ブレイクスルー・スターショット計画 ナノクラフト ケンタウルス座α星 fifth edition

観客席までお出ましの美女 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 天文学の智識は、中高生程度しかありませんが、小さい頃から、宇宙の雄大さに畏敬の念を持っていました。

 太陽系、つまりは地球に寿命があるのと同じように、宇宙にも寿命があるとは小さい頃は思ってもみませんでした。

 最新の科学では、宇宙はビッグバンにより138億年前に誕生し、地球は46億年前に誕生。生命は38億年前に生まれ、単細胞、多細胞、爬虫類、哺乳類と進化して、人類の誕生が約600万年前で、猿人(アウステラロピテクス)、原人(ジャワ原人など)、旧人類(ネアンデルタール人)と進化し、約20万年前に現代人の流れを汲む新人類が誕生します。(他に色んな学説あり)

 世界最古の文明と言われるのが、メソポタミア文明で、その中で、紀元前9000年のシュメール文明が嚆矢とされ、そこで、農耕が始まり、恐らく、多少の言語も生まれて発達したのではないでしょか。

 となりますと、ヒトの文明や文化の発祥など1万年ちょっとしか経っておらず、宇宙の歴史から見ても、瞬き程度の時間と言えるでしょう。

 観客まで一緒になって Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 最近、注目される大ニュースがありました。(2016年4月12日)

 著名な宇宙物理学者のスティーブ・ホーキング博士が、太陽系はいずれ寿命が来るので、「人類が生き残るために他の星に住むしかない」と断言されまして、太陽系以外に移住できる星の探索計画を打ち上げたことです。

 太陽系に最も近い恒星系は、「ケンタウルス座α星」で、これは地球から4.39光年(約40兆キロメートル)離れていて、現在の技術ではロケットで、7万年以上から3万年もかかると言われます。えっ? 早くても3万年? 今から3万年前の人類は、まだ定住せず、言葉も満足に話せず、要するに猿と変わらぬ野人だったのではないでしょうか?(笑)

 3万年もかかってしまっては、人類が滅亡しまっているかもしれません。(「おいおい、根拠もないのにそんなこと言うなよ」との声!)

 そこで、ホーキング博士が考えたのは、光速の5分の1という超々々特急の小型探査機「ナノクラフト」。地上からこのナノクラフトに向かってレーザー光線を当て続け、推力で高速を維持することによって、約20年でケンタウルス座α座に到達できるといいます。

 ついにフィナーレとなりました Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 名付けて、Breakthrough Starshot計画。投資総額は、この20年で50億ドルから100億ドル。ナノクラフトは、超軽量薄型の光帆を組み合わせた探査機で、わずか数グラムだとか。切手サイズのチップスに小型カメラや通信機器も搭載できるそうです。

 取り敢えず、この壮大な計画の実現までの構想と研究費に、ポンと1億ドル(約108億円)を支払うのが、この計画チームの設立者の一人であるロシア人投資家の大富豪ユーリ・ミリネル氏(54)。まずは、地上から光線を発射するシステム「ライト・ビーマー」の建設から始めるようです。

 ただ、実現しても、ナノクラフトがケンタウロス座に到達するのに20年かかるので、詳細なデータが分かるのは、少なくとも44年後らしいですね。

 ちなみに、「ケンタウルス座α星」は、A星、B星、C星(プロキシマ)の三つの恒星からなる三重連星で、「宇宙戦艦ヤマト」や「アバター」などのSFアニメや映画などの舞台として使われたそうです。

 あまりにも壮大過ぎる計画で、目の前の悩み事や思想や政治や人間関係の複雑さなんぞは吹き飛んでしまいそうです。 

私は、44年先まで、生きていられる可能性は、極めて少ないですが、自分の生きている間に、地球外生物はいるのか?人類が移住できる地球以外の星があるのか?是非とも知りたいものです。

“ブレイクスルー・スターショット計画 ナノクラフト ケンタウルス座α星 fifth edition” への1件の返信

  1. 宇宙論と存在論
     いつも刺激的なブログありがとうございます。
     
     ホヴァート・スヒリング『世界で一番美しい深宇宙図鑑 太陽系から宇宙の果てまで』創元社。つい先日読みました。
     宇宙論とは存在論と直結しているのですね。

    。昔、宇宙の果てはあるのかを考えて、発狂した東大生がいたことを同学の友から直接、吉祥寺の酒場で聞いたことをを思出しました。

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