幼児を虐待死させて両親が逮捕されたと思ったら、今度は東海道新幹線車内での無差別殺傷事件。その22歳の容疑者は「誰でもいいから人を殺したかった」と取り調べで応えたといいます。10年前の秋葉原無差別大量殺傷事件を思い起こさせます。そして、闇サイトで初めて知り合った鬼畜どもによる浜松市の29才看護師連れ去り死体遺棄事件と耳を疑うような心を痛める極悪事件がここ1週間続き、厭世気分になってしまいました。
これから、「人を見たら泥棒と思え」ではなく、「人を見たら殺人犯と思え」と子どもたちに教えなければならないのでしょうか。殺伐とした世の中は今に始まったわけではありませんが、本当に嫌になってしまいますね。
ところで、史上初の米朝首脳会談が6月12日(火)、シンガポールで行われました。新聞・テレビ等で報道された通りですが、木曜日発売の週刊誌はあまり大々的に取り上げませんでしたね。部数売り上げ向上につながらないからなのでしょう、恐らく。
マスコミのどこも、この米朝会談について、「失敗」扱いで、専門の学者のほとんどが「60点」という辛い採点を付けてます。朝鮮半島の非核化が検証可能という保証をトランプ米大統領が取り付けることができず、北朝鮮に一方的に利する結果になったから、というのがその主な理由でしたが、私は、個人的には「よくやった」と思ってます。つい半年近く前までは、ミサイルが飛び交って一触即発の雰囲気でしたから、両首脳が握手するなどとても想像できませんでしたからね。私なら85点を付けてもいいです。
それより、私自身、以前はトランプ大統領のことは「とんでもない人」だと思っていたのに、この米朝会談をきっかけに、「とてつもない人」だと思うようになりました。
有言実行の人で、これまで公約していたことの中で、「メキシコ国境に壁を建設してその費用をメキシコ側に支払わさせる」という以外は、ほとんど実行してきたのではないでしょうか。TPPからの離脱、地球環境問題のパリ協定からの離脱、貿易戦争に発展しかねない鉄鋼、アルミ、自動車等への高い輸入関税などです。
特に日本の基幹産業である自動車に以前の2.5%からその10倍も25%に引き揚げる暴挙は、日本人としてとても許せませんが、トランプ大統領はほとんど国益のため、自国第一主義を声高に叫び、失業率を17年ぶりに3%台に低下させるなど、ラストベルト地帯でも景気のどん底から明るい兆しが見えてきたという報道もあります。
17年前の2001年はクリントン大統領ですから、その後のブッシュ大統領もオバマ大統領もできなかった景気回復を、禁じ手かもしれませんが、成し遂げたのですから、一目を置くべき大統領かもしれません。
勿論、好き嫌いは別です。
これまでの世界中のマスコミがトランプ大統領を悪者扱いにしてきたおかげで、世界中の人々が彼に偏見を持つようになりました。
しかし彼ほどの愛国主義者はいないかもしれません。極右の超国家主義者かもしれません。でも、これまでの歴史家らが指摘するような超国家主義者=軍国主義者と彼には当てはまらないようです。
「誰でも戦争ぐらい簡単にできる」「戦争ゲームのような米韓合同軍事演習は中止する」といったようなトランプ大統領の発言は、驚きを禁じ得ませんでした。私も、彼のことをイケイケドンドンの軍国主義者だと思っていたからです。
平和主義者と言われたあのケネデイ大統領が、南ベトナムに軍事介入して、ベトナム戦争を泥沼化させた張本人なのですから、皮肉なものです。マスコミや歴史家によるネーミングは当てにならないということでしょう。
大金持ちのトランプ大統領ですから、只管自国第一主義、保護主義政策を取るので、中国のように領土拡大の野心などありません。
彼は、IMFやEUなど国際組織に対してはかなりの猜疑心を持っており、貿易も多国間協定ではなく二国間で結ぼうとしてます。
スポーツのIOCやFIFAの汚職事件を見て分かるように、国際組織には莫大な利権があります。トランプ大統領は、殆ど仕事しないでその利権だけを独占している国際官僚貴族の腐敗ぶりを見聞したからこそ、敢えて逆方向の自国保護主義に向かったのではないかと勘繰りたくなります。
勿論、アメリカは中間選挙を控えており、「トランプのパフォーマンスは、点数稼ぎ」という批判はよく分かります。
しかし、リベラルのハリウッド俳優が彼を「アホバカ」扱いするなど、あまりにも彼を侮辱するような心無い批判が多過ぎたので、敢えて個人的見解をさらけ出してみました。
これからの展開次第では、「名奉行」から「悪代官」に転落する可能性もありますが、意外と「名君」として名を残すのではないかと思ってます。ただし、米国の歴史教科書で(笑)。