WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua
昨日(9月11日)発足した第4次安倍再改造内閣の閣僚を見ると、最も適材適所で見事に嵌っていたのが、文部科学相に就任した萩生田光一氏(56)以外有りえないことでしょう。それにしても、台風15号の影響で、千葉県内では45万軒も停電で復旧の目途が立っていない中、よくぞ性急に内閣改造なんかやったものです。
萩生田氏は、東京都下の八王子市議から都議会議員、衆院議員と一つ一つ階段を昇って地位を築き挙げた苦労人らしいですが、世間が彼を注目したのは2016年、モリカケ問題華やかりし頃、安倍首相と加計理事長と一緒に缶ビール片手にバーベキューを楽しむ勇姿写真が拡散してからでした。
「この人、誰?」と疑問に思う世間を尻目に、180センチ、100キロのガタイを武器に官房副長官として「消費増税を延期したらどうか」「憲法改正に消極的な衆院議長は交代したらどうか」などと発言力を増し、「安倍首相の側近中の側近」「総理の懐刀」と呼ばれるようになりました。それが如実に現れたのが2016年、加計学園獣医学部新設に際しての「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」といった発言疑惑で、そう発言したとされる文書が17年になって文科省で見つかったことでした。まあ、そんなことは、世間の人はもうすっかり忘れていることでしょう。報道すらしない新聞やテレビもありますからね。
御本人は、文科相就任記者会見で「私の名前を使って(文科)省内の調整を図った人たちがいたのだろう」と疑惑を否定していますから、真相は不明だということは付け加えておきます。しかし、こういう方が本丸の文科省の大臣になってしまうなんて、ブラックジョークとしか考えられませんよね?
萩生田氏は、 「日本会議」国会議員懇談会事務局長で、2013年に自民党の「教科書検定の在り方特別部会」の主査に就任した際、教科書会社の社長らを呼びつけて「自虐史観に立つなど、多くの教科書に問題となる記述がある」と追及したりしたようです。また、 彼の議員会館の事務所には「教育勅語」の大きな掛け軸が掛かっているということで、思想信条が分かりやすい人です。まさに安倍首相好みで、祖父の岸信介以来の念願だった「一丸となって力強く推進する」憲法改正に邁進する同志として、どうしても彼が必要なこともよく分かります。
でも、NHKの最新の世論調査(9月9日)で、安倍新内閣が最も力を入れて取り組むべきだと思うことを六つの選択肢をあげて聞いたところ、「社会保障」が28%で最も多く、次いで「景気対策」が20%、「財政再建」が15%の順で、「憲法改正」は6番目の5%でした。 やはり、世間の皆様は、憲法改正よりも、年金などの社会保障や雇用問題など景気対策の方が関心があるということです。
今日のブログは、あまりにも正攻法で我ながらつまらないですね(苦笑)。ただ、新聞を読み比べると、萩生田氏のことをほとんど書かない新聞もあったので、つい書いてしまいました。えっ?新聞に出ていなくてもネットに出ている?・・・ありま。それじゃあ、何のツッパリにもなりませんね(笑)。