ムック「江戸三百藩 全史」を衝動買い

藤沢周平の小説に登場する海坂藩は、架空の藩ながら、藤沢の出身地である鶴岡の庄内藩がモデルになっていると言われています。

こんなことは藤沢周平のファンとしては常識中の常識でしょうが、この庄内藩は、「徳川四天王」の一人と言われた筆頭家老酒井忠次の子孫が代々治めていたことは、不勉強な小生は最近知ったのでした。嗚呼、恥ずかしい。

(大河ドラマ「おんな城主直虎」では、この酒井忠次役としてみのすけという俳優が演じておりました。)

どうも、我ながら「藩」の知識がなさ過ぎます。

最近、テレビで、佐々木蔵之介主演の映画「参勤交代」と「参勤交代リターン」を続けて放送していたので見たのですが、あまりにも荒唐無稽で、お子ちゃま向けの時代劇で、「嗚呼、劇場公開で見なくて良かった」と思ってしまいました。失礼ながら。

あまりにも、漫画チックな内容で、舞台になっている湯長谷(ゆながや)藩だとか、磐城平(いわきたいら)藩など、聞いたこともないし、どうせ勝手に考えたもんだろう。どうせ作り話なら、もう少し、格好良い藩の名前にすればよかったのに、と観終わって思ったわけです。

そしたら、ギッチョンチョンの大吃驚。湯長谷藩も磐城平藩も、ほんまもんの実在した藩だったんですね!

本屋さんで、何気なく立ち読みしたムック「江戸三百藩全史」(スタンダーズ社)をパラパラ捲っていたら、湯長谷藩が出てきたので、思わず衝動買いしてしまいました。本当に百姓一揆があったらしく、藩主が、映画のお話ほど民百姓思いで、善政を敷いていたのかどうか疑わしくなってしまいました。

いや、実は、前々から藩についてもっと知りたいと思っていたので、このムックはちょうどよかったと言えばちょうどよかったでした。

このムックは、家紋から居城、石高に至るまで簡潔にまとまって読みやすいことは確かですが、残念なことに、庄内藩の藩主は「酒井家」なのに、見出しが「酒田家」に誤記されてます。本文に地名の酒田が出てくるのでそれで間違ったのか。しかし、こんな初歩的ミスは編集か校正段階ですぐチェックできるはず。他にも間違いがあるのかもしれません。最近の出版物は、どうも編集者のレベルが低下しているなあ、と残念な気持ちになってしまいます。

「増補改訂版」とあるので、よく売れている本なのでしょう。このムックの発行日は、まだ先の2018年1月1日となっておりますが(笑)、次回の「改訂版」ではしっかり間違いは直してくださいね。