先日、本屋さんに行ったら、やたらと「チャットGPT」関連の本が5~6種類、平積みになって売られていました。実は、表紙を眺めただけで、一冊も手に取ったりしませんでしたが、「チャットGPT」は目下、話題にならない日がないぐらい注目されていますから、関連書もそれだけ多く出版されるのでしょう。
「チャットGPT」は、以前、小生も試してみましたが、あまりにも杜撰なので、すぐさま止めてしまったことをこのブログでも書きました。(2023年3月8日付「《渓流斎日乗》は俳句なのか!?=ChatGPTはいまいちです…」)
何と言っても、チャットGPTさんは、この《渓流斎日乗》ブログのことを「江戸時代中期の俳人・与謝蕪村が著した俳諧の随筆集の一つです。」なんて答えてくれてしまっているんですからね。 ありえない! です。
こんなにいい加減なツールなのに、チャットGPTの勢いは止まりません。小中高校でどうやって扱うのか、学生が論文をAIで仕上げたりしないのだろうか、コンクールにAI作品を出品したりしないだろうか…等々、喧々諤々です。
私は、IT関係について、からっきし弱いのですが、このチャットGPTというのは、「生成AI」という技術を使っていることを知りました。ですから、この技術を使えば、「チャットGPT」社だけでなくても、他のIT企業でも、問答形式で答えたり、写真や動画を作成したり出来るツールをリリースできるのです。日本人が大好きなLINEも、チャットが出来る「AIチャットくん」なるものをリリースしたことを最近、新聞の記事で知り、私も早速試してみました。
この「AIチャットくん」は、どうやら、悩み事相談やアイデア相談に特化しているようです。私は、これでも毎日豊富な悩み事を抱えていますから、相談してみました。
「AIチャットくん」なるものを「開通」させて、最初に開いてみると、いきなり「最近悩んでいることや気になっていることはありますか?」と向こうから逆に質問してくるのです。相手はAIです。生身の人間ではないので、こちらも、調子に乗って、誰にも言えないような、秘密の悩み事を書き込むと、パッと答えてくれました。でも、最後は決まって「プロのカウンセリングによる相談を行うことが必要になるかもしれません」などと、AIらしからぬ、当たり障りがない、優等生の作文のような回答に段々なって来ました。
こちらも納得がいきませんから、「貴方は何者なのですか?医者でも弁護士でも裁判官でもないのに、正しい回答が出来るのですか?」とまで質問してみました。すると、「本日の制限回数に到達しました」「プレミアムプランをご用意させていただきました。プレミアムプランへ加入すると、利用回数無制限でお使いいただけます!」との表示が出て来たのです。
なんじゃあ、こりゃあ~
大人げないですが、一番いい所で切れたので、こちらもキレました。
冷静になって、色々と探っていくと、「チャットGPT」にせよ、「AIチャットくん」にせよ、無料で使わせておいて、どうやら、秘密裡にデータを蓄積し、編集加工して、広告主などに有料で販売しているようなのです。まあ、当然ながら、それがビジネスモデルということになるのでしょう。IT企業は、儲けを追求する営利団体であり、ボランティアでも慈善運動でも何でもありませんからね。他人の脳を搾取しているようなものかもしれません。
ということで、「タダより高い物はない」いや、「タダより怖いものはない」という教訓になりますね。 それでも、あなたは、「覚醒剤やめますか?それともチャットGPTやめますか?」と詰問されたら、どうしますか?
ハムレットに言わせれば、「それが問題だ」。