今も昔も物事の本質は変わらない

久留米の古賀先生です。

迂生がよく行く陋屋の近くの京極湯は、まるで現代の「浮世風呂」です。

昨晩も脱衣場では、珈琲牛乳を飲みながら、辛らつな世評批判が飛び交っておりました。

スペイン・トレド

見るからに70歳は超えながら、まだ後期高齢者にはなっていないと見られる溌剌な隠居老人さん。「アルカリかメルカリか知らんけんど、孫が『じっちゃんに似合う』と、そのアルカリか何かで買ってくれた古着のジャケット。何と、それは、儂が古着屋に売った自分のものだったんだよ。こんな偶然あるか?内側胸ポケットに『松本』と刺繍されていたから、間違いねえ。おい、こんな偶然あるか」と若いもんに話しているのが、聞こえてきました。

その紳士松本さん。続けて「これじゃあ、質屋と変わらんじゃんか。ハイテクやら、ネット通販やら、カッティングエッジとか、横文字使ってハイブロウなことを言っとるが、モノの本質は変わらんってことや。今は、『人材派遣会社』とか気取って言っとるが、昔で言えば、『口入れ屋』だな。京都ではもっとズバリ『口入(くにゅう)』と言っとった。『お手伝いさん』は『女中』や。こんなこと言うと、今では差別主義者だとか、セクハラ、パワハラ、モアハラとかいって、進歩的なリベラリストに糾弾されるが、実態は同じ。本質はちっとも変わらんと儂は思っとるんや。息苦しい世の中になったものだよ」と言いつつ、若いもんに、バスタオルでパタパタと扇がせておりました。

 うーむ。なかなか、うまいことを言う爺さんだなあ、と感心した次第。

スペイン・トレド

 この伝でいきますと、先日国会で、自民党・公明党・日本維新の会による賛成多数で成立した「水道民営化法」は、「公共水道外資売却・売国奴法」というのが本質を突いた名称ですね。「出入国管理法改正法」は「移民容認法」。これまでの6年間、1強多弱で「数の論理」でやりたい放題やってきた安倍政権が成立させた「特定秘密保護法」「安全保障関連法」「改正組織犯罪(共謀罪)処罰法」は、さながら「治安維持法」ということですよ。耳障りの良い名称にはしてますが、本質は、100年前も200年前も大して変わらんということです。共謀罪も大逆罪といえば分かりやすい。

12月7日付の日刊ゲンダイによると、時の安倍政権の黒幕と言われ、「有識者」の名の下で、諮問会議とやらで、自由に都合の良いように法律を改悪する手引きをしているといわれる竹中平蔵氏は、自らが社外取締役を務めるオリックスなどの企業グループに下水道の運営権を25億円で落札させたと言われてます。

 「言論弾圧されるのではないか」と噂されている日刊ゲンダイは「これじゃあ〈すべての怪しい利権は竹中氏に通ず〉ではないか。加計問題でも明らかになったが、安倍首相の取り巻きが「有識者」として政府組織に潜り込んでボロ儲けする国家私物化システムはいい加減、見直すべきだ」と主張してますな。

 まさに、その通りだと思いませんか?賢明なる読者諸兄姉の皆さん。

共謀罪施行記念日と外部不経済論

勝海舟生誕地

今日から共謀罪を施行します。

悪い奴は実行しなくても、計画しただけで逮捕します。顔を見れば分かります。

人間には虚言癖があります。それが、たとえ国会の場であっても、裁判所でも、居酒屋でも、別に良心の呵責なんかありませんから、嘘をついても平気です。

片や「行政が歪められた」と言っても、片や「記憶にございません」と言えば、水掛け論です。

人間は永遠に理解し合えない動物ですから、今の世の中を決めているのは「人気」です。

人気さえあれば何をやっても許されるのです。

しかし、人気がなくなれば、ただの人。裏切り、転覆、人身掌握、何でもありです。

◇外部不経済

英経済学者マーシャルが提唱した経済用語として、外部不経済というものがあります。

これは、市場での経済活動の外側で発生する不利益が個人や企業など悪影響を与えることを指します。

これが、最近、観光業界や日本のお役所でも頻繁に使われるようになってきました。

つい最近まで、日本への訪日外国人観光客を1000万人の大台に乗せようという一大キャンペーンが、観光庁を中心に運動が起きました。それが5年前の2012年です。前年に東日本大震災と福島原発事故があったため、観光客が620万人に落ち込んだからです。

