「量子論の世界」に挑戦しています

  現代の理論物理学は、「相対性理論」と「量子論」の二つの革新的理論に代表され、目下、この二つの理論を統合した「究極の理論」の構築の段階に入っていることは、この渓流斎ブログをお読み頂いている皆様は熟知されていると思います。

 このブログでは、これまで、超ひも理論に代表される究極の「万物の理論」「相対性理論」は取り上げさせて頂きましたが、「量子論」はまだでしたので、またまたNewton別冊「知識ゼロから理解できる 量子論の世界」(ニュートンプレス、2023年5月10日初版、1980円)を買って来ました。読み始めましたが、なかなか手強いです。もっと頭が柔らかい若い頃に勉強したかった、と声を大にして言いたいのですが、私が若い頃は、量子力学、もしくは量子論はほとんど習いませんでした。(本書によると、量子論の中に量子力学や量子化学などがあり、量子論の方が意味が広いといいます)。文系バリバリの私が、量子論といえば、辛うじて、ハイゼンベルクの「不確定性原理」という名称を聞いたことがあるぐらいで、恐らく、当時(1960~70年代)の文部省の学習指導要綱の文系必修科目に量子論はなく、大変失礼ながら、当時の理科の先生も量子論には精通していなかったと思います。

 今回取り上げた「量子論の世界」は「知識ゼロから理解できる」と銘打っておりますが、やはり、知識ゼロでは理解できないのではないかと思います。後で詳しく触れますが、理解しようと思っても、とても理解できない「現象」が出てきます。

 まず、量子とは何か?ーですが、それは、粒子と波の性質を併せ持ったミクロな物質のことで、物質をつくっている原子そのものや、その原子を形作っている電子、中性子、陽子が代表的なものです。光を粒子として見たときの光子やニュートリノやクォーク、ヒッグス粒子などの素粒子も量子に含まれます。そう言えば、量子とは何か、すら私は最近知りました。特に、ニュートリノやクォークといった素粒子についてはつい最近です。

 続いて、量子論とは何か?ーですが、それは「非常に小さなミクロな世界で、物質を構成する粒子や光などがどのように振舞うかを解き明かす理論」だといいます。扱うミクロの世界とは、原子や分子のサイズで10のマイナス10乗メートルです。つまり1000万分の1ミリ以下の世界だといいます。原子核ともなりますと、10のマイナス14乗メートル、つまり1000億分の1ミリとなりますから、あんぐりと口を開けたくなる世界です。

 私は素人ですから、電子顕微鏡でもあれば、量子を観察できると思っておりましたが、1000億分の1ミリの原子核を見ることが出来る顕微鏡なんてあるのかしら? 多分、見られないことでしょう。量子論自体も諸説あり、まだ実証実験で確認されていない理論もあるといいますから。

 量子論を理解するカギとなる重要項目が二つあるといいます。一つは「波と粒子の二面性」、もう一つは「状態の共存」です。一つ目の「波と粒子の二面性」とは、電子などのミクロな物質や光は、波のような性質と粒子のような性質の両方を持つということです。これは、相対性理論の時にも勉強しましたので、スッと頭に入りました。

 よく分からなかったのは二つ目の「状態の共存」です。先述しましたが、理解しようと思っても、とても理解できない「現象」です。この本の42ページにこんなことが書かれています。

 箱の中にボールを入れて、揺らして、真ん中に中敷きを挿入すると、ボールは右か左のどちらかにあるはずです。しかし、量子論によると、電子は左右両方に同時に存在することになります。「一つの物体は、同じ時刻に複数の場所に存在できない」ことは常識ですが、ミクロの世界ではそれは通用しません。一つの物体は、同じ時刻に複数の場所に存在するというのです。これは、電子が複数に増えるということではなく、箱のふたを開けて電子がどちらかにあるかを観測すると、右か左かのどちらかにあることが「確定」します。電子は「観測前」に右にいる状態と左にいる状態が「共存」していますが、観測して初めてどちらの状態が観測されるかが「確定」します。この時、どちらの状態が観測されるかを「確率的」に予測することは出来ますが、「確実」な予測はできません。この話は奇妙で納得がいかないでしょうが、それも仕方ありません。量子論では常識を捨て「物の存在」について根本から考え直す必要があるのです。

 箱の中で電子が観測後に左にあることが分かったとしても、もともと電子が左側にあったわけではなく、「左右両方に存在する状態」が観測によって、「左側に存在する状態」に変化したのです。つまり、観測すること自体が、電子の状態に影響を及ぼしてしまうのです。

 そう言われましてもねえ。。。

 とは言いながらも、私は何となく分かる気がします。常識では理解できない世界が量子論だという覚悟さえあれば、少しも怖くありません。

 量子論のお陰で、ビーム(CDやDVDなどの読み書き)が開発され、半導体(スマホやドローンなどにも応用)の性質が分かるようになったといいます。コンピュータ技術の発展も量子論抜きには語れないのです。

 勿論、私が最も関心がある宇宙論もそうです。人類としてこの世に生を受けたからには、量子論ぐらい知っていても悪くはないなあ、といった気分です。いや、今は安価で情報が手に入るので有難い世の中です。私も衰えた記憶力に負けないよう、量子論の勉強に励もうと思っておりまする。

プーチン=金正恩会談の内容は推測しやすい

 飛行機嫌いの北朝鮮・金正恩総書記が専用列車に乗ってロシアに入り、13日にも極東アムール州にあるボストーチヌイ宇宙基地でプーチン大統領と会談する可能性があるというニュースが流れました。

 一体何を話し合うんでしょうか?

