生涯健康脳

 新京 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 瀧靖之著「生涯健康脳」(ソレイユ出版)を読了しました。

 以下は読書感想文ではなく、単なる備忘録です。換骨奪胎。

 ・お洒落な方、言葉遣いがしっかりしている方、そしてコミュニケーションがしっかりとれる方たちの脳は若さが保たれていますが、何も構わないような身なりで、言葉遣いもはっきりしないような方は、脳の委縮が進んでいることが多い。

 ・脳の中で、最初に発達するのは、頭の後ろの「後頭葉」。主に「ものを見る」働きを持つ。「後頭葉」は生まれて数カ月から1,2年で発達し、年を取っても最後の最後まで保たれる。

 ・同じように早く発達するのが、「音を聴く」などの働きをする「側頭葉」。つまり、原始の時代、人間は動物として敵を「視る」、敵の「音を聴く」ことができなければ生き抜いてこられなかったから。そのためにも、生きるために必要な部分から脳は発達したと考えられる。

 ・さらに、「側頭葉」には「記憶や言語理解」に関わる領域も見られ、これは「音を聴く」働きがある領域の後に発達していく。

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・このように、動物として生き抜くために必要な「後頭葉」と「側頭葉」が発達した後、最後に完成するのが、人間として生きるために必要な「前頭葉」だ。この前頭葉にも役割ごとにつくられる順番があり、運動機能などを担う部分は早く発達し、判断したり、考えたり、コミニュケーションをしたりする「前頭前野」は最も遅く、12歳前後の思春期を過ぎたころになってようやく完成する。

 ・しかし、脳というものは大変不条理にできていて、やっと出来上がったと思ったら、すぐに加齢による萎縮が始まってしまう。しかも、一番最後にできた「前頭前野」から先に萎縮が始まってしまう。

 ⇒これが認知症となる。

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 ・認知症はまず、脳に「アミロイドベータ」という物質がたまり、次に「タウたんぱく」がたまることで発症していく。しかし、この有害物質のアミロイドベータは、睡眠によって洗い流される可能性があることが、最近の研究で分かってきた。これが、事実なら「眠る」という作業で、アミロイドベータをどんどん排出できることになる。

 ・脳にとって良いこととは、1日たった30分歩く程度の「運動」でよい。激しいサッカーやテニスのようなスポーツをやることはない。散歩は「有酸素運動」になっており、これこそが脳のために最も良いことになる。認知症予防にも効果が高いと言われている。

 ・最後に、脳にとって最高の栄養とは、探究心、冒険心、追求心など「知的好奇心」だ。見たい!聞きたい!知りたい!行きたい!やりたい!など様々なことに興味と関心を持ち、いつもワクワクときめいている状態が脳に一番良い。

 ・なぜなら、ヒトは好奇心を抱いているときは、ドーパミンという脳内物質が分泌され、記憶効果がアップすることが、科学的に証明されているからだ。しかも、好奇心を持って取り組んだ時の記憶は、短期ではなく、長期的な記憶になることも分かっている。

 以上、私(渓流斎)は一時期、好奇心というものが全くなくなってしまった経験がありますので、このことについては、よーく分かります。

 皆さんもケッパレー!

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