WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua
安倍晋三首相は昨日の26日になって急に、新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、全国的なスポーツ・文化イベントを今後2週間は中止や延期、規模縮小するよう要請しました。
おかげで、全国の国立博物館は閉鎖されるし、おまけに、国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場、それに庶民が楽しみにしていた国立演芸場まで公演を中止すると、昨晩遅く、国立劇場チケットセンターからメールが送られてきました。ハギウダ文科相からの通達なんだそうで、中止する対象は令和2年2月28日(金)から3月15日(日)までの公演。チケットは払い戻しするとか。
日本はまるで戒厳令下のようです。学級閉鎖ではなくて、国家閉鎖ですね。
既に、全国の卒業式と入学式が縮小されたり、中止されたり、サッカーのJリーグも延期。プロ野球のオープン戦は無観客試合に決定。恐らく、このままでは3月8日からの大相撲三月(大阪)場所も中止されるんじゃないでしょうか。無観客試合もあり得るでしょうが、これじゃ、午前9時から始まる誰も見ていない序の口の取り組みになってしまいますね。
個人的な話では、半年前から決めていた高校の同窓会が3月14日(土)に都内であるのですが、加藤幹事長が「どうそうかい?」と昨晩遅くメールを送って来ました。(親父ギャグでした。失礼!)
何しろ、飛行機を使って遠方からわざわざ参加してくれる有志が2人もいるので、幹事長としても気が気でないのです。
幹事会に入っている私は「騒ぎ過ぎだと思います。政府による同調圧力に屈することはない。予定通り開催しましょう」と応えておきましたが、神様ではないので、先のことは誰も予測できないことは確かです。
感染病の世界的な大流行のことをパンデミックといいますが、世界史で初めて記されたのが古代ギリシャの歴史家ツキディデスの「歴史」なんだそうです。同書は、ツキディデス自身も将軍として従軍した紀元前5世紀のペロポネソス戦争が記述されていますが、同戦争中に、エジプト、リビアなどで流行していた疫病(天然痘らしい)がアテネでも発生し、市民の約6分の1が病死したことなどが描かれています。
国立感染症研究所によると、パンデミックが科学的に証明されているのは1900年頃からだそうです。その代表例は、第一次世界大戦中に大流行した「スペイン風邪(インフルエンザ)」(1918~19年)です。全世界で感染者5億人で、4000万人~1億人が死亡したと言われ、 日本では約2300万人の患者と約38万人(45万人説も)の死亡者が出たといいます。
亡くなった人の中には、劇作家で演出家の島村抱月がおり、彼が立ち上げた芸術座の看板女優だった松井須磨子が、後追い自殺を遂げるという悲劇を生んでいます。また、東京駅などを設計した著名な建築家辰野金吾も感染し、64歳で亡くなっています。
海外では、ドイツの政治学者マックス・ウエーバー、フランスの詩人アポリネール、オーストリアの画家クリムトとエゴン・シーレまで亡くなっています。
まあ、ネガティブな話を書いてしまいましたが、デマには振り回されずに、正しく怖がる(?)しかありません。もはや心理戦に入っており、株式相場がケインズの言う美人コンテストみたいなものだったら、大衆が信じているか、そう何となく思っている先行き不透明の不安感から大幅な下落が続いています。
観光産業も痛手が続き、世界的な不況も囁かれています。はっきり言って、打開策は、もはや、ウイルスの収束と終息しかないですね。