 この記事は9月12日正午すぎの昼休みの時点で書いていますから、もしそれ以降にこの記事を読まれている方があるとしたら、既に会談の内容は明らかになっていることでしょう。とはいえ、この記事を書いている時点では何も分からないので推測して書いてみます。何故かと言いますと、大変推測しやすいからです(笑)。北朝鮮はいまだに古代奴隷独裁国家の域を出ていませんから、人民が餓死しようが、軍備増強だけに邁進しています。しかし、国際社会からの経済制裁で人民は疲弊していますから、ロシアからは食糧を含む経済援助と軍事衛星技術を求めることでしょう。その見返りに、金総書記は、ウクライナ戦争で消耗しているロシアのプーチン大統領に対して武器・弾薬を供与するといった約束を取り付けのではないでしょうか。古代奴隷制国家ですから、肉体労働者も格安の値段でロシアに派遣するのではないでしょうか。

 中らずと雖も遠からず、といったところでしょう。どうせ、記者会見も行われず、2人の会談内容は極秘扱いで公表されず、マスコミや識者らが推測するだけだと思われますが。

 それにしても、他人の迷惑を顧みず、ミサイルを花火のようにボンボン打ち上げて喜んでいる金総書記は常軌を逸していますが、ウクライナに侵攻し、国際刑事裁判所から戦犯容疑で指名手配されているプーチン大統領も同じです。そんな2人が直接会って話し合うなんて、まさにブラックジョークです。

 プーチン氏は先日、「西側諸国は『ナチズム賛美』を隠蔽するために、ユダヤ人であるゼレンスキー氏をウクライナ大統領に据えた」と発言したニュースが流れました。(9月5日、ロイター電)ただし、その根拠は示さなかったようですが、この人、正常な思考をしているのか心配になりました。

 ロイター通信が伝えたところによりますと、プーチン大統領はロシアのジャーナリスト、パーベル・ザルビン氏とのテレビ・インタビューで「西側諸国は現代ウクライナのトップにユダヤ人の出自を持つ人物を据えた。西側諸国はこうして、現代ウクライナ国家の根底にある反人間的な本質を隠ぺいしようとしているように見える」と発言したことになっています。

 この発言を聞く限り、プーチン氏は反ユダヤ主義者のように見えます。でも、そうなると、矛盾してしまいます。プーチン氏は自らの後継者としてドミートリ―・メドヴェージェフ氏を大統領や首相に据えたりしましたが、このメドヴェージェフ氏もユダヤ系だと言われているからです(ロシア問題専門家の中澤孝之氏)

 そもそも、ロシア革命を指導したレーニンもユダヤ系ロシア人と言われ、彼が信奉した共産主義を生んだカール・マルクスはユダヤ人です。

 もう一度、繰り返しになりますが、プーチン大統領が「西側諸国は『ナチズム賛美』を隠蔽するために、ユダヤ人であるゼレンスキー氏をウクライナ大統領に据えた」と発言したことは、やはりおかしい。

 パレスチナ人を殺害して領土拡大を狙うイスラエル人は好きになれませんが、私は反ユダヤ主義者ではありません。むしろ、人類は大いにユダヤ人の知性の恩恵を受けていると思っています。国際金融の拠点、ウォールス街もそうですし、ハリウッド映画もそうです。メンデルスゾーンやマーラーに陶酔し、ボブ・ディラン、サイモンとガーファンクル、ニール・ヤング、ビリー・ジョエル、バート・バカラックらの曲にも楽しんでいます。何と言っても、物理学の最大理論の一つ「相対性理論」を「発見」したアインシュタインはユダヤ人です。

 ユダヤ人が何故、これほどまで聡明なのか?ーそれについては、ユダヤ人は子どもの頃に、ユダヤ教の聖典「タルムード」(6部63編)を全て暗記させられるから、と聞いたことがありますが、それも一つの要因なのでしょう。子どもの時の暗記によって、脳細胞が肥大するのではないでしょうか。

 あれっ? プーチン=金正恩会談の話から、思わぬ方向に展開してしまいました(苦笑)。

宇宙が終わってもまた再生するのだろうか?

 ジェフリー・ロバーツ著、松島芳彦訳「スターリンの図書室」(白水社、2023年7月28日初版、4950円)が一部の識者の間で大変な話題になっているそうです。ちょっと高い本なので、小生は読んでおりませんが(苦笑)、書評を読むと驚くことばかりです。

 あの何千万人も粛清・殺戮した血も涙もない独裁者が「本の虫」と言われるほどかなりの読書家で、蔵書も2万五千冊以上あったというのです。別荘を図書室を備えた博物館にする予定が、「スターリン批判」で頓挫しましたが、蔵書には、トルストイ、ドストエフスキー、マルクス、レーニンは当然のことながら、政敵のトロツキーの本まであり、ヒトラーの「我が闘争」まで読んでいたといいます。特にマキャベリの「君主論」には相当な書き込みがあり、指針にしていた跡が伺えるそうです。

 こんな書評を読みながら、ウクライナに侵攻したプーチン大統領の蔵書を覗いてみたい誘惑に駆られました。国際社会にとっては迷惑な話なのですが、プーチンさんの並外れた自信とブレない恐ろしい正義感は、読書量に比例すると思われるからです。しかしながら、その全く正反対で、彼はほとんど本なんか読まず、勘で、しかも感情的に指図しているのかもしれませんが。

