WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua
週末の休日。「『バットマン』の最強悪役の誕生秘話」「ヴェネツィア国際映画祭最高賞(金獅子賞)受賞)」という理由だけで、何の予備知識なく、予告篇も見ないで、今話題の映画「ジョーカー」(トッド・フィリップス監督作品)を観て来ましたが、いただけませんでしたね。
一人で観に来ていた一つ隣の席に座っていた若い女性も、後半でしたが、途中で抜け出して、戻って来ませんでした。122分も長過ぎました。私も、何度も退席したくなる誘惑に駆られました。
コミックのフィクションの世界で、脚本は書き下ろしとはいえ、ジョーカーこと道化師アーサー・フレック(ホアンキン・フェニックス)は、地下鉄で3人を射殺し、病院で1人を殺害し、自宅アパートで1人殺して、テレビ局で1人射殺します。誰を、どんなシチュエーションで、どういう理由で?ということに関しては内容に触れるので、茲では書きませんけど、それにしても常軌を逸してます。
製作者(プロデューサーやディレクター)と、この作品を金獅子賞に選んだヴェネツィア映画祭の審査員の気が知れませんし、この作品を観て拍手喝采を送る観客にも空恐ろしさを感じます。
虐げられた人間に対する同情と、人の命を軽々しく扱う非道さに対するアンチテーゼがあるのかもしれませんけど、心ある人には薦められませんね。見終わっても、しばらくの間ずっと後味が悪く、「注目度ナンバーワン」とコマーシャリズムで煽る業界には暗澹たる思いで一杯になりました。
ま、映画ですから、ここまで目くじら立てる必要はないのかもしれませんけど…。