その後、13年についに念願の1000万人の大台を突破すると、中国人の「爆買い」も話題になり、昨年16年は、な、な、何と2400万人を突破していたのです。

道理で、私の通勤路になっている東京都心の銀座が外国人観光客で足の踏み場もないほどごった返しているわけでした。

莫大な観光収入が入り、地域を活性化してくれ、不景気対策になるというメリットがある半面、デメリットもあります。

また、最近は、観光客ではなく、どうみても身近に住み込んでいる赤ん坊連れのアジア系外国人も多く見かけるようになりました。これが、電車という公共施設の中で実にうるさい。我が物顔ですよ。

昔の話をすれば、鬼が笑いますが、昔は、外国人と言えば、大使館に勤務する人か、米軍関係者か、宗教ミッションか、学者文化人、語学講師に限られていましたが、最近は違ってきました。

人間は分かり合えませんから、外国人定住者の中にはいくら注意をしても、ゴミを出す日を守らなかったり、夜中に騒いで安眠妨害したり、不慣れなバスに乗って、一万円札を出して、時間のロスを同乗者に与えたり、集団でスクラムを組んで急いでいる通勤路を邪魔したりする事案がたまに起きます。

東京もそうですが、京都にお住まいの京洛先生は、「もう勘弁してくれー!」と叫び声をあげでいます。まるで、環境汚染されているといった雰囲気です。

こういったデメリットを外部不経済という言い方をします。

こういう事を言い出すと、革新的でリベラルな人たちは「不寛容な精神」だの、「移民排斥主義者」などと弾劾します。

そうじゃないんです。

日本人同士でさえ理解し合えないのに、宗教も文化も違う異国者に対して、自分の生まれ育った土地で何で気を遣って身を小さくして、縮こまって生きていかなければならないのかと気分不爽快に思っているだけなのです。

寛大を自慢する人たちは、彼らを引き受けて面倒見てくれるのならまだしも、そういう建前論を言う輩に限って、我関知せずの態度を決め込み、いざと言う時には自分たちの要塞に逃げ込んでしまうのです。

奴らは本当にズル賢いのです。

金持ち喧嘩せず、だから。

共謀罪五つの疑問

 ハバロフスク・スーパーCopyright Par Duc Matsuocha gouverneur

現在、共謀罪が国会で審議中で、多勢に無勢でいずれ成立されるかもしれませんが、暴力団などの組織犯罪を取り締まるのだから、われわれ市民になーんにも関係ない、と言ってられないことを、もし知らない方がいらっしゃれば、認識を新たにしなければならないことを茲ではっきり申し上げておきます。

もっとも、安倍首相をはじめ政府自民党は、この法案を共謀罪なぞと呼ばず、口当たりの良い「テロ等準備罪」と呼んでいるので、最初から「共謀罪」と呼ぶとなると、疑念を抱く側としての態度を明確にすることになることも覚悟の上で、疑問を呈していきます。

【疑問1】政府自民党は、共謀罪をつくらなければ、世界187国・地域が締結している国際組織犯罪防止(TOC)条約を結べないと主張するが、共謀罪ではなく、犯罪活動への参加を罰する「参加罪」の法整備で済むのではないか?

【疑問2】取り締まり対象が、組織的犯罪集団、いわゆる暴力団などに限っているように政府自民党は主張するが、国体破壊行為者、反政府主義者、アナーキストとまでいかなくても、普通の一般市民やサラリーマン、団体職員、労働組合員にも及ぶのではないか?

 ハバロフスク・スーパー入口Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

【疑問3】共謀罪では、殺人罪などの既遂、殺人未遂罪などの未遂だけでなく、計画を準備した段階の「予備罪」まで範囲を広げるらしいが、心理学者や精神科医でさえも心の問題が分からないように、他人の頭の中まで覗けるわけがなく、何処まで、その準備段階を立証できるというのか?