北八ヶ岳

 さて、Newton別冊「宇宙の終わり」(ニュートンプレス)を読了しました。途中で何度も、「独裁者だったら、この本を発禁書にするのではないか」と思いました。この本は、大衆がパニックを引き起こす危険書だと言えないことはないからです。この本では、我々の地球も銀河も宇宙も「永遠」ではなく、いつか(10の100乗年後に)消滅、崩壊し、終わりを迎える「宇宙の歴史」が淡々と語られているからです。人に死があるのと同じように、宇宙にも終わりがあるというのですから、生物は勿論のこと、ピラミッドも哲学も宗教も国家も何もかもが消滅します。この本を読んで、虚無的になるか、パニックを引き起こす人が出てもおかしくありません。

ーーなんて、ちょっと誇張して書いてしまいましたが、この本を読めば、最先端の科学が、宇宙の始まりと終わりを明らかにしてくれます。宇宙の終わりは、想像もつかないくらい先の話ですから、人はパニックにならず、他人事としてとらえることでしょうね。

 まだ学説の段階とはいえ、最新の宇宙論が展開されます。まず、宇宙の始まりについてー。宇宙は「無」から生じたというのが定説になりつつあるようです。物理学者が理論的に扱える大きさには限界があり、それは約10のマイナス33乗センチメートルです。物理学で扱う時間にも限界があり、それは、この10のマイナス33乗センチを、真空中で光が通過する時間で、10のマイナス43秒となります(光速約30万キロ)。この10のマイナス43秒間は、物理学者がどうしても乗り越えられない謎の部分で、「プランク時代」と呼ばれています。10のマイナス36秒後に、急激な膨張の「インフレーション」が始まり、10のマイナス27秒後には、物質をつくる素粒子が爆発的に生まれる「ビッグバン」が始まり、宇宙が誕生します。中略で、それから37万年後に原子が誕生し、「宇宙の晴れ上がり」状態となり、数億年後に最初の星が輝き始め、12億年後、現在のような銀河が生まれ、92億年後、太陽系が誕生します。そして、今、宇宙誕生から138億年の年月が経っています。

 これが「宇宙の始まり」です。文字で読むより、図解で見た方が分かりやすのですが、このブログでは出来ませんので、大まかなことを頭にインプットして頂くだけで結構です。さて、今度は「宇宙の終わり」です。

 20億年後、太陽は1.2倍の明るさとなり、地球は灼熱の大地になります。この本ではハッキリ書かれていませんが、この時点で、人類を含む生物は死滅することでしょう。でも、生物絶滅はもっともっと早い段階で訪れることでしょう。盛者必滅です。生物がいなくなった45億年後、地球のある天の川銀河とお隣のアンドロメダ銀河が大衝突を起こし、60億年後、太陽が膨張を開始し、水星と金星を飲み込むほど巨大化し、80億年後に太陽が地球を飲み込みます。

 話は飛んで、10兆年後に、長寿命の星が燃え尽き、宇宙は輝きを失い、10の20乗年後、銀河から天体が飛び去り、巨大なブラックホールだけが残り、10の34乗年後、陽子の崩壊でブラックホール以外の天体は消滅し、10の100乗年後、ブラックホールすら消滅します。東大大学院の横山順一教授によると、この時点で何の変化も起きず、時間がたっても何も変わらないことから、事実上、時間の終わりでもあるといいます。

 はい、これが宇宙の終焉です。宇宙の終わりは、ビッグクランチと呼ばれます。10の100乗年後ですから、あまり御心配しないように。なぜなら、宇宙の終わりとは「無」に帰するということです。その無からまた新たに宇宙が生まれるのではないかという説があるからです。無数の宇宙の存在を考える理論を「マルチバース宇宙論」と呼ばれています。何か、仏教の輪廻転生みたいだなあ。宇宙とは死んでも死なないゾンビみたいなものなのかなあ? 

 私が生きている間、宇宙の神秘がどれくらい明かされるのか?ー それが楽しみで私は今、生きているようなものです。宇宙論と比べれば、他の学問は皆、お子様ランチみたいなもんです。あ、こんなこと言ったら、怒られますね。渓流斎ブログも炎上しますね。

 宇宙の果てまで逃げろ~。

 

名倉有一氏の「恒石重嗣年譜」とモーツァルトの曲、何だっけ?

 在野の近現代史研究家で、NPO法人インテリジェンス研究所特別研究員の名倉有一氏から「恒石重嗣年譜」の資料が、メール添付で小生にも送られて来ました。579ページという膨大な資料で、おっ魂消ました。

 恒石重嗣(つねいし・しげつぐ、1909~96年)という人は、太平洋戦争中、陸軍参謀本部参謀(宣伝主任)兼報道部員として敵の戦意喪失を目的としてラジオの宣伝放送「ゼロ・アワー」「日の丸アワー」等を担当した元陸軍中佐です。謀略放送ということで、戦後、戦犯容疑でGHQに2年間で23回も出頭したといいます。東京ローズ裁判のからみや、捕虜を強制的に謀略放送に使った容疑だったようです。その後、出身地の高知市に戻り、不動産業などで生計を立てていたようです。陸士44期ということで、あの瀬島龍三と同期ですね。

 もし、御興味が御座いましたら、インテリジェンス研究所のホームページにも掲載されておりますので、そちらをご参照ください。

 恒石重嗣と同じ1909年生まれの文学者には大岡昇平、中島敦、花田清輝、長谷川四郎、太宰治、松本清張、まど・みちお、飯沢匡らがおり、多士済々です。

 さて、先日、CDプレーヤーを買い換えた話をこのブログに書きました。しばらく聴けなかったCDがやっと聴けるということで、喜び勇んでかけようとしましたが、曲名が分かりません。

