嵐山光三郎「妻との修復」

公開日時: 2008年3月31日

旧友の戸沢君は、奥さんと娘さん二人の四人家族なのですが、絵に描いたような不幸な家族です。もう何年も前から「家庭内別居」で、お互いの親戚の冠婚葬祭にも出席しない。高校生の娘さん二人はぐれて、出奔し、もはや崩壊状態。それでも、離婚しないんですから不思議です。

 

そんな彼と飲むといつも彼の家庭と仕事の愚痴を聞いてあげるのが私の役目になってしまいました。彼は、最近、「やっと、俺の真情を言葉にしてくれた人が出てきたよ。お前も読め」と奨められたのが、嵐山光三郎著「妻との修復」(講談社現代新書)です。どうやら、彼が私淑する作家のAさんから、急に講談社のPR誌「本」が送られてきて、そこには何の手紙も添えられず、黙って、嵐山氏の書いた「妻との修復」のエッセイに栞が挟まっていたらしいのです。

 

何気なく読むとそれがずば抜けて面白い。で、つい、本を買ってしまったというのです。

 

「妻との修復」には、古今東西の男と女が夫婦になったり、修羅場を迎えたり、別れたりして、どうやって先達がこれらの難局を切り抜けたか、「処方箋」が書かれているというのです。

「どれほどかわいらしい娘でも、結婚して7年経つとおばさんになる。14年経つと妖怪となり、21年経つと鬼婆になり、28年で超獣となって、それ以上経つと手の付けられない神様となり、これを俗にカミさんという。

結婚前はいじらしく、弱々しく、虫も殺さないようなお嬢様が、7年周期で化けていく。

死んでから財産や貯金を残さないおやじは貧乏神とバカにされて、線香の1本もあげて貰えず、墓参りにもされずに、やがて無縁仏になる」

 

「このフレーズは100%正しい。人生の真理だよ。おまえには分かるかなあ」と戸沢君。

「『戦争と平和』などを書いたトルストイはロシアの伯爵家に生まれた。私有財産の否定の考えに基づいて、土地や貯金の全財産を妻に譲り、著作権を放棄しようと考えたが妻に反対された。

妻との不和に苦しんだトルストイは、80歳を過ぎてから家出をして、田舎の寂しい駅で死んだ。

トルストイの死を知らされた妻ソーフィアは『48年間連れ添いましたが、夫がどういう人間だったのかは分からず仕舞いでした』と言った。

これはほとんどの妻が同じことを考えているはずで、どれほど長く暮らしていても、妻は夫を理解しない。妻は自分のことだけ考え、自分を補助するために夫を飼育する。妻の幸福に禍いをなす夫は排斥される」

「な、な、な、これ、俺のこと書いているんだよ。『所詮夫婦は赤の他人同士。薄皮一枚でつながっているだけ』というのも真理だなあ。嵐山光三郎なんて、あまり読んだことなかったけど、これは絶対名著だよ。彼はすごい。素晴らしい」とべた褒めの戸沢君。

このブログは、かなり多くの女性の方が読まれていると思いますので、お断りしておきますが、これは、あくまでも戸沢君の意見ですからね。

でも、私も興味をそそられましたので、読んでみようかなあと思っています(笑)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください