ローマ
天外伺朗氏の「宇宙の根っこにつながる生き方」(サンマーク文庫)を読了しました。
この本で、氏は、はっきりと「あの世はある」と断定しているので、世に言うトンデモ本の類いではないのかと思われるかもしれません。
しかし、天外氏は、大手企業の研究所で、先端技術の研究開発に携わっている人なのです。どこの企業なのか、略歴には具体的に書いていませんが、CDレコードやロボットのAIBOを開発したというのですから、恐らく、ソニーなのでしょう。
少しだけ彼の言うことに耳を傾けてみましょう。まず、彼は「あの世」とは言っても、死後の世界とは言ってません。あの世とは、今、生きているこの世と同時進行で連動している精神的な世界だと言っているのです。
要するに、心の持ちようでどんな世界でも作れるというのです。少なくとも、私はそう理解しました。
「カルマの法則」というものがあります。自分の言動が自分に跳ね返ってくるということです。前世まで持ち出す人がいますが、私には前世があるとは思っていません。現実の世界あるのみだと思っています。それでも、その現実の人間界は、言葉の世界だけではありませんから、心の中で、相手を嫌っていると、必ずと言っていいくらい、相手も嫌っていたりします。
「人は陰徳を積むと報われる」と聞いたことがあります。「情けは人のためならず」ともいいます。こうして、人に対して良くすれば、やった分だけ、必ず自分に跳ね返ってくるのです。その逆に、人に意地悪すれば、いつかは、自分の身に天罰が落ちるものです。
この本の中で、著者は、悪いカルマ、つまり、邪気から逃れる方法を伝授しています。
1つは、自分の感情を無闇に押さえ込もうとしないこと。
1つは、あるがままの自分をそのまま受け止めて、肯定すること。
1つは、流れに身を任せること。
云々…
とにかく、邪気が外れる様子を自分で観察してみることが大切なのだそうです。そのためには、絶えず、前向きに明るく、すべてを肯定的に捉えて生きることが大切なのです。
その手段として、瞑想が一番の早道で、本書では、その瞑想法まで紹介されています。
と、ここまで書いて、「人間は何を考えても自由なのだ」という確信を強くしました。
天外氏の言っていることを「嘘だろう」と思う人は、ありえない話なので、全く、意味もなく、効果もないことでしょう。しかし、「ありえるかもしれない」と、思う人には、その程度の効果があり、「絶対にそうだ」と確信する人には、因果応報も、天罰覿面も、カルマの法則も、百%的中することでしょう。
そうできていると思います。
かの松下幸之助氏の口癖は「僕は運がいいよ」だったそうです。
その口癖が彼に運を引き寄せていたのかもしれません。
この話をバカらしいと思うか、なるほどと納得するか、それも自由です。