 モーツァルトの曲です。「ジャガジャガジャガ ジャガジャガジャガジャ ジャッジャ チャラララッチャチャ」というメロディだけは鮮明に思い浮かぶのに、何の曲かさっぱり出てきません。でも、最初は高を括っておりました。ディヴェルティメントの何番かではないか、という薄っすらとした確信があったからでした。そこで、持っているCDの中の全てのディヴェルティメントを聴いてみました。が、どれも違う? ディヴェルティメント15番変ロ長調でもありませんでした。

 おっかしいなあ?それなら「管楽器のための協奏曲」かな?ということで、フルート協奏曲やホルン協奏曲やオーボエ協奏曲など手当たり次第に聴いてみましたが、どれも違います。モーツァルトはわずか35年の生涯でしたが、作品は厖大です。K626と言われていますが、ジャンルも交響曲、室内楽から宗教曲、オペラまで作曲しています。まさに大天才です。

 そっかあ、もしかして、私の頭の中でグルグルと回っている「ジャガジャガジャガ ジャガジャガジャガジャ ジャッジャ チャラララッチャチャ」という旋律は交響曲39番だったかなあ?ということで聴いてみましたが、これも違いました。ああ、もう分からん、ということで奥歯に物が挟まった感覚でしたが、この日は諦めました。

 それが、一日経った本日、「もしかして、ヴァイオリン協奏曲かもしれない」と急に思い当たり、これまた持っているCDを手当たり次第に聴いてみましたら、やっと見つかりました。「ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調」の第1楽章アレグロでした。

 私が文字で示した「ジャガジャガジャガ ジャガジャガジャガジャ ジャッジャ チャラララッチャチャ」というメロディが出てきますよ(笑)。

 この曲を聴くと凄く元気が出ます。

【追記】2023年9月10日(日)

 渓流斎ブログの愛読者であるYさんから連絡があり、思い出せない曲があったら、グーグルの「鼻歌検索」があるので、試してみては如何ですか?と教えてもらいました。早速、チャレンジしてみましたが、あまりにも鼻歌が下手くそで音痴なのか、うまく行きませんでした。

 でも、iPhoneを使って、CDで曲をかけながら「この曲何?」と聞いたところ、曲名だけでなく、交響楽団名からヴァイオリン奏者まで提示し、そのCDが買えるサイトまで辿り着けるようになっていたのです。これには吃驚。

CDプレーヤー、また買いました

 昨日は、個人的にあまりにも色んなことがあり過ぎて、ブログの更新も出来ませんでした。またまた、個人的なことを書きますので、ご興味のない方は、この先は、無理してお読みにならなくて結構です(苦笑)。

 まず、昨日は木曜日でしたが、家族の御見舞い面会の予約が取れましたので、会社を休みました。そしたら、一緒に面会に行く予定だった親族がコロナの陽性になってしまったということで、ドタキャンです。結局、一人で行くことになりました。

 面会は午後3時でしたので、午前中空いていました。どうしようか、と思っていたところ、結局、近く、とは言っても、自転車で15分掛かるアウトレットまで、CDプレーヤーを買いに行くことにしました。

 とうとうCDプレーヤーまで壊れてしまったのです。この機器はMDプレーヤーも付いていて、もうMDプレーヤーは生産中止されて市場には出回っていないので、苦労してネットで探して前に使っていたものと同じ機種を中古で購入したものでした。2021年4月のことです。2万5980円もしました。それが、わずか8カ月後の同年12月にMDが使えなくなりました。そのまま我慢して使っていましたが、今度は、CDプレーヤーが使い物にならなくなりました。4~5日前のことですから、2023年9月のことです。修理に出してもいいのですが、中古品で保証書もないし、結局、修理代がまた高くつくことでしょう。中古とはいえ、購入してわずか2年5カ月しか持たなかったことになります。(ちなみに前のMD付CDプレーヤーは12年ぐらい持ちました)

 今回の機種は、ソニー製で結構売れている機種のようでした。残念ながらMDプレーヤーは付いていませんが、USBかSDカードでCDとラジオを録音できるようです。何と言っても、値段が2万2240円だったのです。中古のCD/MDプレーヤーより安いじゃありませんか。しかも滅法、軽いし、小型化され、音質は以前の機種より上回っておりました。

 何で急に、思い立ってCDプレーヤーを買うことにしたのかと言いますと、ローリング・ストーンズが18年ぶりにニューアルバム「ハックニー・ダイアモンズ」を10月にリリースするという記事を読んだからでした。私は旧い世代ですから、ストリーミングとかネット配信より、やはりCDでライナーノーツを読みながら聴く派です。プレーヤーが壊れていては、聴けませんからね。ストーンズのCDは、もう18年も前になる2005年の「ア・ビガー・バン」を含め、1963年のデビュー以来のアルバム殆ど全部私は持ってます。それに、アウトレットのポイントが2860円も溜まっていたので、期限切れになる前に使おうと思ったのでした。

 今回、ちょっと懲りたので、1112円をポイントで支払って、CDプレーヤーの修理保証期間を1年間から5年間に延長しました。

レモンタルト1200円

 午後3時の家族のお見舞い面会の後、自宅近くにかき氷専門店があるというので初めて行ってみました。週末はかなり人が並んで入れないという人気店ですが、さすがに平日の夕方は空いていました。人気一番の「レモンタルト」を注文しましたが、量の多さには圧倒されました。氷がまろやかで、ふわふわ、今まで食べて来た歯にジャリジャリと絡むかき氷は、何だったのか? と思わされるほどでした。でも、個人的には量が多過ぎで、夜はちょっと苦しみました(笑)。

