まだ続く「デスパレートな妻たち」のこと

公開日時: 2008年5月7日 @ 19:30

「デスパレートな妻たち」は、女性の視点で描かれています。我々、男性から見ると、ドキッとしたり、「なるほど」と感心したりします。

この番組を見ていると、急に、北海道の佐橋さんのことを思い出してしまいました。もう、全く音信不通になってしまい、今、どうしているのか、さっぱり分かりませんが、彼女の言っていたことが、寸鉄釘を刺すが如く、今でも「警句」として、私の頭の片隅に残っています。

佐橋さんは、市井の「軍事問題研究家」で、もう著者もタイトルも忘れてしまいましたが、古本屋で、「こんな本を見つけました」と言って、見せてくれた本がありました。その本は、世界史に残る、例えば、アレキサンダー大王とペルシャ軍とのイッソスの戦いとか、ローマ軍とカルタゴ軍との戦いとか、ナポレオン戦争などにおける戦陣や戦略が詳述された本でした。非常に頭の回転が速い人で、教養の幅が広く、私が何を言っても、「それはこういうことでしょう?」と即座に答える一家言の持ち主でした。怒られるかもしれませんが、男勝りの人でした。

彼女はこんなことを言ってました…

●実は、女は男より強いから、小さい頃から「女の子らしくしないさい」って、牙をむきださないように育てられているんですよ。

ふーん、そういうことだったんですか。納得。

●女には二つのタイプがあります。一つは、子供を産んで、社会的役割を果たしたら、さっさと旦那に見切りをつけて、子供だけにかかりっきりになるタイプ。もう一つは、それでも、旦那にかかわる人。でも、後者に限って、他の男性にも優しい浮気性のタイプなんですよ。

ふーん、なるほどねえ…。

●女の人は、その場で癒やされない限り、いつまでもその恨みを覚えています。「大変だったねえ」とか「僕が悪かったよ」と、一言でもあれば、救われるのです。

そうですか…。

●男の人って、誰でもいいから、褒められたいんでしょう?だから、水商売の女の人がいるバーに行ったりするんでしょ?

言葉がありません…。

こういった感じです。

今こうして振り返ってみると、人と人との出会いは「一期一会」です。これまで、一体、何人の人と出会って、別れたのか、数えていませんが、私の場合、普通の人とは違って、恐らく何万人という桁外れの数になるかもしれません。

佐橋さんとは、もう二度と会うことはないでしょう。半永久的とかいうのは、ないんだなあ、と思いました。なぜ、彼女のことを思い出したかと言えば、当時、一人も知っている人も友人もいなく、縁も所縁もない所に放り出されて、不慣れな仕事をしなればならなかった孤独の魂を癒やしてくれたからです。

●今、あなたは大変な環境におかれているのかもしれませんが、人生は、結局、プラスマイナスゼロなんですよ。

どんなに辛くて悲しいことがあっても、一日のうちに数時間でも、一年のうち、数ヶ月でも楽しいことがあるはずなのです。

人生は、たとえどんな職業に就こうが、どんな立場にいようが、どんな逆境にいようが、結局、プラスマイナスゼロなんですよ。

「デスパレートな妻たち」2

公開日時: 2008年5月6日 @ 10:54

昨日の「デスパレートの妻たち」には反応(コメント)があったので、意外でした。やはり、コアなファンの方がいらっしゃるんですね。

ですから、あまり悪口を書くと怒られてしまうでしょうけど、やはり、作り物のドラマだなあ、と思ってしまいました。いただけないのは、殺人事件です。話を面白くするために、そういうシーンが必要なんでしょうけど、好みじゃないですね。普段のニュースでたくさんです。ティーンエイジャーが麻薬を吸ったり、育児ノイローゼ気味の主婦が薬物中毒になるあたりは、リアリティがありましたが…。

でも、文句を言いながらも、見続けてしまうでしょうね。早速、昨日書いたawesome もあるシーンで出てきました。やはり、「恐ろしい」という意味では使われず、awesome news 素晴らしいニュースという意味で使われていました。

まだまだ、正直、字幕を見ないとスムーズに聞き取れず、たとえ聞き取れたとしても、意味が分からず苦戦しています。例えば、ground を動詞形に使うとどういう意味か分かりますか?

「外出禁止にする」という意味なのです。難しいcurfew なら知っているのに、簡単な単語のground を知らないなんて、恥ずかしい限りです。

恥ずかしいといえば、shame よりも  humiliating の方が多く使われていました。

それにしても、今のDVDはすごいですね。簡単に字幕が出てくるんですから。今の学生さんは恵まれていますね。ただし、昔の人より果たして賢くなったんでしょうかね?

米ドラマ「デスパレートな妻たち」

 八芳圓

公開日時: 2008年5月5日 @ 10:00

ちょっと、はまってしまいました。エミー賞も受賞したとかいう米国テレビドラマ「デスパレートな妻たち」http://www3.nhk.or.jp/kaigai/dh/about/index.htmlです。

よくご存知の方にとっては「何を今さら」と思われるかもしれませんが、その、何を今さら、です。

4月にお会いした通訳仲間の人が「DVDで見れば英語の勉強になります。これは、はまりますよ」と言われていたので、いつか見たいと思っていたのです。

レンタルDVDで見つけ、借りてみました。

いやあ、すっかりはまってしまいましたね。レンタル屋さんでは全11巻のシリーズが第3シリーズまでありましたが、結構借りられていました。第一弾は2004年に放送されたらしく、米国内で大反響で、大統領のスピーチでも引用されたとか。

