パティ・ボイド写真展とリコーの市村清

銀座リコービル

昨日は、私のお庭である(笑)東京・銀座リコービル(三愛ドリームセンター)の8階ギャラリーで開催中の「パティ・ボイド写真展」に行ってきました。

渓流斎こと、銀座をブラついて半世紀に及びますが、この銀座のど真ん中のリコービルの上階に入ったのは生まれて初めてでした。一階のドトール・コーヒー店には入ったことがありますが。

写真展がなければ、行かなかったことでしょう。

パティ・ボイドとは誰なのか?ご存知でない方がいらはるかもしれませんが、ビートルズのジョージ・ハリスンの奥さんでした。もともと、モデルで長身、容姿もスタイルも抜群。ビートルズの最初の映画「ア・ハードデイズ・ナイト」に出演して、2人は知り合ったようです。

ジョージは「サムシング」などの名曲を産みます。

しかし、ジョージの親友のエリック・クラプトンと親密になってしまい、結局、パティはジョージと離婚して、クラプトンのもとに走ってしまいます。

クラプトンは、横恋慕の頃、「レイラ」という名曲を産みます。

ロック界では魔性の女として名を馳せてしまったパティですが、その後、クラプトンとも離婚して(クラプトンのDVが原因だったとか)、プロの写真家になったようです。

ジョージとクラプトンという音楽史に名を残す2人の男の元妻ということで、プライベートな寛いだ写真があるのか期待して、入場料510円払って見てきました。

しかし、展覧会というより販売促進会といった趣でした。写真なのに、「20/25」といった感じで版画のように番号と値札が付いているのです。

驚くべきことに、安くても9万5000円、高いと30万5000円もするんですからねえ。

一体誰が買うんじゃい、と思ったら、しっかり「売却済」の赤丸シールが貼ってあるものもありました。

御本人は来日して講演なんかやってたらしいですが、商魂逞しいなあ、というのが小生の印象。1944年3月生まれなので、73歳になり昔の面影も無くなってしまい、見るに忍びない思いでした。

それよりも、この銀座のど真ん中にリコービルを建てた三愛の創業者市村清のこと、今では誰も知らないでしょう。偉人です。

家庭の事情で、今の名門佐賀西校の中退を余儀なくされて、野菜の行商などをして辛酸を舐めた苦労人です。

戦後、「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の三愛主義をモットーに三愛商事を設立して、石油会社やリコー製のカメラを売り出すなど経営の神様と一時もてはやされました。

まあ、波瀾万丈の方なのですが、今ではすっかり忘れられてしまった彼のことを再評価するのもオツではないでしょうか?

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