北八ヶ岳

 最初に、個人的に昨日は色んなことがあり過ぎた、と書きましたが、それはメールが殺到していたということでした。まずは、本日金曜日、何年かぶりに飲み会を銀座の「ライオン」で計画していたのですが、台風13号が関東地方にも上陸するということで、「帰りの電車が止まったら困るんじゃないか」という反対意見で、結局延期になりました。そんなメールのやり取りが何通も続きました。

 そんなんで気を取られていて、しかも、会社を休んでいたので、会社の共通メールをチェックしていなかったら、夕方になってとんでもないメールが殺到しておりました。一つは、パソコンのプリンタを変更することになったので、明日10時にパソコンの設定も変更します、といった連絡でしたが、もう一つは、会社の同僚が、もういい年なのに、地方支局に転勤するという不可解な人事でした。そして、もう一通は、違う同僚が来月にも長期治療入院するという話でした。

 「衆人監視」のブログなので、詳細は書けませんが、「えっ?どゆこと?」という話ばかりで、頭が混乱してしまいました。

 以上、昨日、ブログを更新できなかった言い訳でした(笑)。

渓流斎流 スクワットの薦め

  • Total Page View: 901958
  • Today’s Page View: 7267
  • Total Access Person: 595601
  • Today’s Access Person: 167
  • Count Start from: 2017年9月15日

 何じゃあ、こりゃあー!

 本日9月6日(水)午前9時の時点での渓流斎ブログのアクセス数を見たら、ビックリ仰天です。

 この《渓流斎日乗》ブログは、2005年から開始しましたが、今は亡きIT技術者・松長哲聖氏の尽力で新しく2017年9月15日から再スタートしました。その6年目で合計90万ページビューを突破したのです。おめでとうございます!パチパチパチ。それはそれで素晴らしいです。今度、100万ページビューを突破しましたら、お祝いでもしましょう(笑)。

 でも、一番解せないのは、本日のページビュー(Today’s Page View)です。7267アクセスもあるのです。普段なら、1日500アクセス程度ですから、いつもの10倍以上です。何かあったんでしょうか?? は、はあーん、誰がいたずらでもしているのかな? 

 だって、Today’s Access Personが167しかいないからです。誰かお一人が、操作してアクセスしているのかしら? いずれにせよ、IT技術に疎い小生としては、(嬉しいことは嬉しいのですが)、不気味です。

浮間舟渡

 私はページビューを上げたいがために、ブログを書き続けているわけではないので、本日も個人的なことを書きます(笑)。

 昨日は、朝方から元気がなく、喉の奥にほんの少し違和感があり、「やばい!風邪ひきそう。もしかしてコロナ?」と戦々恐々でしたので、夜は8時半に就寝しました。翌朝は6時半に起きたので、睡眠時間10時間です。私は、アインシュタインと同じようにロングスリーパーなのです(笑)。お蔭様で大分、体調も戻りました。熱もありません。

 でも、丸々10時間、熟睡出来たわけではなく、途中で3回もトイレで目が覚めました。ベッドではなく、お布団で寝ているので、年を取ると、起き上がるのがつらい!よっこらしょ、ではなく、ヨッ、コォラ、ショ~~~なのです。何でこんなに力が出なくなってしまったのか?普段の通勤の際も、鞄が重くて(重い書籍が入ってますからねえ)、手に持つのがつらくて、直ぐ背中に背負ってしまいます。

 スロートレーニングの権威と称される東大の石井直方名誉教授によると、筋肉は30歳を過ぎると減り始め、下肢、体幹の筋肉は80歳までの50年間で約半分にまで減るといいます。半減ですよ!道理で、布団から起き上がるのがつらくなるはずです。

 筋力が低下するとサルコペニア、さらに進行するとフレイルと呼ばれる虚弱状態になるといいます。おっとろしいですねえ。でも、そんなこと言われても、年を取れば誰でもそうなりますよ。私もはっきり言って、既に、そのサルコペニアとやらになってることでしょう。

浮間舟渡

 しかし、落ち込んでいてばかりはいられません。石井名誉教授が提唱しているスロートレーニングでは、スクワットを推奨しています。本も出ていますし、ネットで検索すればやり方も出てきます。

 そうか、スクワットか! 

 スクワットがあるではないか!

 別に自己流でも構わないのではないでしょうか。とにかく、座ってばかりいないで、毎日スクワットを続ければ、少しは筋力がついて体調も戻るはずです。

 まあ、いずれにせよ、このブログを御愛読して頂いている皆様には、少しでもお役に立てれば恐悦至極に存じまする。

《渓流斎日乗》は無料です=有料にはしません

 9月5日付の朝日新聞朝刊で、X(旧ツイッター)のフォロワーが60万人を突破し、投稿サイトでは有料会員2万人を誇り、日経の敏腕記者から華麗なるフリージャーナリストに転身された人(43歳)の話が載っておりました。有料サイトは月額500円と言いますから、単純計算しても月1000万円の収入です。このほか、掲示板やオフ会などに参加できるコア会員3000人は、月額980円らしいので、年収1億数千万円ですか。。。???

