天婦羅もタバコもコップも元々はポルトガル語だったとは!

 ポルトガルの旅行番組を見ていたら、ポルトガル料理が食べたくなりました。ポルトガル料理といえば、ポルトガル好きが高じて何年か現地に滞在した好きな作家の檀一雄のことを思い起こします。ポルトガル料理店は、銀座にあるのかしら?

 ご安心ください。東京・銀座は、恐らく世界一のグルメ都市かもしれません。ない料理店はないくらいです。ミシュランの三ツ星レストランが多いということで世界的に有名になったスペイン・バスク地方のサン・セバスティアンに引けを取らないのではないでしょうか?だって、ランチでさえも、世界中の料理が楽しめるからです。

 私の個人的印象では、やはり、銀座で気軽にランチが食べられるお店で一番多いのは和食店というのは当たり前ですが、二番目は一時の「イタ飯」ブームが続いているイタリア料理店だと思います。西洋料理店の筆頭でしょう。次は、フランス料理店といきたいところですが、どうも高級感が先に出て下火になり、イタリアンに抜かれ、今やスペイン料理店の方がフレンチより多いような気がします。フランス料理店ともなると、ロワジールにせよ、エスコフィエにせよ、ポール・ボウキューズにせよ、ちょっと敷居が高過ぎますからね。フレンチと聞いただけで、庶民は、敬遠してしまいます。

銀座・ベトナム料理「ニャー」バンミー&牛フォーセットランチ一1200円

 残念ながら、英国とドイツはグルメの世界では除外されてしまいますが、銀座にはあります。また、ロシア料理店は数軒あり、私の行きつけの店もあります。世界三大料理の一つと言われるトルコ料理店もあります。アジアでは、中華料理店がイタリアンと同じか、それより少し多いぐらいありますが、タイやヴェトナム、インドネシアなども増えました。個人的には、ヴェトナムのラーメンと言われる「フォー」が好きなので、結構、ヴェトナム料理店には行きます。

 さて、銀座にポルトガル料理店はあるのでしょうか?

 ありました、ありました。さすがに銀座です。数軒あるようですが、私は、その中の泰明小学校の向かいのビルの地下にある「ビラモウラ」という店にしました。何度か店先は通っても、入店するのは初めてでした。

 ビラモウラとは、ポルトガルの南の地中海に面したリゾート地らしいですね。

 ランチに何種類かありましたが、私はポルトガルの伝統料理「フェイジョアーダ」というのも頼んでみました。「麦小町豚肉と豆の煮込み」と書いてありましたが、同じイベリア半島なのに、スペイン料理と全くと言っていいぐらい違いますね。豆が入っているせいかもしれません。言い過ぎかもしれませんが、ポルトガル料理の方が、庶民的な味がしました。

 そう言えば、ワインもスペインのきりっとしたワインとポルトガルのポートワインと全然違いますからね。ポルトガル人は甘口を好むのかしら?

 世界のGDPランキングで、ポルトガルは現在50位で、スペインは15位ですから、欧州の中でも下位です。15世紀から17世紀にかけての大航海時代では、スペインと世界を二分した超大国だったポルトガルは、今はその勢いの影もないほどですが、遺産だけは残しています。植民地にしたブラジルやアンゴラ、モザンビークなどでは今でも公用語はポルトガル語ですし、南蛮人として日本にやって来たので、結構、ポルトガル語が日本語に取り入れられているのです。

 カステラ、カルタ、ボタン、ビロード、ビスケット、キャラメルなどは私も知っておりましたが、何と何と、天婦羅までポルトガル語のtempero から来ているんですってね! これには吃驚しました。天婦羅がもともとポルトガル料理だとしたら、世界遺産の和食じゃないってことなんでしょうか?(笑)

 テーブルに「日本語になったポルトガル語」の一覧表があって、他にも色々とありました。ブランコ、カナリア、コンペイトウ、チャルメラ、コップ、デウス(神)、マント、パン、オルガン、タバコ、ベランダ、シャボン(石鹸)までありました。

 全く「へ~」ですよ。確かに、日本人が最初に接触した西洋人は1543年に種子島に鉄砲を伝来したポルトガル人でした。世が世なら、日本はもっとポルトガルの影響を受けたかもしれませんが、コップ、パン、ベランダ…といった言葉だけでも凄いですよ。

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