水上勉記念館「若州一?滴文庫」 Copyright Par 京洛先生
昨晩は久しぶりに酩酊してしまい、どうやって帰ったのか、覚えていません(笑)。お相手は、杉並区で出版社をやっている中学時代の同級生石田君。何か、彼だけは不思議と縁がつながっている友人で、何年ぶりかに会っても「おう、久しぶり」と言える仲なので有難い。
場所は天下の東京駅近くの大衆居酒屋「加賀屋」。ここは、もう10年近くも昔に調布先生から教えてもらい、そこで雑誌編集者の小豆生田君とその後奥さんになった美人弁護士さんと初めてお会いした所でした。ここは、あの京セラ創業者の稲盛さんがちょくちょく顔を出すということで、「そう言えば、あれ以来行っていないなあ」ということで、石田君との待ち合わせをそこにしたのでした。
いやあ、結論から先に言いますと、うるさかった(笑)。予約客で超満員でした。少し早めに行ったので、ギリギリ席を確保できた感じでした。あまりにも人が多いので、注文しても言葉が通じないのか、全然持って来ないし、他の人に頼むとすぐお代わりを持ってきてくれるので、コツを覚えたりしました。
残念ながら、稲盛会長とお会いすることはできませんでした(笑)。
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それにしても、天下の中心、東京・八重洲周辺もすっかり面影がないほど変わってしまいました。石田君も「東京もとうとう新宿化してしまったね」と言ってましたが、その通りでした。昔はもっと節度がある大人の街だったのに、いかがわしい客引きがいたり、いやに多くのつるんだ連中が歩道を横並びで歩いてふさいだりして、嫌になりました。
その前に、東京駅構内も歩きましたが、異様な人ごみで、向こうからぶつかってきても平気な男でなく女が増えましたね。大きなボストンバッグを抱えた外人も増え、足の踏み場もなくなってきました。
さて、「加賀屋」でしこたま呑んだ後、日本酒評論家の石田氏が是非とも行きたいと言っていた「ふくべ」にもお連れすることにしました。この店は、とにかく、日本酒の種類では東京都内でも1,2位を争うぐらいの品揃えがある居酒屋として、通の間では有名です。店内には日本各地の地酒の小さな酒樽が飾ったりしていて雰囲気があります。ここも、久しぶりでしたが、昔と比べて、妙にOL風の女性客が増えた感じでした。
私は、石田君に「どうだ、この店は雰囲気いいだろ?」と言って、彼から褒めてもらえるかと思ったら、彼は浮かない顔です。
店内に50本ぐらい並ぶメニューの全国の酒の看板を見ながら、「Aクラスの酒は置いてないな」と言うのです。そして、「Bクラスならある」とスラスラ言うのです。
読者の皆さんも興味があると思いますから、特別にそっと、石田先生の仰るそのBクラスの日本酒をお教えしませう。得しましたね(笑)。
「出羽桜」(山形)、「一ノ蔵」(宮城)、「浦霞」(宮城)、「開運」(静岡)、「菊姫」(石川)、「五橋」(山口)、「梅錦」(愛媛)
看板には私も愛飲している有名な「菊正宗」や「桜正宗」や「久保田」などもありましたが、もはやBクラスではないそうです。それらはもう大量生産で、「水増し」したりして、かなり味が落ちてしまっているというのです。特に蔵元で、先代が亡くなって、代替えすると、新しい頭領にやる気や利発性(思慮深さ)、味覚の拘りがなければ、どんどん味が落ちてしまうというのです。
その中に、昔は銘酒の中の銘酒と言われていた「剣菱」(広島)も入るそうです。残念ですね。奮起を期待したいです。
日本酒評論家石田先生のお勧めの「Aクラス」は、この店になかったので、後日教えてもらうことにしました。
そして、彼はこう呟くのです。「この品揃えからすると、岡永だな」
何、それ?岡永って何?
石田先生にせがんで聞くと、岡永とは、東京、いや日本を代表する明治から続く老舗の酒の卸会社なんだそうです。要するに酒の流通の総元締めみたいなもんです。
知らなきゃ潜りなわけです(笑)。
そして、この岡永の創業者は飯田一族で、会長は、あの警備保障会社のセコム社長の飯田さんと兄弟だというのです。えっ?何? それも知らなかった。
そこで、翌日、二日酔いの頭で調べてみました。
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そしたら、こんなサイトを発見しました。
「実はあまり知られていない社長になった兄弟たち」http://the5seconds.com/brothers-president-984.html
このサイトによりますと、飯田兄弟と言えば、業界ではかなり有名で、長男飯田博は酒卸問屋の「岡永」社長、次男保は居酒屋チェーン「天狗」で有名なテンアライド社長、三男勧はスーパーマーケット・オーケーストア社長、末弟亮はホームセキュリティのセコム社長(四男の方は事業家にならず)だというのです。
へー、知りませんでしたね。岡永と天狗とOKストアーとセコムが兄弟だっとは!
あの物識りの京洛先生もご存知でしたかねえ…(笑)。
ま、非凡なる凡人(国木田独歩)は何の取り得もありませんから、長生きはするもんですね(笑)。パズルが解けたような気分で爽快です。
“岡永を知らないなんて潜りですよ、渓流斎さん” への1件の返信