 いやはや、下衆の勘繰りをしてしまいました。大変失礼致しました。

 私のブログは無料で、広告費から収入を得ておりますが、年間でも、差し引き2万円程度ですよ(笑)。多額の時間とお金を費やして(主に書籍代)、散々苦労して書いてこの程度です。本当に、本当に、本当に笑ってしまいます。

 でも、ブログを有料会員制にするつもりはありません。理由は決まってます。有料会員になってくださるのは、思い当たるところでも、2人か3人しかいないからです(笑)。こりゃ、無理です。

東銀座「トレオン16区」海老と小柱のトマトクリームソースの前菜

 また、下衆の勘繰りに戻って、思考回路を巡らしてみるとー。

 所詮、世の中、女(男)と金

 なんですよ。有料会員になる皆様は、女(男)と金の情報が欲しいのでしょう。マッチングアプリだとか経済情報だとか投資だとか、綺麗な言葉で洗浄されてはいますが、人間がナケナシのお金を出してでも欲しい情報というものは、所詮、博打も含む儲け話かエロ情報なのです。そうでなければ、蜜の味と言われる「他人の不幸」情報です。人間は皆、楽をして優雅な生活を送り、「嗚呼、自分はまだマシな方なんだ」と安心したいのです。

 (最初に書いた日経からフリージャーナリストに転身した人の有料「経済情報」は見たことはありませんので、小生の持論は彼に当てはまらないかもしれないことは、念を押しておきます。)

 翻って、小生のブログ《渓流斎日乗》は、残念ながら、毒にも薬にもならない、と言いますか、儲け話やリビドーには全く欠けています。そんなサイトが有料として成り立つわけがないのです!

 だから、好き勝手に個人的なことでも書けるのです(笑)。

東銀座「トレオン16区」海老と小柱のトマトクリームソース1300円 初めて入店しましたが、意外にも結構美味かった

 早速、個人的な話ですが、新型コロナに関して、5類に移行してから、妙に私の周囲で感染者が増えているのです。だから、外や電車やバスの中でマスクをしていない人を見るとゾッとしてしまいます。そもそも、私は統計やおカミの言うことは信じていませんからね(苦笑)。実体験は信じます。

 私の場合、会社の同じ部署の人で2人も感染者になりましたから、昨年の5類に移行する前だったら、堂々の「濃厚接触者」になるはずです。だからこそ、暑苦しくても、我慢してマスクをしているのです。その半面、マスクをしない人が私の身近に目に付いたりすると、「俺は実は、濃厚接触者なんだぜい」と告白したくなります。見知らぬ他人なので、実際にそんな子どもじみたことしませんけど(苦笑)。

 以上、好き勝手に書いておりますので、有料サイトにしようなどとは、滅相も御座いません。

 ただ、お読みになった皆さんが、知らない情報を得て、少し得した気分になったり、「渓流斎よりマシな人生送っているな」と思って頂いたり、その逆で、「この本、面白そうなので、読んでみようかしら」と思ってくださったり、「また、今日も、一生懸命に生きて頑張ろう」と少しでも思ってくださったりすれば、主宰者としてはこの上もない喜びで御座います。

【追記】

 何で、「所詮、世の中、色と金」なんぞと汚い言葉を使うのかと言いますと、迷惑メールがそうだからです。大抵の私のところに来るスパム(迷惑)メールは、「高額金が当選しました」とか「私はアフリカ・ガボンの銀行役員です。貴方様だけにお教えする投資話があります」とか、見知らぬおネエちゃんからの「お誘い」だったりするからです。

 皆さんも同じようなものじゃありませんか? 隠しても駄目ですよ。

宇宙の始まりと終わりの諸説が分かります=Newton別冊「宇宙の終わり 誕生から終焉までのビッグストーリー」

 相変わらず、理系の勉強をしています。「相対性理論」を読み終えたので、今読んでいるのは、Newton別冊「宇宙の終わり 誕生から終焉までのビッグストーリー」(ニュートンプレス)です。この本は購入するつもりはなかったのですが、書店でやたらと「宇宙の終わり」関係の本が平積みになっていて、「えっ?宇宙に終わりがあるの?? こりゃ、大変だあ。どれか1冊ぐらい買わないとまずいかな」と衝動買いしてしまいました。

 そして、読み始めたら、これがめっちゃ面白い(まだ前半ですが)。「宇宙論」に関しては、これまで他に何冊か読んでいたので、基礎知識は習得済みです。ビッグクランチだのインフレーション(経済用語にあらず!)だのダークマターなぞと言われても、全然、怖くありません(笑)。

 でも、これらの専門用語を知ったのも、つい最近のことです。私の子どもの頃も、学生時代も一切、習ったことはありません。「宇宙=138億年」は、今や常識になっておりますが、この説が定着したのは21世紀になってから、しかもつい最近です。それぐらい、日進月歩の勢いで、宇宙論は進んでいます。

この本では宇宙のはじまりと終わりのことが詳細されています。宇宙は「無」から始まったのか? それとも、もともと何かがあって始まったのか? 一方、宇宙の終わりとは、宇宙が崩壊、消滅して、また「無」になるのか? それとも、また新たに生まれ変わるのか?ー壮大な物語が展開されます。

浮間舟渡

 1964年、宇宙のどの方向にアンテナを向けても、同じ強さの同じような謎の電波が観測されました。発見したのは天文学者のアーノ・ペンジアス(1933~)とロバート・ウィルソン(1936~)の両博士です。この謎の電波は「宇宙背景放射」と呼ばれるようになりました。昔のアナログ・テレビは、番組が終了すると、ザーと「砂嵐」のような画面が表示されましたが、この砂嵐の1%は、アンテナが受信した宇宙背景放射によるものだといいます。結構、我々は、宇宙背景放射と身近に接していたわけです。

 この宇宙背景放射を精密に分析すると、宇宙の成り立ちと構成要素が分かるといいます。2009年に欧州宇宙機関が打ち上げた衛星「プランク」が観測した宇宙背景放射と外部データを組み合わせて分析して2018年に発表された「宇宙の組成」によると、既知の物質(原子など)はたったの5%で、正体不明の物質「ダークマター」が26%、正体不明のエネルギー「ダークエネルギー」が69%で構成されていることが分かったといいます。つまり、宇宙の95%は何で出来ているのかさっぱり分からないということになるのです。これでは、絶対的に、科学的に証明できる宇宙の始まりも終わりも断言することが出来ないはずです。

