「64-ロクヨン」は★★★★★  第2刷

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

13日の金曜日は、忌み嫌われておりますが、その13日の金曜日に都心の某所で、来日された京洛先生を囲んだ会に20人ほど参加して行われたようですが、残念ながら、渓流斎は参加できませんでした。

大いに盛り上がったようですが、大抵はインサイダー情報ですから、こんな最公約数のブログに書けないことばかりですので、参加できなくても、同じかもしれません(笑)。

でも、最近、夜遊びしてませんね。昨年でしたら、このブログに、いつも「昨晩も痛飲して二日酔いです」と書くのが、恒例でしたが、事情があって、お酒は一滴も呑んでいません。

まあ、呑まないなら、呑まないで、死ぬわけではないことが分かって、何とかなることを新発見した感じです(笑)。

さて、その京洛先生が「映画、クロヨンを観ましたか?探訪ブログ記者さんには必見ですよ。あたしあ、面白かったので、後編も観ようと思ってますよ」と、遠くから伝令のような飛脚を飛ばして来られました。

「クロヨン」ではなくて、「ロクヨン」だと思いますが(笑)、この映画、ご案内の通り、前編と後編の2本に分かれていますし、どびきり見たい女優さんもいないし、正直、触手が動いていなかったのですが、京洛先生が思わせぶりな言い方をされるもんですから、「しょうがないなあ。観て見るか」と重い腰を上げたのでした。

例によって、内容に触れますから、この先は、これからご覧になる方は読まないでください。

また、著作権で映画写真は使えませんから、いつものように、松岡総裁の壮大な写真をお楽しみください。

絶景かな Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

JALの御巣鷹山事件を扱った「クライマーズ・ハイ」など映画化作品がたくさんある横山秀夫さん原作で、「このミステリーは凄い」賞かなんかで、第一位を獲得した作品だそうです。小生は、映画は観ても、推理小説はほとんど読まないので、ほとんど分かりませんが、横山作品の評判は聞いております。

彼は、群馬県の最大県紙「上毛新聞」記者出身ですから、警察と記者クラブの関係については、お手の物ですが、ちょっと、カリカチュアといいますか、デフォルメし過ぎているような感じがしました。作品には、上毛新聞と思われる東洋新聞をはじめ、全国紙の朝陽新聞、毎報新聞、読日新聞のほか、関東経済新聞、テレビのNHA、おまけに中央通信と情勢通信まで配置されておられるので、個人的ながら笑ってしまいました。

絶景なり Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

物語は、わずか1週間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐事件で、時効を間近に控えた14年後の平成14年の群馬県警内部が舞台です。当時、県警の捜査班だった三上義信(佐藤浩一)は、恐らく未解決事件の責任を取らされて、今では広報官に左遷されて、事件の匿名発表や警察庁長官の「64事件」現場と被害者宅訪問の取材などを巡って、記者クラブと対立して、「中間管理職」のように、間に挟まれて苦悩する姿が描かれます。

警察内部の出世争いといいますか、警務部と刑事部との内部抗争が全面に出てきて、まるでヤクザ映画みたいな緊張感があって、ハラハラドキドキさせられ通しでした。特に、キャリアの県警本部長辻内役の椎名桔平や、同じくキャリアの警務部長赤間役の遠藤賢一、それに三上の上司で責任を取らされることなく捜査一課長に出世した松岡(三浦友和)らの鼻持ちならない傲慢さと冷血な事務的態度はピッタリのはまり役で、不条理なヒエラルキーの世界に身を置く人なら誰でも、共感できる場面が多々あったのではないでしょうか。

そういう私も、とても他人事に思えず、佐藤浩一と一緒に涙が出てきましたよ(笑)。

原作を読んでいないので、この後、どんな展開になるか、さっぱり分かりません。でも、そこがいい所で、来月の後編公開が楽しみになりました。

実は、最近の日本人の俳優はよく分からなくて、東洋新聞キャップ秋川役の瑛太と、広報室係長諏訪役の綾野剛との区別が最初はつかず、困ってしまいました(笑)。とはいえ、この映画は、今考えられる豪華キャスト、オールスター出演というのは間違いないでしょう。

もう、クラリオンガールと言っても、誰も知らないでしょうが、その元クラリオンガールの烏丸せつこが出演しているというので、観たのですが、観終わっても誰だったのか分からなかったのです。後で、映画の公式サイトを見て見たら、吃驚。あの捜査員日吉の母親役がそうだったんですね。えっ?あのお婆さんが?昔はグラマー女優(古い)として、ブイブイ言わせていたのに、面影が全くない(失礼!)。思わず、卒倒しそうになりました。

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