このブログでは、これまで、「銀座ランチ」とか、「銀座・明治新聞街」とか、「銀座・地方物産店巡り」など色々と「銀座企画」をやって来ましたが、少し、飽きてきたので(笑)、他のものをやろうと考えてみました。
代替案はすぐ見つかりました。「銀座・高級腕時計店巡り」です。銀座を歩いていると、やたらと高級腕時計の販売店が目立つのです。もしかして、飲食店に次ぐぐらい多いかもしれません。
何と言っても、銀座のシンボルは、4丁目の服部時計店=セイコーですからね。世界各国から、特にスイスの高級腕時計店が銀座に集まって来るのも頷けます。何しろ、高級腕時計は安くても数十万円、パテック・フィリップともなると数千万円もする代物ですから、「信用」が肝心です。消費者は、銀座に出店しているから安心して買うのです。その点、銀座に画廊が集中しているのと同じ論理です。やはり、偽物はつかませられたらたまりませんからね。
最初に取り上げるのは、日本に敬意を表してシチズンです。銀座SIXにあります。
1918年創業。関東大震災の翌24年にシチズンの前身・尚工舎時計研究所によって懐中時計が販売され、30年にシチズン時計株式会社が創立されたとのこと。シチズンの命名者は、当時、東京市長だった後藤新平です。この人、色んなところで登場しますね。本社が、今でも、私も土地勘がある西東京市田無町にあるというのがいいですねえ。
このシチズンの隣りにあるのが「アーノルド&サン 1764」です。恐らく、シチズンと販売契約を提携していると思われます。英国の時計職人ジョン・アーノルド(1736~99年)に敬意を表して、その名前を冠していますが、スイスの時計店です。1764年とは、アーノルドが国王ジョージ三世に小さな2度打ち時計を塔載した指輪を献上した年なんだそうです。
私の得意な「みゆき通り」を歩いても、何軒か、高級腕時計店を見かけます。
上の写真の 「IWCシャフハウゼン」 は、確か、以前はここに風月堂の喫茶店があったと思います。風月堂ビルのままですし、よく、取材でも使ったので間違いありません。
今や、スイスの高級腕時計店にリースしているということなのでしょう。IWCとは「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」とのこと。スイスでもドイツ語圏のシャフハウゼンが本拠地に1868年創業。パイロット・ウオッチが世界的にも有名で売れ筋のようです。安くても50万円ちょっとなので、あたしには関係ないですが。
みゆき通り、銀座5丁目でよく見かける「エバンス」はブランド名かと思ったら、販売店の名前のようでした。ロレックスやウブロなど高級腕時計を扱っているので、勿論、お店の中には入りずらいのです(笑)。
この 「シェルマン」 も時計のブランド名かと思っていたら、高級腕時計の総代理店名でした。(水曜日は休みのようでした)
この店の前は、通勤でしょっちゅう通るので、馴染みになっていますが、店に入ったことはありません(笑)。日本ではあまり知られていない 「フィリップ・デュフォー」「ハブリング・ツー」「クドケ」など個性豊かなスイスの高級腕時計を販売しているようです。
本日最後は「センチュリー」です。 1966年に創業されたサファイアを使った高級時計ブランドですが、恐らく、日本人でも知る人ぞ知るブランドだと思います。(この店も水曜日は休みでした。契約が水で流れると禁忌している日本の不動産屋さんが、水曜日を定休日にするみたいですね)
このビルが建つ前の、取り壊された古いビルから知っていましたが、銀座にこんな立派なビルを建ててしまうことができる高級腕時計会社というものは、「儲け率」が高いのではないかと下衆の勘繰りをしてしまいました。
「だから、何なのだ」と言われそうですが、スイスの時計というのは、草創期の17~18世紀では、今で言う超ハイテク機器だったことでしょう。世界中の王侯貴族が買い求めたと言われ、それは今でもあまり変わりありませんね。
あの自由思想主義者のジャン・ジャック・ルソーはスイスの仏語圏のジュネーブ生まれで、ルソーの父イザークを始め、ルソー家は代々、時計職人だったことは有名です。ルソー家は、いわばエリートだったのです。
このルソーの話もまた、「それがどうした」と言われそうですね。
「いいじゃないか。だって、ブログだもん」と言い返すしかありません(笑)。
(本当は、「ベル&ロス」という1992年、パリで、カルロス・A・ロシロとブルーノ・ベラミッシュにより共同創業された異様に格好良い高級腕時計(銀座4丁目に今年5月に旗艦店がオープン)を御紹介しようと思って、今日行ってみたら、お店は改装中でした。残念)