【疑問4】準備罪でしょっぴこうとしても、頭の中まで覗けず、立証できないので、今後ますます当局による通信傍受、盗撮、尾行、密告等が強化されて、戦前の特高警察のようなものが復活するのではないか?

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【疑問5】それこそ、まさに戦前の治安維持法が復活して、個人の自由が奪われるのではないか?通信傍受、尾行対象も、政府に反抗的で、時の権力者にとって都合の悪い、それこそ渓流斎のような気に食わない人間だけに向けられるのではないか?

 ハバロフスク・スーパー・レジCopyright Par Duc Matsuocha gouverneur

政府の説明では、TOC条約に加盟していない国は、日本、イラン、南スーダン、ソマリアなど11カ国に過ぎず、このままでは2020年の東京五輪開催を控えて、とんでもない国際テロ犯罪が起きたらどうしてくるのか!と、反対者の意見を封じているようです。

確かに、それは一理あります。ただ、専門家によると、TOC条約はもともと、マフィアなどの犯罪組織によるマネーロンダリングなどを取り締まることが主目的で、政治や宗教などのテロを対象にしたものではないそうですね。

ということは、テロ対策だけに絞った「参加罪」としての条件を満たしてTOC条約を締結すればいいだけのことです。

ですから、私は監視や密告が跋扈する温床になりかねない共謀罪には断固として反対を表明したいのです。こんなブログでも対象にされたら、たまりませんが、弱流斎ごときが何をほざこうが、強者は1ミリたりとも微動だにせず、ですかね?

月2回の奉仕で1000万円のお手当ては如何?

京都・建仁寺霊洞院 par Kyourakusensi

建前君 文部科学省の元高官が国会で証人喚問されて、天下りの実態を正直に告白したらしいね。何しろ、明治安田生命保険の顧問に天下りした人事課のOBさんなんか、月わずか2回の出勤で1000万円の報酬を貰っていたとか。

本音君 高収入の国会議員先生からも、さすがに「お~~」とどよめきがあったらしいね。

建前君 あたしの知っている大手マスコミのOBさんなんか、週5日出勤で、月10万円。ボーナスもないから、年収120万円らしいからね。

本音君 そんなチンケな話はよさんかえ。文科省なんぞ霞ヶ関では、下の下のどさんピン。その文科省が1000万円なら、定めし、経済産業省なら2000万円、財務省主計局なら3000万円てとこかな。

京都・建仁寺霊洞院 par Kyourakusensi

建前君 ゲッ!月2回の出勤で、そんな貰えるの? 子どもたちには「官僚になろう!財務省に入ろう!」と小さい時から教え込まなければならないね。

本音君 何をカマトトぶってるんじゃい。あまり、人を笑かすんじゃないよ。そんなもん、100年も150年も昔から分かりきったことじゃないか。明治の書生の言う「立身出世」とは所詮、霞ヶ関の高級官僚になることだよ。

建前君 でも、そんな親が望むエスカレーターに乗った人生なんてつまらないじゃないの?

本音君 だから、お前はいつまでもおめでたいんだよ。年収120万円と3000万円とどちらにしますか?と差し出されたら、どっちを選ぶ? 別に3000万円の話を蹴ったっていいんだよ。それだけ選択肢が広がるということなのさ。

建前君 しかしねえ、君の話すことは、金、金、金で、まるで守銭奴みたいだよ。

本音君 はっはっは、守銭奴でも結構。お前みたいな世間知らずは、せいぜい霞ヶ関じゃなくて、霞でも喰って生きていりゃあいいさ。俺は、他人に迷惑をかけず、他人に頭を下げないで生きていけるだけの金があれば、それで十分。卑屈に生きていても、人生楽しくないだろう?

建前君 それを言っちゃあおしめえよ。イカキに小便はたまらない。

本音君 おいおい、台詞が逆だろ? アメリカ大統領もトランプさんになったことだし、こっちも選手交代といくのかえ?