恐竜史上最大のプエルタサウルスも最強のマイプも史上最古のエオラプトルも知らずに生きて来た私

 昨年、小生がジェレミー・デシルヴァ著、赤根洋子訳「直立二足歩行の人類史」(文藝春秋)にハマってからは、古人類学、文化人類学、地球46億年史、それに進化論にまで興味の範囲が広がってしまったことは、拙ブログの御愛読者でしたら御案内の通りです。

 21世紀になって次々と古代人類の化石が新発見されて、それに伴い人類史も次々と塗り替えられてきました。ですから、わずか20万年程度しか歴史のない現生人類(ホモ・サピエンス)のことばかり気を取られていましたが、当然のことながら、21世紀になって恐竜の化石も次々と新発見されるようになって、恐竜史まで次々と塗り替えられているというのです。

 霊長類の人類が、チンパンジーから分岐したのは、わずか、たったの700万年前のことですが、恐竜は、1億6000万年もの間、繁栄したのです。そりゃあ、桁違いです。

 先日、NHKで放送された「恐竜超世界2 前編  巨大恐竜の王国 ゴンドワナ大陸」をたまたま見たのですが、そして、番組はお子様向けに編集・制作されてはいましたが、私自身、全く何も知らなかったことばかりで、本当に魂げてしまいました。

 何しろ、私の恐竜の知識は、「世界最強」のティラノサウルス程度ですからね。脳に苔がむしているようなもんです(笑)。

 番組では、ゴンドワナ大陸に棲息していた恐竜に絞って紹介されていました。ゴンドワナ大陸とは、このブログの「地球46億年」でも取り上げたことがありますが、地球は3億年前まで大陸ほとんど全部くっついていて、超大陸パンゲアと呼ばれ、それが1億5000年前頃に南北の二つに分かれて、南部の大陸がゴンドワナと呼ばれていました。7000万年前になると、このゴンドワナ大陸は、南米とアフリカとインドとオーストラリア、南極の各大陸に分岐するわけです。これまで恐竜研究は、ティラノサウルスが制した北米などが中心で、南米は進んでおりませんでしたが、21世紀になって新発見が相次いだのです。

 この中に、2001年に発見された竜脚類のプエルタサウルス(1億4500万~6600万年前)がいます。恐竜史上最大と言われ、全長35メートル。高さは6階建てビルに相当します。こんなにデカイのに、草食です。肉食恐竜に負けないように体格を増大させたらしいのですが、1日100キロもの植物を食べるというのです。ですから、食物を求めて移動しなければなりません。

 このプエルタサウルスを狙うのが肉食恐竜マイプ(メガラプトル類)です。全長わずか(笑)9メートル。捕食者の頂点とも言われます。ライオンなんかより遥かに強い百獣の王です。初めて聞く名前なので調べてみたら、何と2019年にパタゴニア地方(現アルゼンチン)で化石が見つかったというではありませんか。何だ、つい最近です。

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 同じアルゼンチンのサンフアン州では、「世界最古の恐竜」とも言われる化石が見つかり、1993年にエオラプトルと命名されました。全長わずか1メートルで、恐竜の部類に認めない学者もいるそうですが、中世代後期三畳紀ということで約2億3000年前です。

 6600万年前の隕石の衝突による気候変動で恐竜は絶滅したと言われますから、最古の2億3000万年ー6600万年=1億6400万年 となります。恐竜は1億6400万年間繁栄したという計算式が成り立ちます。

 この隕石衝突による「恐竜絶滅」説ですが、最近は、全滅ではなく、一部の恐竜はその後、数十万年は生き延びたという説が有力になってきました。北半球はほぼ絶滅しましたが、南半球のゴンドワナ大陸の南端、つまり、今の南極は森林火災などから免れ、新世代の地層からもシダ類の化石が見つかったことから、恐竜が食べる植物があったことの証明になりました。

 恐竜の世界は、人類より遥かに奥が深いのです。

※ 恐竜の【写真】がなくてすみません。ご興味のある方は、是非、図鑑等でご参照ください。

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