辛いことに負けない

 ローマにて

作家で医師の久坂部羊氏は1996年、パプアニューギニアで、伝説の映画監督レニ・リーフェンシュタールと会っています。

彼女は、ヒトラー・ナチス政権下で行われた1936年のベルリン・オリンピックを撮影し、一躍脚光を浴びます。時に34歳。もちろん、このことで、彼女は一生、十字架を背負って生きていくことになります。

久坂部氏が、レニに会ったのは、その50年後のことで、彼女が94歳の時。レニは、戦後、アフリカのスーダンのヌバ族の生活を10年以上追い続け、写真集「ヌバ」を出版し、再評価の兆しを獲得しつつありました。その頃は、現役のスキューバーダイバーとして、海中写真を撮っていました。

当時、現地の日本大使館で医務官を務めていたという久坂部氏は、勇気を出して彼女に話しかけ、元気の秘訣を聞きました。

すると、彼女はこう答えたというのです。

「それは人生をつらいことで満たすことよ。それに負けないことがエネルギーになる」

2003年に101歳で没。

(27日付朝日新聞)

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