そして誰もいなくなった

  最近の政局を眺めるにつけ、話題は不統一協会のことばかりです。そこで、「双六(すごろく)言葉遊び」をー。

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 不統一協会 ⇒国政選挙応援、集票マシーン ⇒タレント候補も当選 ⇒地味党圧勝、政権運営 ⇒協会寄りの見返り政策立案 ⇒教育勅語と讒謗律を復活 ⇒集団結婚式と少数派排除 ⇒先祖の祟り ⇒高額印鑑、骨壺販売容認 ⇒洗脳献金 ⇒党費と選挙費用丸抱え ⇒集票選挙参謀 ⇒地味党圧勝、政権運営  ⇒協会寄りの見返り政策立案 ⇒組織名称変更と宗教法人を断然認可 ⇒献金破産と家庭崩壊 ⇒三代に渡る協会功労者の国葬開催へ ⇒「やらなきゃ馬鹿だ」とお二階さん ⇒内閣改造で不統一協会関係者多数入閣 ⇒内閣支持率低下 ⇒首相、コロナ感染もテレワーク ⇒不統一協会、被害者顔 ⇒協会と地味党はズブズブの関係 ⇒表裏一体 ⇒不統一協会機関紙、野党議員にも謝礼取材 ⇒政界全体汚染 ⇒国民の政治離れ ⇒「支持政党なし」が激増 ⇒そして誰もいなくなった

日本共産党と社会党がソ連から資金援助を受けていた話=名越健郎著「秘密資金の戦後政党史」

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(渓流斎ブログ3月3日付「冷戦期、自民党は米国からお金をもらい、社会党と共産党はソ連からお金をもらっていた」のつづき)

 名越健郎著「秘密資金の戦後政党史」(新潮選書)の前半は、冷戦時代、自民党が米国からたんまりとお金をもらっていた、という話でしたが、後半は、日本共産党と社会党がソ連から資金援助と便宜供与を受けていたという話です。公文書から具体的に書かれています。

 共産党の場合はこうです。

 ソ連共産党による秘密基金に関する「特別ファイル」の全ての記録は確認できなかったが、判明しただけでも、1951年に10万ドル、55年25万ドル、58年に5万ドル、59年に5万ドル、61年に10万ドル、62年に15万ドル、63年に15万ドルーと少なくても7年で計85万ドルが供与された。この期間の85万ドルは、現在の貨幣価値では30億円以上に匹敵すると思われる。(176~177ページ)

 社会党の場合は、1950年代は中国から60年代からソ連から「友好商社方式」と呼ばれる迂回融資の形で、お金をもらっていました。

 原彬久元東京国際大学教授の著した「戦後史のなかの日本社会党」(中公新書)によると、社会党の浅沼稲次郎委員長の「米帝国主義は日中両国人民の共通の敵」(1959年3月の訪中の際)発言を前後して、中国は日本に「友好商社」を設け、これを通じて中国産の漆、食料品等のいわゆる「配慮物資」を流し、この友好商社の利益の一部を社会党の派閥・個人に還流していったことは、周知の事実であるといいます。(236ページ)

 その後、社会党は、資金援助を中国からソ連に切り替えます。そのきっかけは、1961年のソ連ミコヤン副首相の訪日だったといいます。歴史的な中ソ対立の最中、同副首相は、社会党の河上丈太郎委員長に対し、「日本共産党が中国共産党に接近したので、ソ連共産党は社会党との関係を深めたい」と正式に申し入れ、本格化したといいます。これを受けて、64年7月に成田知巳書記長を団長とする第3次訪ソ団がフルシチョフ首相らと会談し、貿易面の全面協力などを含む共同声明を発表します。(242ページなど)

 これによって、優遇された社会党系商社がソ連との貿易で利益を得て、その一部を社会党に還元していくシステムが確立したわけです。(社会党がソ連寄りになったのは、共産党が60年代から「自主独立路線」を提唱してソ連から離れたことや、70年代に「日中両国の共通の敵」だった米国が中国に接近したことが要因になっています)

 著者は「ソ連がチェコスロバキアの自由化運動『プラハの春』を戦車で鎮圧した1968年のチェコ事件は、ソ連型社会主義への失望を高めたが、社会党左派の理論的指導者、向坂逸郎や岩井章総評事務局長らはソ連の行動を公然と擁護した」と書き、暗に、社会党系は、ソ連からお金をもらっているから批判できなかった、ことを示唆しています。

 嗚呼、公開された公文書によると、自民党は少なくとも1964年まで米国からたんまりとお金をもらって、ズブズブの関係。そんな大企業中心の金権政治に嫌気をさして、共産党と社会党にユートピア世界建設の夢を託していた大衆も、見事、裏切られていたわけですね。ソ連から利益供与を受けた党が全権を掌握すれば、日本はソ連の衛星国になっていたことでしょう。

 別に今さらカマトトぶるわけではありませんが、こんなんでは政治不信、と同時に人間不信になってしまいます。

萩生田氏の文科相御就任を寿ぐ

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 昨日(9月11日)発足した第4次安倍再改造内閣の閣僚を見ると、最も適材適所で見事に嵌っていたのが、文部科学相に就任した萩生田光一氏(56)以外有りえないことでしょう。それにしても、台風15号の影響で、千葉県内では45万軒も停電で復旧の目途が立っていない中、よくぞ性急に内閣改造なんかやったものです。

