最近、すっかり格言に凝ってしまいました。
とはいえ、日本の格言や諺には、まるっきり正反対を言うことがあります。
例えば、「先んずれば人を制す」と言いながら、「急がばまわれ」「慌てる乞食はもらいが少ない」などと言ったりしますね。
どっちが良い悪いではなく、両方とも真理なんでしょうね。
ですから、私のようなひねくれ者なんかは「今日できることは、明日に延ばそう」とか、「柳の下には泥鰌が二匹も三匹もいる」なんて、御ふざけの言葉の方が面白くて、楽しいのです。
さて、今、私は、世界第2位の大金持ちと言われている史上最強の投資家、ウォーレン・バフェットの義理の娘メアリー・バフェットとジャーナリストのデビッド・クラーク著、峯村利哉訳の「バフェットの教訓」(2008年初版=徳間書店)が、名著だということで読んでいます。
別に、株や投資に関心がなくても、お金がなくてできない人でも(笑)、人間の心理・哲学を味わう意味でも、なかなか奥深いです。
例えば、「髪を切りたいなら、床屋のところへは行くな」の章では…(換骨奪胎)
・何か問題はないかとアドバイザーに相談すれば、アドバイザーは必ず問題を探し出してくる。全く問題がなくても!!ウォーレンが喝破したように、証券マン、コンサルタント、弁護士などにも同じ傾向がみられる。問題解決を生業にしている人々は、何としてでも問題を穿り出してくる。問題が存在しなければ、商売あがったりだからだ。
うーん、凄い洞察力ですよね?
また、「人間には簡単なことを難しくしたがるひねくれた性質があるらしい」では…
・極言すれば、あらゆる職業は素人をだますことで成立している。(中略)株式ブローカーが株のプロを自任するなら、自分の金で勝手に儲ければよさそうだが、不思議なことに、この疑問を口にする顧客は誰もいない。ひょっとして、ブローカーが顧客の金を必要とするのは、投資が利殖につながらないことを分かっているからではないのか?顧客に次々と投資先を乗り換えさせて、手数料収入で儲けるつもりではないのか?
いやあ、これは、瞠目すべき事実かもしれませんね。感服しながら、ページをめくっています。
金融リテラシー
失礼ながら、金融リテラシーはお得意ではないとお見受けしまし。
「瞠目」どころか金融の専門家の間では「常識」です。この「常識」に反するような「真実」を発表すれば、業界から確実に干されます。
逆に業界に乗った発言をすれば、経済誌への執筆依頼を口切りに、たとえば月1回100万円ほどの講演会を1年間保証してもらえる、政府の審議委員に推される、大学の客員教授への誘いなど、それとなく、あるいは露骨に提示されます。
こうした誘惑に抗しきれるのは、残念ながら、あるいは当然ながら。少数派であります。
上に縷述したことは、実はこの少数派に属する山崎元さんに学んだことです。
渓流齋氏と山崎元氏への敬意を表して。