 また、この分析の結果、宇宙の年齢は、137.87± 0.20億歳だということが分かりました。なあんだ。「宇宙=138億歳」というのが定説になったのは、2018年だったのですか。ついつい、最近ではありませんか!(それまでは、「宇宙=137億歳」説だったようです)

 宇宙138億年の歴史は、地球46億年の歴史よりも、チンパンジーから分岐した猿人類700万年や現生人類ホモ・サピエンス30万年の歴史と比べるとあまりにも長く、壮大です。

 私も「遅れて来た青年」ではありますが、今から勉強してもまだまだ十分間に合うと思いました。だって、まだ95%もの宇宙の成分が何なのか、実体が分かっていないのですから。

重力とは空間の曲がりが引き起こす現象=Newton別冊「相対性理論」

 ほぼ毎日のようにブログを書き続けているのですが、それほど反応はありませんし、一体、どんな方がお読みになっているのか想像すらできません。まるで「暖簾に腕押し」です。でも、FacebookなどのSNSに投稿すると、信じられないくらいの速さと量とコメントで反応がありました。

 私自身、Facebookはやめたはずでした。しかし、9月1日に書いた「100年前の関東大震災直後に起きた不都合な真実」は、地味な記事とはいえ、我ながら重要だと思ったので、なるべく多くの人に読んで頂きたいという願いで投稿してしまいました。ただ、何となく、多くの意思のある方がお読みになって頂いていることを確認できましたので、Facebookへの投稿は、これで味を占めることなく(笑)、また、控えることに致します。出来ましたら、直接ブログにアクセスして頂きますれば、主宰者として恐悦至極に存じまする。

 さて、残りの人生、「理系人間」に転向したことを以前、このブログに書きました。私はゴリゴリの文系人間で、正確には、理系人間にはなれませんので、今後はなるべく、理科系の学問も勉強して、理数系の思考に頭を切り替えることを目指すということです。

 ということで、Newton別冊「相対性理論」(ニュートンプレス)を読了しました。実に、面白かった、と言わせてください。「お前に相対性理論が分かるのか?」という声が聞こえそうですが、「はい。ある程度分かりました。人間として生まれて、この理論に触れることが出来て最高の幸せです」と答えておきます。

 正直、私がこの本によって相対性理論が「理解」できたのは、本来ならあるべき複雑な数理式が極力、最低限しか採用されていなかったからではないか、と後から思いました。つまり、ゴリゴリの文系人間でも分かるように易しく書かれていると言っても良いでしょう。

浮間舟渡

 前回、この本を取り上げた時、時間が伸びちぢみする話(例えば、東京スカイツリーの地上階と高さ450メートルの展望階では、時間の進み方が約5京分の1ほど違う)などを書きましたが、この本の後半では、空間が歪んだり、曲がったりすることが主に紹介されていました。こんな感じですー。

 ・質量が空間を曲げ、空間の曲がりが重力を引き起こす。つまり、重力とは空間の曲がりが引き起こす現象なのだ。(70ページ)

 ・「質量」とは、物体の「動かしにくさ」を表す量です。一方の「重さ」とは物体に掛かる「重力の大きさ」を表す量です。(104ページ)

 ・天体が時空をゆがめ、物質をとらえ、光を曲げるブラックホールは、1916年の一般相対性理論で証明されていたが、実際に、ブラックホールの画像をとらえたのは、その100年後の2019年4月だった。(楕円銀河「M87」の中心に存在する超巨大ブラックホール)

 ・アインシュタインは一般相対性理論を構築後、電磁気力と重力を統一する「統一場理論」を目指したが、未完に終わった。現在でもまた完成されておらず、世界中の理論物理学者が、量子論と一般相対性理論の融合という夢の実現に邁進している。(目下、最有力な理論として、素粒子を「点」ではなく、「ひも(弦)」だという「超ひも理論」が期待されている)

 ・一般相対性理論は、重力を受けた物体は、最も歳を取る道筋を通ると主張する。それが放物線だ。

 ・ゼロ以上光速(秒速30万キロ)未満の速度でしか進めない粒子を「タージオン」(地球や銀河なども)、常に光速でしか進めない粒子を「ルクシオン」、常に光速より速く進む粒子を「タキオン」と呼ぶが、もし、超光速タキオンを使って通信を行うことが出来れば、理論的には、過去への通信が可能になる。

 ・光速の60%という猛スピードで進むことが出来る宇宙船が開発され、地球を旅立つとして、地球で10年経ったのに、宇宙船内では8年しか経っていないという理論が成り立つ。

・・・まあ、こんな感じの理論を私はこの本で学びました。

 嫌な人間関係や、思い通りにならない人生にウジウジしているより、「理系の学問は何と潔いものなのか!」と悟る方が健康的(メンタルヘルス)に良いかもしれませんぜよ。

🎬「福田村事件」は★★★★★

 昨日書いた渓流斎ブログ「100年前の関東大震災直後に起きた不都合な真実」の最後の方で、映画「福田村事件」(森達也監督)のことを書いたので、本日早速、観に行って参りました。言い出しっぺが、観なければ話になりませんからね。この映画は色んなことが複雑に絡んでいて、後からボディーブローのように効いてくる作品でした。今年一番の名作と言っておきます。

