仏・独・英合作映画「戦場のアリア」は本当に名作です。派手な宣伝をしていなかったので、見過ごした方も多いかと思いますが、DVDやレンタルで見られると思います。私は、今年見た映画のベスト5に挙げます。それくらい感動しました。
実話に基づいています。第一次世界大戦真っ只中の1914年のクリスマス・イブ。フランス北部のデルソーという村で、奇跡が起きるのです。フランス軍とドイツ軍と英国スコットランド軍が対峙している最前線で、ふとしたことがきっかけで、「クリスマス休戦」が生まれるのです。お互いに敵同士だというのに、友情さえ生まれます。その休戦に一役買ったのが、オペラ歌手のアナ(ダイアン・クルーガー)とテノール歌手でドイツの一兵卒として徴兵されたシュプリンク(ベンノ・フユルマン)です。
苦悩する指揮官として、フランス軍中尉のオードベール(ギョーム・カネ)とドイツ軍中尉のホルストマイヤー(ダニエル・ブリューム)がとてもはまり役でした。
戦争という極限状態の中で、人間らしさを失わなかった人たちの感動の記録です。この実話を掘り起こして映画化した監督のクリスチャン・カリオンもただものではないと思いました。
歌声が実に素晴らしいと思ったら、ソプラノのアナはナタリー・デッセー、テノールは、ロランド・ヴィラゾンと一流のオペラ歌手が歌っていたのですね。映画見ているときは気づかなかったのですが、これもネット時代の恩恵です。