弟子:不安や恐怖、怒りといったマイナスエネルギーを、安心、平安、平静といったプラスのエネルギーに転化する方法はあるのでしょうか?
師匠:マイナスからプラスへ転化しようとするより、まずは、そのエネルギーを受け入れることです。自分の中の陰の部分をしっかり見つめて把握することです。陰の部分を受け入れることです。どんな感情も排除するのではなく、受け入れてあげてください。裁かず、判断せず。純粋性を求める人は、自分にも他人にも厳しくなります。世の中の陰を感じる時、本当は自分の中の陰を見ているのです。あるがままの自分を愛してください。自我が自分で何とかできない、と降参した時、大いなる何かに身を委ねることを知るのです。大いなる何かとは、何か?全て自分自身に正直であれ。祈りも効果的です。
弟子:マイナスエネルギーを我慢して受け入れる、ということですか?
師匠:起きていることは、全て必要なこととして起きているのです。安心してください。
『ダライ・ラマ 至高なる道』 歓迎ダライ・ラマ 其の参
『ダライ・ラマ 至高なる道』春秋社 2001年11月刊
■この本は、ダライ・ラマ猊下が1991年にフランスのドルドーニュという所で行なった七日間の講義の記録です。原著は『夜の闇の雷光』だそうで、講義の内容自体は、シャーンティデーヴァ(寂天)の『入菩提行論(にゅうぼ