相変わらず、理系の勉強をしています。「相対性理論」を読み終えたので、今読んでいるのは、Newton別冊「宇宙の終わり 誕生から終焉までのビッグストーリー」(ニュートンプレス)です。この本は購入するつもりはなかったのですが、書店でやたらと「宇宙の終わり」関係の本が平積みになっていて、「えっ?宇宙に終わりがあるの?? こりゃ、大変だあ。どれか1冊ぐらい買わないとまずいかな」と衝動買いしてしまいました。
そして、読み始めたら、これがめっちゃ面白い(まだ前半ですが)。「宇宙論」に関しては、これまで他に何冊か読んでいたので、基礎知識は習得済みです。ビッグクランチだのインフレーション(経済用語にあらず!)だのダークマターなぞと言われても、全然、怖くありません(笑)。
でも、これらの専門用語を知ったのも、つい最近のことです。私の子どもの頃も、学生時代も一切、習ったことはありません。「宇宙=138億年」は、今や常識になっておりますが、この説が定着したのは21世紀になってから、しかもつい最近です。それぐらい、日進月歩の勢いで、宇宙論は進んでいます。
この本では宇宙のはじまりと終わりのことが詳細されています。宇宙は「無」から始まったのか? それとも、もともと何かがあって始まったのか? 一方、宇宙の終わりとは、宇宙が崩壊、消滅して、また「無」になるのか? それとも、また新たに生まれ変わるのか?ー壮大な物語が展開されます。
1964年、宇宙のどの方向にアンテナを向けても、同じ強さの同じような謎の電波が観測されました。発見したのは天文学者のアーノ・ペンジアス(1933~)とロバート・ウィルソン(1936~)の両博士です。この謎の電波は「宇宙背景放射」と呼ばれるようになりました。昔のアナログ・テレビは、番組が終了すると、ザーと「砂嵐」のような画面が表示されましたが、この砂嵐の1%は、アンテナが受信した宇宙背景放射によるものだといいます。結構、我々は、宇宙背景放射と身近に接していたわけです。
この宇宙背景放射を精密に分析すると、宇宙の成り立ちと構成要素が分かるといいます。2009年に欧州宇宙機関が打ち上げた衛星「プランク」が観測した宇宙背景放射と外部データを組み合わせて分析して2018年に発表された「宇宙の組成」によると、既知の物質(原子など)はたったの5%で、正体不明の物質「ダークマター」が26%、正体不明のエネルギー「ダークエネルギー」が69%で構成されていることが分かったといいます。つまり、宇宙の95%は何で出来ているのかさっぱり分からないということになるのです。これでは、絶対的に、科学的に証明できる宇宙の始まりも終わりも断言することが出来ないはずです。
また、この分析の結果、宇宙の年齢は、137.87± 0.20億歳だということが分かりました。なあんだ。「宇宙=138億歳」というのが定説になったのは、2018年だったのですか。ついつい、最近ではありませんか!(それまでは、「宇宙=137億歳」説だったようです)
宇宙138億年の歴史は、地球46億年の歴史よりも、チンパンジーから分岐した猿人類700万年や現生人類ホモ・サピエンス30万年の歴史と比べるとあまりにも長く、壮大です。
私も「遅れて来た青年」ではありますが、今から勉強してもまだまだ十分間に合うと思いました。だって、まだ95%もの宇宙の成分が何なのか、実体が分かっていないのですから。