目下、第1シリーズの第4巻まで一気に見てしまいました。最近、全くテレビドラマは見ていなかったので、新鮮な驚きがありました。

いわゆる中産階級より上の階級が住む、まあ高級住宅街が舞台です。いずれの家族にも何か問題や悩みを抱え、ある主婦が自殺するところから物語は始まります。夫婦の問題あり、子供の問題あり、嫁姑の争いあり、不倫や浮気もあり、殺人事件やミステリーもあり、「一体次に何が起きるのだろうか」とハラハラとした気持ちで見せられるので、やめられなくなってしまうのです。主役のスーザンを演じるテリー・ハッチャーがとても魅力的です。視点が女性なので、結構、女性も男性に対して積極的なんだなあ、とおかしくなります。

台詞もうまくできています。最後まで見ないと、わけが分からないので、このままでは、全部見てしまいそうです。1巻借りるのに300円ですから、全3シリーズ33巻見るとなると、9900円かあ、ああ…。

デスパレート desperate は、「絶望的な」という意味ですが、「必死の」「~したくてたまらない」という正反対な意味もあります。恐らく、ドラマではこの両方の意味をかけているのでしょう。ですから、ドラマのタイトルを「絶望的な妻たち」と訳してしまっては、やはり不正解なのでしょうね。何しろ自分が抱えている困難や問題からはいあがろうと必死になっている主婦たちが主人公なのですから。

このように、英語は、一つの表現で全く正反対な意味を持ってしまうから厄介です。

例えば、 as luck would have it というと、「運良く」という意味ですが、その反対に「運悪く」という意味もあるのです。どちらの意味で使っているのか、その場にならなきゃ分からないでしょう。

confidence は、「信頼」ですが、confidence man は、何と「詐欺師」です。

sophisticated を「洗練された」「高級な」といういい意味しか知らないと困ります。「世間ずれした」「すれっからしの」という意味で使われることもあるからです。

ditraction は普通「気晴らし」と使われますが、 「注意力散漫」と非難される意味でも使われます。

驚いたことに outrageous (無礼な、極悪な)や awesome (怖ろしい)は、悪い意味で使われるとばかり思っていたのですが、最近ではそれぞれ「素敵な」、「いい奴」で、正反対のいい意味で使われることが多いらしいですね。これらは、現地に行くか、日々新聞雑誌でチャックするしかないでしょう。

デスパレートから、話はちょっと脱線しました。

熟年離婚

ドラマ「熟年離婚」が今ブームだそうです。

渡哲也、松坂慶子扮する夫婦がいて、夫が定年退職したその日の夜に妻の方から離婚を言い渡す…という話らしい。一度も見たことがないのですが、話題になっているので、粗筋くらいは知ってます。その時、夫は「なぜだ!」と、三越の岡田社長(古い!)のように叫ぶことでしょう。

何やら、普通のトレンディードラマ(もう死語かもしれない)と違って、視聴者は40代、50代の主婦が多いそうです。ですから、この層をターゲットにしたCMがバンバン流れるそうですが、一度も見たことがないし、これから見るつもりもないので分かりません。とにかくそういう新聞記事を読みました。

ところで、親友のT君から面白い話を聞きました。彼が、塾の講師をしていた頃、子供の進路のことで面接すると、自然とその家庭の内部事情が分かってしまうそうです。結論を先に書くと、

「トラブルのない家庭は一軒もない」

ということです。子供の進路を相談している母親の話をじっくり聞いてみると、夫に対する不満は相当なもので、日々の生活のために、仕方がなくて夫婦生活を送っているというケースがほとんどだそうです。「熟年離婚」はドラマではなく、現実問題だったのです。

そして、もっと深くその主婦の言い分に耳を傾けてみると、大雑把に言えば、子供の進路などどうでもよく、夫に対する不満ももう諦めているのでどうでもよく、一番訴えたいのは、自分の家庭内の仕事、つまり、家事が、世間一般では誰からも認められることがないので、空しいこと。誰にも褒められも苦にもされず、結局、何の生き甲斐もなく、そんな無力な自分自身が腹立たしいこと…などが分かってくるというのです。

どこの家庭も似たり寄ったりで、旦那が世間的に尊敬される大学教授でも、奥方さんは夫を軽蔑しきって、裏で舌を出していたり、大豪邸に住んでいる医者の妻でも、退屈しきっていて、夫婦円満どころか、ほとんど家庭内別居状態だったりするそうです。

夫は働き者で、妻は料理上手で、子供たちは腕白だけど、勉強家。家庭円満で、絶えず笑顔があふれている…そんな60年代アメリカの絵に描いたようなホームドラマのような家庭は、まず皆無といっていい、というのが彼の結論でした。

私は妙に納得してしまいました。
だからこそ、人は、そんな理想とのギャップに悩むのでしょう。
だけど、皆さん、自信を持ってください。
もう一度繰り返します。

「トラブルのない家庭は、世の中に一軒もありません」

日テレビ系ドラマ「女王の教室」

最近、ほとんどテレビを見ませんが、日本テレビ系「女王の教室」が、話題のドラマになっていることぐらいは知っています。
天海祐希が扮する教師が、子供たちに「世間の常識」に目覚めさせて、極端なエリート教育を行うことから賛否両論の大合唱が巻き起こっているからです。

その中で、こんな台詞があるそうです。

「特権階級の人があなたたちに何を望んでいるか。今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。世の中の不公平なんかに気づかず、会社に入れば上司の言う事を聞いて、戦争が始まったら真っ先に危険なところ行ってくれればいいの」

今、アメリカは戦時体制の真っ只中ですが、一国の主は5週間の夏休み休暇を取るし、緊張感がないというか、無関心派も多いと聞きます。
現在、アメリカには徴兵制はなく、「危険なところ」へ行っているのは、自分以外の「愚か者」か最下層の人だからです。

奇妙な符号の一致を感じてしまいました。