人類の破滅と滅亡が目に見えていますから、それに代わる争いとして、今は、貿易戦争や情報戦争が繰り広げられているのではないでしょうか。

後者に関しては、日本は完全に敗者です。かつてパソコンの世界シェアではトップを争っていたNECや富士通なんかはもう日本でパソコンを作っていないというのですからね。ほとんど全部、中国製です。日本の得意だった白物家電やテレビも、もう韓国サムスン、LGや台湾の鴻海精密工業など海外企業に取って変わられてしまいました。

情報戦に関しては、ハードからソフト戦に移り、GAAF(グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブック)と呼ばれる米国企業のプラットフォームが世界の圧倒的シェアを占め、日本はあんぐりと口を開けて、その勢いにひれ伏して、完璧に軍門に下ってしまいました。

それなのに、中国は、「保護主義」か戦略か分かりませんが、恐らく国家ぐるみで、グーグルを跳ね除けて、百度(バイドゥ)を検索エンジンとして確立させています。

中国だけかと思っていたら、お隣の韓国でも、NAVER(ネイバー)という検索サイトが、グーグルを抑えて8割近い圧倒的なシェアを占めています。日本とは大違いです。

このNAVERは、まとめのトピックサイトを日本語でもやっているので、少し知っておりましたが、つい昨日まで、韓国の会社だとは知りませんでした。しかも、このネイバーは、日本でも大人気の、あのLINEの親会社だったんですね。

もちろん、プラットフォーム商法ですから、売り上げの一部が収益になります。

お隣の中国と韓国は、ソフトもハードも、情報戦でそれなりに頑張っているのに、日本は何をやっていたんでしょうかね?今では全部、米国と中国と韓国と台湾企業に頼ってます。

あれ?これでは、中国報道官のように、皮肉にもなりませんね。