銀座という華やかなショッピング、飲食街の一角にどういうわけか、国旗掲揚塔があります。
銀座4丁目の三越百貨店から東銀座の歌舞伎座に向かう途中にありますが、目立たないのでほとんどの人は気が付かないで通り過ぎてしまうと思います。
私も今年1月に「発見」しましたが、それまで、全く気が付きませんでした。
現在も使われていると思いますが、個人的にまだ国旗が掲揚されている場面は見たことはありません。
この塔を建てたのは「銀座國旗掲揚塔奉賛会」と、土台にプレートがありました。
漢字の旧字体から見て、戦前に建てられたと思われましたが、その通りでした。
昭和9年5月に「皇太子殿下御降誕記念」として京橋旭少年団が建立したようです。
皇太子殿下とは、現在の明仁上皇陛下のことで、昭和8年12月23日生まれですから、その5カ月後に建てられたことが分かります。
京橋旭少年団の団員については、会津半治団長以下の名簿がずらりと記載したプレートもありました。ざっと70人近い人の名前が刻まれています。相談役や顧問の方もいるので、全員が少年ではないのかもしれません。
京橋~は、銀座は昭和18年まで東京市京橋区だったので、そう命名されたのでしょう。
国旗掲揚塔はここだけかと思いましたら、都内に結構多いことが分かりました。日本橋室町などには「皇太子殿下御成婚記念碑・国旗掲揚塔」があります。この皇太子殿下とはやはり、現在の明仁上皇陛下のことで、昭和34年4月10日、美智子さまとのご結婚を祝して、各地に国旗掲揚塔が建てられていました。
他に代々木などにも国旗掲揚塔がありますが、これは昭和39年の東京オリンピック開催を記念して建てられたものです。正確に数えておりませんが、都内に結構あります。昨年(2021年)の二度目の東京五輪は盛り下がりましたから、国旗掲揚塔の建立はなかったのでは?
おっ!「皇太子殿下御降誕記念・国旗掲揚塔」は他にもありました。渋谷区千駄ヶ谷、板橋区成増…。恐らく昭和9年に建立されたことでしょう。好事家でしたら、全て調べて本まで出すことでしょうけど、私はそこまで体力も気力もありましぇん。