九品仏 浄真寺 Copyright par Syakusyoudou
渓流斎ブログの熱烈な読者と思われる東京にお住まいの入江さんから、どういうわけか写真が送られてきました。
「ネタが生まれない渓流斎をイメージしました。ちょっとピンぼけですが、苦しむ上野動物園のカバのジロー。ネタを欲しがる渓流斎です」
「さん」ぐらい付けなさい!
でも、その通り、ネタ探しで毎日苦しんでおります。送って頂いた写真には、紅葉あり、五重塔ありで、まるで節操がない不統一感…。「どーせー、ちゅうねん?」と下手な関西弁が飛び出てきました。
仕方がないので、久しぶりに本日は空想小説を書くことにしました。
時は元禄…じゃなかった、時は令和二年師走九日午後六時十九分。場所は、江戸・紀尾井町の巨大旅籠屋「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」。屋内の高級料亭「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」のことでござった。
主賓は、秋田は佐竹藩の国家老・菅野主膳。その相手は水戸藩出身の信濃町奉行・長州夏之進治部少輔。
菅野主膳 さては、調整が難航している75歳以上の医療費負担の引き上げについてじゃがのお。儂は「年収170万円以上」にすべきだと思うが、如何か?
長州夏之進 いえいえ、御家老殿、それでは対象が広過ぎまする。せめて「年収240万円以上」にすべきかと…。
菅野主膳 うむ、民百姓のため、それぐらいにする案もあるようじゃが、それでは負担が掛かる若者層に示しがつかないのではないのか? それにしても、この鯛のカルパッチョは実に美味やのお。
長州夏之進 いえいえ、御家老殿、ここは和食屋なので、カルパッチョではござらん。焼き鯛のとろろ風味やまいものきんぴら添えかと存じます。愚生は水戸藩出身ながら、名前の長州から、酒は獺祭を御用意させて頂きました。
菅野主膳 いつもながら、おぬしの手筈は江戸一じゃのお。むはっはっはは…
長州夏之進 いえいえ、御家老殿、そこでで御座います、令和4年度から75歳以上の医療費負担を1割から2割に引き上げることについてで御座いまするが、御家老が主張される「年収170万円以上」と愚生が主張する「年収240万円以上」の間を取って、「年収200万円以上」としたら如何でしょうか?これなら、若者層からも文句は出ますまい…とかように存じます。
菅野主膳 むふふふ、間を取ったか…間男らしい。治部少輔、おぬしも悪やのお…むふふふ
長州夏之進 いえいえ、御家老こそ…隅に置けませぬ…さっささ、盃を開けてくだされ…
菅野主膳 おっ? これは一本取られたわいな…むはっはっはは…
めでたし、めでたし。
嗚呼、それにしても入江さんから送って頂いた写真と文章との関連性が全くなく、節操もない、統一感もないお話になってしまいました。
最後の紅葉の写真のアングルといい、中途半端に写っている若い女性といい、撮影者のセンスが光っています。
これも何だかよく分かりません。
渓流斎ブログの文章は読まず、写真しか見ない方もいらっしゃるようですから、写真で大いに楽しんでくだされ。
また、書くネタに苦しんだ時、これらの写真を使わせて頂きます。