「ビッグモーター」はどうなってしまうのか?=「我慢して生きるほど人生は長くない」ー人生、苦しいことが99%、幸せは1%

 大手中古車販売の「ビッグモーター」による不正疑惑は、ボロボロと出て来るわ、出て来るわ、で、この先、一体どうなってしまうんですかね? このまま、信用を失って行けば、最悪の事態に発展しかねません。(この記事は7月27日時点までの報道に基づいて書かれています)

  創業社長がやっと記者会見に登場しても、「顧客よりゴルフの方が大事」と捉えかねない唖然とする発言に終始し、逆効果でした。社長を辞めても大株主なので収入面で影響なく、院政を敷くことでしょう。パワハラの元凶とされるその息子さんである副社長が雲隠れしておりますが、消費者庁が内部告発を奨励しているといいますから、これからもっともっと凄いことが出て来ることでしょう。

 最も大きな疑惑は、ビッグモーターが損保会社と結託し、損保会社の社員を出向させてまでして、ゴルフボールでワザと車体を傷つけるなどして保険修理代を不正要求し、隠蔽まで図ったということでしょう。お金の問題ですね。

 もう一つは、昨日大きな話題になりましたが、全国のビッグモーターの店舗の中で、店前の街路樹が不自然に枯れたり、伐採されたりしている問題です。除草剤を撒いたという疑惑がありますが、何でそんなことするんでしょうか? 秋になって落ち葉が中古車に降り積もるのを防ぐためかと思ったら、外からビッグモーターの看板が樹木に隠れないよう、はっきり見えるようにするため、という説もありました。街路樹は県道なら都道府県、国道なら国土交通省が管理しているということで、これから「器物損壊」などの容疑でガサが入れられるようです。

 一番、迷惑を蒙ったのは顧客ではありますが、不正と知りながら真面目に仕事をしなければならなかった社員も犠牲者だったかもしれません。副社長が中心になった本部からの「監察官」みたいな人間が全国の店舗を監察し、営業成績から店舗清掃状況まで精査します。店長も簡単に降格され、うつ病を発症して退社を余儀なくされた社員もいたようです。

新富町

 今、心療内科医・鈴木裕介著「我慢して生きるほど人生は長くない」(アスクル)という本が売れているそうですね。私はまだ読んでおりませんが、一度キリの人生、後悔なく生きるための心にグサリと刺さるような言葉が書き連ねられているようです。その中の一つの例として「あなたを大切にしない人を、あなたが大切にする必要はない」という言葉があります。この伝でいうと、ビッグモーターのようなあなたを大切しない会社を、あなたが大切にする必要はないということになります。

 本のタイトル通り、人生は、我慢して生きるほど決して長くはありません。人を小馬鹿にするような嫌な人間と敢えて付き合うことはないし、サービスの悪い高飛車なお店には二度と行かなければ良いのです。仕事上、仕方がないのなら、最低限のうわべだけで付き合えば良いのです。嫌な不愉快な人間がテレビやラジオに出てきたら見聞きする必要もないし、そんな人間の書いた本なんか読む必要もないのです。序に言えば、人間だけでなく、人工知能(AI)が信じられなければ、なるべく避けて利用しなければいいのです。アナログ人間だっていいじゃないですか。

 大した稼ぎはなくても、真面目に質実剛健に生き、聖人君子になれなくたっていいじゃありませんか。

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 今年、歌手活動を引退した加山雄三さんが目下、朝日新聞に小さな自叙伝を連載しています。大スターではありますが、作詞作曲もし、東宝「若大将シリーズ」で人気を獲得し、映画もレコードも売れに売れた大金持ちで、苦労知らずのお坊ちゃまかと思いきや、ホテル経営者のおじの連帯保証人にいつの間にかなっていたため、ホテル倒産で億単位の莫大な借金を背負ってしまい、食べる物まで苦労したことが書かれていました。それでも彼の偉いところは、人間界を達観していることでした。若い人は知らないかもしれませんが、加山雄三の父親は、人気実力とも彼以上とも言える戦前の往年の大スター上原謙でしたが、落ち目、つまり、人気が陰りを見せるとそれまで懇意にしていた友人知人たちが、手の平を返すように去っていったといいます。利用価値がなくなったからなのでしょう。そんな人間界の醜悪さを、彼は思春期の頃から見て来たので、苦難に陥っても達観することができたといいます。

 本日の紙面で、彼は「人生、苦しいことが99%、幸せは1%ぐらいだと。それぐらいに思っておくのが大切だと思う」とまで発言しています。波瀾万丈の大スターの発言ですから、言葉に重みがあります。

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