 萩生田氏は、東京都下の八王子市議から都議会議員、衆院議員と一つ一つ階段を昇って地位を築き挙げた苦労人らしいですが、世間が彼を注目したのは2016年、モリカケ問題華やかりし頃、安倍首相と加計理事長と一緒に缶ビール片手にバーベキューを楽しむ勇姿写真が拡散してからでした。

 「この人、誰?」と疑問に思う世間を尻目に、180センチ、100キロのガタイを武器に官房副長官として「消費増税を延期したらどうか」「憲法改正に消極的な衆院議長は交代したらどうか」などと発言力を増し、「安倍首相の側近中の側近」「総理の懐刀」と呼ばれるようになりました。それが如実に現れたのが2016年、加計学園獣医学部新設に際しての「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」といった発言疑惑で、そう発言したとされる文書が17年になって文科省で見つかったことでした。まあ、そんなことは、世間の人はもうすっかり忘れていることでしょう。報道すらしない新聞やテレビもありますからね。

 御本人は、文科相就任記者会見で「私の名前を使って(文科)省内の調整を図った人たちがいたのだろう」と疑惑を否定していますから、真相は不明だということは付け加えておきます。しかし、こういう方が本丸の文科省の大臣になってしまうなんて、ブラックジョークとしか考えられませんよね?

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 萩生田氏は、 「日本会議」国会議員懇談会事務局長で、2013年に自民党の「教科書検定の在り方特別部会」の主査に就任した際、教科書会社の社長らを呼びつけて「自虐史観に立つなど、多くの教科書に問題となる記述がある」と追及したりしたようです。また、 彼の議員会館の事務所には「教育勅語」の大きな掛け軸が掛かっているということで、思想信条が分かりやすい人です。まさに安倍首相好みで、祖父の岸信介以来の念願だった「一丸となって力強く推進する」憲法改正に邁進する同志として、どうしても彼が必要なこともよく分かります。

 でも、NHKの最新の世論調査(9月9日)で、安倍新内閣が最も力を入れて取り組むべきだと思うことを六つの選択肢をあげて聞いたところ、「社会保障」が28%で最も多く、次いで「景気対策」が20%、「財政再建」が15%の順で、「憲法改正」は6番目の5%でした。 やはり、世間の皆様は、憲法改正よりも、年金などの社会保障や雇用問題など景気対策の方が関心があるということです。

 今日のブログは、あまりにも正攻法で我ながらつまらないですね(苦笑)。ただ、新聞を読み比べると、萩生田氏のことをほとんど書かない新聞もあったので、つい書いてしまいました。えっ?新聞に出ていなくてもネットに出ている?・・・ありま。それじゃあ、何のツッパリにもなりませんね(笑)。

トヨタに5000億円減税、小池都知事が五輪用地を9割引で売却

 「夏に参院選がありますが、自民党の天下は変わらないでしょうね。大企業が自民党に献金してるんですからね。今の政権は財界が支えてますよ。トヨタなんか、その見返りで5000億円も減税されてるんです。誰も知らないでしょう。新聞もテレビもどこも報道しないんですからねえ」 

 物識りの篠田先生が、そっと耳打ちしてくれました。

 えーーー、本当ですか? 5000億円とは・・・!? 知らなかった。。。本来なら国家予算に組み込まれるべき大金ではありませんか。そこで、吉本君に聞いてみました。「トヨタが5000億円もの減税の恩恵を受けていること、君、知らないだろう?」

 すると、彼は「知っているよ。そんなの常識じゃん」と主張するではありませんか。

「えっ? 何で? そんなニュース、聞いたこともないし、読んだこともないはずだよ。どこも報道してないんだから」

「報道してるよ」と吉本君。

 「えっ?どこで?」

「赤旗だよ。2019年3月20日付で、『トヨタに5000億円減税 大門議員 政府税調提案に逆行』とのタイトルで出てたよ。 日本共産党の大門議員 が、参院財政金融委員会で、『トヨタは安倍政権の5年間で約5000億円の減税だ。なぜ利益が2兆円以上の企業にこれだけの減税が必要なのか』と批判したことが書かれてるよ」

「えっ!?そうだったの?」

「小池都知事が、来年開催される東京五輪の選手村用地(約13.4ヘクタール)を、三井、住友、東急、野村、三菱など大手不動産開発会社11社に、近隣地価の何と9割引で売却契約したことも、大手マスコミは、テレビも新聞もどこも報道していなかったのに、赤旗は一昨年からボンボン報道しているよ。選手村整備を受託した不動産会社のうち、7社に都の幹部12人が天下りしている(同紙2017年3月14日付)というから、最初からデキ・レースだったことが分かる。「週刊金曜日」も2018年12月21日号から19年3月29日号にかけて不定期に7回にわたって「晴海『選手村』開発疑惑」を連載してますよ」

「あらま、そんなことあったなんて、ちーとも知らなかった」