苦天の正体見たり枯れ尾花

モーニングセット

学生時代の同級生が、本を出版していることを新聞の広告で初めて知り、ネット通販の苦天で注文してみました。

そしたら、驚き桃の木山椒の木です。

新書なので定価800円ですが(物語を単純化するため、数字は概算)、最安値でも送料が何と500円もかかるのです。つまり、この新書を手に入れるのに、本屋さんに行けば800円で済むところ、苦天は1300円もするのです。

これは最安値ですから、「ポイント10倍」が付くという謳い文句の同じ本は、送料が700円もして、計1500円もするのです。

これは明らかに暴利でしょう。「送料」というのは建前で、実質上は「手数料」です。英語で言えば、コミッション、もしくはリベートです。これだけ莫大の暴利を貪れば、プロ野球やプロサッカーのチームを持てるはずです。

阿漕な商売とはいえ、私のように、それでも買う人がいるということは、こんなビジネスモデル(というより、利権構造といった方がいいでしょう)でも成り立つわけです。

でも、はっきり書きましょう。本の卸値は定価の8割です。しかし、苦天の場合は、7割4分とか7割5分あたりで仕入れる強気な商売をしているのかもしれません。店舗を構えているわけではないので、これで利益は十分取れるはずです。送料だって、宅配便会社を相当安く叩いていることでしょう。つまり、儲けが二重構造になっているわけです。

私は、ほとんど、滅多にコンビニを利用しませんが、例えば、スーパーなら2缶100円のコーラ(つまり、1缶50円)が、同じ銘柄でも1缶100円で売っています。それでも、売れるのは、スーパーのコーラは、冷えてなかったりしますが、コンビニは、冷えていて、今すぐ飲めるという利便性があるからです。

つまり、消費者は、商品を利便性という付加価値がついた上乗せ価格で、手に入れているということになります。

まあ、こんな話は当たり前で、取るに足らない今さら何さ、せこいなあ、といった世界ですが、ほんの少し立ち止まって考えてみると、現代人は、「早い」「便利」「手間要らず」という恩恵を受けている半面、何か大切なことを犠牲にしたり、失ったりしていることを、そして、明らかに悪徳商人に踊らされている事実を、我々は、もっと気付くべきだと思っているのです。

余計なお世話かな?

苦天は、新書の本体と送料が変わらない、というあまりにも酷い暴利を貪っているので、敢えて書きました。

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