ないない大事典

ポンペイ

 

フジテレビ系で先々週放送された「発掘!あるある大事典Ⅱ」で、納豆のダイエット効果が紹介され、納豆が売り切れる店が続出して社会的事件になりました。ところが、因果関係を裏付けるデータが捏造されていたことが昨日、発覚しました。

 

全くお粗末な話ですね。私は、この有名な番組を見たことがありませんが、テレビ局幹部と製作者の責任感のなさに本当に呆れてしまいました。

 

「あるある大事典」は、関係業界では必見の番組だそうです。特に「ダイエット効果あり」と喧伝された商品は、すぐ売り切れてしまうので、コンビニやスーパーなどでは、「『あるある大事典』で放送。在庫注意」といった伝令が各セクションに回ってくるのだそうです。

 

これだけ影響力を持っているというのに、製作者は日々の仕事に追われ、結果的に「ヤラセ」のような番組しか作れないのです。でも、これは、冷静になって考えれば、当たり前の話でしょう。世の中というのは、そう大して大それた事が起きることはなく、殆どの人の個人の一生など、退屈と単調な繰り返しのはずです。現代人はその境遇に耐えられないので、気晴らしのために手頃で安価なテレビに飛びつくのです。

 

しかし、テレビに登場するものの大半は、製作者が関わっている限り、役者さんであり、やらせであり、商品を売るための策略なのです。私がテレビドラマをなどを見ないのも、いくら役者が美人で格好よかったとしても、本物の医者や指揮者や大奥のお局さんに見えてこないからです。

 

紺屋の白袴という諺があります。テレビ局の幹部も、驚くほどテレビを見ていないのですよ。それは、煙草会社の幹部がタバコを吸わなかったり、清涼飲料水の会社幹部が自社製品のドリンクを飲まなかったり、ファストフードの会社幹部が決してファストフードを口にしたがらないのと同じ論理です。

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