気温34度。暑過ぎる毎日が続き、溶けそうです。
8月4日(日)、東京・北区の王子神社で、700年もの伝統を誇る「王子田楽」が開催されるというので初めて観にいきました。
北区教育委員会によると、「王子田楽」とは、王子神社の例大祭に伴って神前に奉納される躍りのことで、始まりは鎌倉時代にまで遡るといわれるそうです。
一般的に田楽舞は、「五穀豊穣」を祈念するのに対し、王子田楽の躍りは「魔事災難除け」を祈願するという大きな特徴があります。
戦前には、舞童の花笠が観衆の頭上に投げられ、それを縁起物として奪い合う「喧嘩祭り」としても知られていたそうです。
王子という土地に深く根付いていた田楽は、戦争中の昭和19年(1944年)から途絶えてしまいましたが、昭和58年(1983年)に地元の人々の熱意と努力により復興しました。その後、毎年奉納されるようになり、昭和62年(1987年)には北区の「指定無形民俗文化財」に指定されています。
田楽を舞うのは、北区内の小学校に通う選ばれた小学生です。1年間、熱心に稽古をしたそうです。
色鮮やかな花笠と衣装を身に着けて厳かに舞う姿を観ると、時空を越えて、700年前のご先祖さまが味わった同じ気持ちに触れる気がしました。
王子は、江戸中心から離れた郊外で、将軍様の鷹狩りの地だった飛鳥山に桜を植えて庶民に開放されたことから浮世絵にも描かれる土地でした。
江戸中心の浅草の三社祭や神田明神の神田祭などは、数万、数十万規模の群集が押し寄せるでしょうが、王子神社の祭りは、数百人規模といった感じです。(主催者発表は取材していません=笑)
御神輿のわっしょい、わっしょい、も凄い群集に見えますが、このように、目の前で、神輿を担ぐ人たちと同じ気分で観ることができました。
やっぱり、日本人、夏は祭りですね(笑)。
実家が王子の一駅隣の上中里で、王子稲荷も北区役所も当然良く知ってますが、この王子田楽というのは知りませんでした。読み進んで分かりました。これが復活した時には私は27歳で、実家を離れ関西に転勤しており、東京に戻っても実家からは離れていたからでした。北区にこんな立派なものがあったとは。
「王子田楽」は、結構、素朴にやっていたので、このまま、静かにやってほしく、観客が押し寄せて「観光公害」にならないことを望んでいます(笑)。
ちなみに、王子田楽の場所は、王子稲荷ではなくて、王子神社です。
王子稲荷の方が、歌川広重画「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」や葛飾北斎画「新版 浮絵 王子稲荷飛鳥山之図」などがあり、有名ですが。。。
コメント有難う御座いました。