目黒不動尊
ーあれっ? 渓流斎先生、休筆したんじゃないんすか?
いやあ、どうも最近の忖度社会には妙に気になっちまってねえ。「物言えば、唇寒し」では駄目でしょう。
ー眼精疲労ではなかったのでは?
もう、そんなこと言ってられんでしょ。いずれにせよ、最近発売されている週刊誌の見出しだけでも読んでご覧なさい。
●加計学園問題 「規制緩和」〝偽装〟した「便宜供与疑惑」ー森友疑惑に続き「知らぬ、存ぜぬ」
●前川前文科次官が反乱した本当の理由(「サンデー毎日」6月18日号)
●安倍官邸に巣くう加計学園人脈 前川前事務次官に迫った和泉首相補佐官は「菅官房長官の市議時代からの友人」/首相の側近らは「加計」系列大学の客員教授に…(「週刊朝日」6月16日号)
●安倍政権に96億円カツアゲされた今治市 加計学園問題 貧乏自治体にお金を出させて、国は1円も出してくれない!?(「週刊SPA!」)
●加計学園スキャンダル 「前川の乱」に激怒して安倍が使った「秘密警察」(「週刊現代」)
●加計学園問題 「あったものを、なかったことにする」総理周辺の“見過ごせない発言”ー「いいとか悪いとかではなく『一強』だからできる」
●加計問題 内閣参与も特区推進を前川氏に要請(「週刊文春」)
●「安倍官邸」一強で日本が失ったもの▼恐怖人事「菅官房長官」の「前川個人攻撃」全発言録
▼証人喚問!? 「前川前次官」はキャリア試験4位の大資産家御曹司▼獣医学部新設で「加計学園」は本当に儲かるのか(「週刊新潮」6月8日号)
ーなあるほど。凄い忖度社会、秘密警察社会が到来した感じですね。
まあ、これら全ては、安倍首相に言わせれば「印象操作」になるらしいけど、やはり、本音を書けるのは週刊誌で、新聞は駄目だね。建前しか書かないから。
ーそれは、昔からそうだったんじゃないですか。ロッキード事件だって、フリーライターが月刊誌に田中金脈暴露記事を書いたら、新聞記者の連中は「そんなこと前から知ってた」と嘯いてましたからね。
それより気になるのは、安倍首相の広報機関紙に成り下がっってしまった讀賣新聞。記者たちには、隔靴掻痒、忸怩たる思いはないのかなあ。まあ、あそこの「週刊読売」はとうの昔に廃刊したから、もう本音が言えないメディアになったけど、このままでは本家本元の新聞も危ないね。元検察官で弁護士の郷原信郎氏は「読売新聞は死んだに等しい」とまで長い論文を書いているからね。ネットでも読めるよ。
ー官僚の事務次官と言えば、昔は泣く子も黙る最高権力者だったのに、文科省の前川さんを見てても、官邸に人事権から何から何まで権力が集中して、事務次官なんか子供扱いですね。
そりゃあ、霞ヶ関の官僚様は、日本で最も頭が賢い集団だから、自己保身には長けてますよ。何を聞かれても、偉そうに「ノーコメント」だからね。しかし、鶏が先か、卵が先かの問題になるけど、菅官房長官は、前川前事務次官のことを「天下り問題の責任を取らず、事務次官の職に恋々としがみついていた」と非難していたけど、あれは逆だね。
加計学園の認可を渋っている 前川氏を陥れるために、文科省の天下り問題を官邸がマスコミにリークして、前川失脚を図ったというのが専らの噂だよ。
ーなるほど、それならすっきり謎が解けましたね。2014年の内閣人事局の設置や国家戦略特区制度も、加計学園ありきの撒菱みたいなツユ払いだったわけですか。
そりゃそうだよ。悪いけど、文科省なんて霞ケ関では二流の役所。本丸は財務省や経産省なのに、あれだけ天下りがあるのに、なんにもリークされない!せめて、不正融資問題で揺れる商工中金の安達健祐社長が、経産省事務次官からの天下りだったことが話題になったぐらいでしょ?
ーごもっとも。先生も夜道には気をつけて。月の出ない日もありすから。