秘境黄龍溝・造形の美 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
最近、有り難いことにか、喜ばしいことにか、よく分かりませんが、色んなことへの好奇心が復活しまして、興味の範囲も広がってきました。黄泉国(よもつくに)に行っていた昨年とは大違いです(笑)。
今日5月9日は、ヒマラヤの高峰マナスル(世界第8位、8163メートル)に日本隊が初登頂した日。1956年(昭和31年)のことですから、今年でちょうど、60周年だそうです。
この快挙を主催したのが、日本山岳会と毎日新聞社ですから、毎日新聞の読者以外は知らないかもしれません(笑)。そういう私も、今朝の毎日の報道で初めて知りました。
世界には8000メートル級の高峰が全部で14座ありますが、その全てを登頂した人が世界で29人おります。日本人は、ただ一人、竹内洋岳さんが2012年5月26日に達成していたんですね。
世界で初めて、つまりは人類で初めて14座登頂に成功(1986年)した偉人は、イタリア人のラインホルト・メスナーさんだということは知っておりましたが、今から4年前に日本人が成功していたとは、国内でも大きなニュースになったはずですが、「見たいものしか見ない」私の目には入らなかったようです。あーに、してたんですかねえ?
これも滝です Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
ちなみに、世界の8000メートル級高峰14座とは以下の通りです。
1.エベレスト(8848メートル)
2.K2(8611メートル)
3.カンチェンジュンガ(8586メートル)
4.ローツェ(8516メートル)
5.マカルー(8485メートル)
6.チョー・オユー(8201メートル)
7.ダウラギリ(8167メートル)
8.マナスル(8163メートル)
9.ナンガパルパット(8126メートル)
10.アンナプルナ(8091メートル)
11.ガッシャブルムI峰(8080メートル)
12.ブロードピーク(8051メートル)
13.ガッシャブルムII峰(8034メートル)
14.シシャパンマ(8027メートル)
この偉業を成し遂げた日本人の竹内洋岳さんは1971年生まれ。立正大学山岳部で頭角を現したようです。現在は、プロのクライマーです。詳細は、分かりませんが、8000メートルと言えば、地上の半分ぐらいしか酸素がありませんから、普通の人では、生きていけません。それなのに、竹内さんは、ほとんどの高峰を酸素ボンベなし、シェルパなしで、登頂したようです。
だからこそ、そんな偉業を人類初めて成し遂げたメスナーさんが「超人」と呼ばれたのもむべなるかな、ですね。
しかし、その前に事故で遭難した登山家の皆さんは枚挙に暇がありません。
池また池 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
一番有名な人は、植村直己さん(1941年2月12日 ~1984年2月13日頃)でしょう。彼は、43歳の誕生日に世界初のマッキンリー冬期単独登頂を果たした直後に行方不明になってしまいました。実は、私は植村さんがマッキンリーに旅立つ直前に、成田空港でお会いしているので、非常に感慨深いものがあります。
あんな有名人なのに、全く偉ぶったところがなく、腰の低さには驚きました。調布先生に言わせると、「腰が低い人ほど野心があるんですよお」と断言されておりましたが、植村さんに関しては、野心の微塵も感じませんでした。とても純朴な人で、真面目そうな人でした。
ほかに、4座を制覇し、エベレストに3回登頂成功した加藤保男さん(1949年3月6日 ~1982年12月27日?)は、確か、確か、記憶のうろ覚えですが、凍傷で足の指と手の指のかなりの部分を失っていたはずです。彼もエベレスト登頂成功後、下山中に遭難しました。
7座を制覇した尾崎隆さん(1952年9月9日~2011年5月12日)にも、一度お会いしたことがあります。痩せ型で小柄の方でしたので、何処にパワーを潜めているのか分かりませんでした。彼がエベレスト登攀中に高山病で亡くなったという訃報に接してショックを受けたことは、よく覚えています。