健康に老いる脳のための栄養学

新京 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されおります。

ということで、昨日は東京駅日本橋口に隣接するサピアタワーという私も生まれて初めての超高級会員制の建造物内で開催された関西にある有名大学が主催する「秋期講座・研究会」を、皆さんを代表して、有料で受講してまいりました。

関西の大学でも東京都心にネットワークキャンパスがあるわけです。

テーマは「健康に育ち、健康に老いる脳のための栄養学」です。

複雑な事情を抱えた小生にとっては、喫緊の課題で、背に腹はかえられない状況でもありましたので、少し講義料が高いと思えましたが、2カ月も前から予約して銀行振込(メガバンクによる手数料強奪)してこの日に備えておりました(笑)。

非常に次元の低い話ではありますが、講義では、しっかりとお茶とお菓子とお土産のチョコレートまで用意されていて、十分元が取れました(笑)。

「講義料が高い」なんて言ってごめんなさい。次回も何か面白そうな講義があれば、お菓子目当てに参加したいと思っています(子供かいな?)

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講義は、全く聞いたことがない初耳の話は少なく、今では、ネットでチョコチョコと検索すれば、出てくるような内容でしたが、やはり、肉声で聴いて、自分でメモする、という行為そのものは、必ずや、記憶に結びつくものだという考えに、この講義を聴けば誰でも至ります。

とにかく、脳や身体の健康を保つのに最も重要な要素は、睡眠食事の二つだということが分かりました。

講義をされた睡眠科学がご専門の知能情報学部の准教授によりますと、私は個人差があると思いますけど、人間の理想の良質な睡眠時間は7時間半なんだそうです。

睡眠不足だと、(1)グレリン(空腹ホルモン)が増加し、レプチン(満腹ホルモン)が減少することから、肥満率が増加。
(2)コルチゾール(ストレスホルモン)が過剰分泌され、風邪などウイルス性疾患に罹りやすくなる。
(3)成長ホルモンの分泌が抑制されて、骨粗しょう症や骨折などを発症しやすくなる。
(4)作業・学習効率の低下(長距離バス事故、スリーマイル島事故)につながる。

…そうです。このほか病気としては、心血管疾患(ストレスホルモン過剰)、糖尿病(インスリン感受性低下)、高血圧、そして精神疾患のリスクが高くなります。

※コルチゾールは、ストレスを起こす抗酸化物質という悪い面がある一方、睡眠ホルモンのメラトニンを抑え、日中、ヒトの活動を活発化させる元気の基となる良い面があります。古代ならヒトは、敵や猛獣に襲われる危険があり、闘争逃走本能が引き出されます。コルチゾールが分泌されなければ、朝起きることさえできません。

睡眠には、(1)オーバーヒートした脳を休める
(2)心身を修復する(筋肉を動かし、脳を働かせるミトコンドリアを増やしてくれる)
(3)成長を助ける(20分程度の昼寝で、アルツハイマーの予防になります)
(4)記憶を根付かせる
…効果があるそうです。

人間の一日の「生体リズム」を簡略してみますとー。

(1)朝、コルチゾールで目が覚める。
(2)朝食は必ず摂ること。特に、タンパク質のトリプトファン(大豆食品、乳製品、肉、卵、バナナなど)がいい。
(3)このトリプトファンは、昼間の日光を浴びると、セロトニン(幸福物質)というホルモンが分泌され、「楽しい」「幸せ」を感じる。
(4)夕方から夜は、オレンジ色の光を浴び、パソコンやスマホ、テレビなど明るい光を避け、入浴は就寝の2時間前に済ます。
(5)夜食は、海老、ホタテなどグリシンがお勧め。亜鉛が多く含まれるから。亜鉛は成長ホルモンと細胞再生の働きがある。
(6)夜は睡眠のため、高カロリー食品、高タンパク質、アルコール、カフェイン、チョコレートは避ける
(7)トリプトファン効果で、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され眠くなる

※セロトニンは、腸に90%、血液に8%、幸せ物質になる脳にはわずか2%しか行きません。腸で過敏になると、下痢になり、血液で過敏になると偏頭痛を起こします。
※亜鉛の細胞再生の働きとは、特に舌が関係します。舌は熱い食べ物などによって細胞が破壊され、常に再生されているそうです。ですから、亜鉛が不足すると大変なことになります。
※メラトニンには、オーバーヒートの体温を下げ、成長ホルモンの分泌を促し、深い睡眠に導く効果があります。

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最後に栄養のある食事について記述します。

【身体のための栄養】
(1)タンパク質(バリン、ロイシン、イソロイシン)
(2)脂肪(コレステロール)⇒細胞壁やホルモン合成に働く
(3)ミネラル
(4)ビタミン

【脳のための栄養】
(1)タンパク質(トリプトファン、メチオニン、ヒスジチン、チロシン)
(2)脂肪(コレステロール、アラキドン酸、EPA/DHA、ホスファチジルコリン)

※トリプトファン⇒幸福感、やる気(大豆食品、乳製品、肉、卵、バナナ、蕎麦)
※メチオニン⇒うつ状態の改善(大豆食品、乳製品、肉、卵、キンメダイ、サバ)
※ヒスジチン⇒学習力、記憶力(鶏肉、豚肉、マグロ、カツオ、イワシ)
※チロシン⇒学習力、記憶、やる気(大豆食品、乳製品、肉、卵、カツオ、イワシ、海苔、キウイ、タケノコ)
※アラキドン酸⇒アナンダマイトに変わり、満足感、幸福感を誘発(豚の肝臓)
※EPA/DHA⇒動脈硬化を抑える(魚)
※ホスファチジルコリン⇒アセチルコリンに変わり、運動、学習力を高める(麦芽、ピーナツ等)

以上、いずれの物質も、ホルモンも良い面、悪い面があり、バランスを取ることが肝心です。過ぎたるは及ばざるがが如し!

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