宇登呂
大相撲横綱の朝青龍問題が、国際問題に発展しそうですね。この経緯については、皆さんもうよくご存知なので、触れませんが、何で、こんな問題が発生したのか、色んなメディアで報道されていましたが、一番分かりやすかったのが、12日付産経新聞の「朝青龍騒動3つの非」という記事(小田島光記者)でした。
小田島記者は、この騒動になった非は3つあり、第一は、横綱という立場を弁えなかった朝青龍。第二が、自覚のない横綱を育てた師匠の高砂親方(元大関朝潮)。第三が、そんな朝青龍を横綱にした日本相撲協会の特に北の湖理事長(元横綱北の湖)だと、明解な論理で説得してくれました。
この記事を読んだのか、態度のデカイ某スポーツ評論家が、その日のテレビのワイドショーで全く同じことを言っていたので、彼の取材力の底の浅さが知れて、軽侮心さえ浮かんできました。まあ、それ程、説得力がある記事でした。
朝青龍本人から事情聴取もしないで一方的に「二場所出場停止」などの処分を下した日本相撲協会を批判する人もいましたが、私の意見は、相撲という興行の世界はそういうもので、相撲協会の裁断は正しいと思っています。そもそも、勧進相撲から始まった相撲は、裏社会の力で興行が行ってきた世界であり、一般の、倫理観や正義や人権とやらを持ち込んだら、おかしくなります。
やはり、一番悪いのは、仮病を使った朝青龍(本当に疲労骨折なら、サッカーなんかできるわけがない!)で、「年6回の本場所だけ出演していればいい」といった考えが間違っていたのです。裏社会の人々にとっては、巡業こそが稼ぎ時なので、彼らのルールに反するパペットは排除するしかないという論理なのでしょう。しかも、朝青龍は、モンゴル政府が率先してバックアップしているビジネスを母国で展開しているらしく、そのために、しばしば帰国しなければならなかったという事情があったらしい。もし、これが事実だとしたら唖然としますね。ハワイから苦労して関取になった外人の第一世代に当たる高見山らは、余程のことがない限り、帰国しませんでした。時代が違うとはいえ、今後、モンゴル政府の抗議も予想され、外交問題に発展しそうだと指摘する人もおり、この騒動はまだまだ予断を許しません。
ところで、気になる記事をみつけました。この騒動で中田英寿の事務所がボロ儲けをしていたというのです。朝青龍が母国モンゴルで、中田と一緒にサッカーを興じていたことは知っていましたが、騒動になったおかげで、中田事務所の素人スタッフが、ハンディカメラで撮影した手ぶれの多い、画質の悪いサッカーの画像が、1分当たり破格の30万円で売られているというのです。あの天下のNHKですら、朝青龍の処分が決まった1日に泣く泣く購入したという話です。
この騒動で一番得したのは、中田事務所だったとは!