 その前に、実は、当初は、観るつもりはなかったのです。生意気ですが、最優先事項ではなかったのでした。特に、今年はつまらないハリウッド映画に遭遇して、劇場に足を運ぶのが億劫になっておりました。それが昨日、たまたまブログを書いた後、友人のY君からメールが来て、「僕は明日『福田村事件』を観に行くつもり」とあったのです。私もブログで朝鮮人虐殺事件のことを書いたばかりだったので、「これも何かの啓示かな」と思ったのでした。

 そして、何よりも、昨日書いたことは、小池都知事を始め、国粋主義者の皆さんの逆鱗に触れる話かもしれませんが、大手マスコミである読売、産経、日経が、大震災後の不穏な空気の中で、朝鮮人虐殺がまるでなかったかのように「報道しなかった事実」には愕然としてしまいました。そこで、この事実を多くの人に読んでもらいたいと思い、やめていたFacebookに昨日の記事だけを何年かぶりに投稿したのでした。そしたら、即、反応がありまして、色んな副産物を得ることが出来ました。それは後で書きます。

映画がはねて、今話題沸騰の池袋「フォー・ティエン」へ。店前は長い行列で22分待ちました。

 映画は、関東大震災が起きて5日後の1923年9月6日、千葉県東葛飾郡福田村(現野田市)で実際に起きた自警団による、朝鮮人だと誤認した日本人虐殺事件を題材にしています。殺害されたのは、讃岐(香川県)から来た薬売りの行商団15人のうち、幼児や妊婦を含む9人です。行商団の人たちは、被差別部落出身で、二重に差別されているような感じでした。この史実は、100年近くも闇に葬られていましたが、1979年から遺族らによる現地調査が始まり、1980年代から徐々に新聞等で報道されるようになったといいます。

 それでも、多くの人には知られず、そういう私もこの映画を観るまで、この事件について全く知りませんでした。

池袋「フォー・ティエン」牛肉のフォー950円 非常に期待していたのですが、小生の馴染みの銀座のフォーの方が美味しいかな?

 先述した「副産物」というのは、Facebookで投稿したところ、色々な方からコメントまで頂いたことでした。その中で、読売新聞出身のSさん(著名な方なので敢えて名前は秘します)から驚きべき内容のコメントを頂いたのです。以下、御本人に事前承諾の上、掲載しますとー。

 映画は、封印されてきた事実をベースにしています。福田村は今の千葉県野田市で、私が住んでいる柏市を含めた東葛地域に当たります。映画が依拠した「福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇」の著書である辻野弥生さん(82)は、私も参加している「東葛出版懇話会」の仲間です。懇話会は6月、森達也監督を定例会の講師に招き、映画『福田村事件』の話をしてもらいました。もちろん辻野さんもスピーチしました。

 福田村事件の加害者として検挙されたのは、福田村の自警団員4人と、隣村の田中村の自警団員4人で、その後、恩赦で全員釈放されたといいます。この田中村は現在の柏市ですから、同市にお住まいになっているSさんとは大いに関りがあったわけです。

 Sさんは、読売新聞文化部の放送担当記者出身で、現在放送評論家です。昨日のブログで私が読売新聞の悪口めいたことを書いたので、低姿勢でお詫びしたところー。

 「悪口」ではなく、事実を指摘されたわけですよね。 Y紙についていえば、きのうの夕刊の映画評欄で女性記者が絶賛していました。新聞記者時代も今もそうですが、私は「文化(部)は政治(部)の風下に立たない」と自分に言い聞かせています。

 との返事を頂きました。同じ読売社内でも、違う考え方をする「抵抗勢力」がいらっしゃるということで安心しました。

 あれっ? 映画の話でしたよね? まあ、とにかく御覧になってください。ドキュメンタリー作家の森達也がメガホンを採りましたが、フィクションも取り入れてます。荒井晴彦、佐伯俊道、井上淳一の3人ものベテラン脚本家が恐らく侃侃諤諤と協議して練り上げた台詞と、正確な衣装考証で色鮮やかな大正時代のファッションまで蘇らせ、100年前にタイムスリップしたようです。

 主演は井浦新、田中麗奈、永山瑛太の3人ですが、過去のスキャンダルで謹慎処分が続いていたピエール瀧や東出昌大、昨年、参院選に当選しながら病気で辞職した水道橋博士も出演していて、いい味を出しておりました。特に、ピエール瀧は、地元紙「千葉日日」の編集部長の役で、若い女性記者(木竜麻生)が真実を書くことを主張しても、「不逞鮮人の仕業だと書き直せ」などと当局の意向に沿った発言しかしないので、まさに「はまり役」でした(苦笑)。

 そう、当時は、ネットどころか、テレビもラジオもなく、メディアと言えば新聞だけ。その報道が大衆に与えた影響はかなり大きかったはずです。その新聞が、内務省の発表通り「朝鮮人が暴動を起こそうとしているので、自警団をつくって守るように」との通達をそのまま掲載すれば、民衆はその通り、実行するはずです。加害者も、むしろ正義感に駆られて自分たちの村を守るべきだと立ち上がったのかもしれません。

 これらは100年前の大昔に起きたことなので、現代に起きるわけがない、と考えるのは間違いです。今は、むしろ、SNSなどでフェイクニュースや偽情報が横行しています。

 私も映画の帰り、某駅前で、某政党の政治家が、外国人排斥のアジ演説をしているのに遭遇しました。不安と恐怖に駆られると何をしでかすか分からない群集心理に洗脳される日本人のエートス(心因性)は、100年前とちっとも変っていないのです。

【追記】

 差別用語は当時のまま表記しました。