「満洲新京~長春今昔」のフィルム鑑賞会

 旅順 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 昨日は、いつも渓流斎ブログで使う写真でお世話になっております松岡將氏(「松岡二十世とその時代」などの著者)の御邸宅にお呼ばれしまして、「満洲新京~長春今昔」のフィルム鑑賞会に参加してきました。

 そもそも、この会は、松岡氏が長年、お金と時間をかけて、御子息の世界的スーパーコンピューターの権威である博士からの手助けを得ることなく(というか、実は、足手まといとなることから、助言さえもらうこと能はず?)、独力で全337枚ものjpgを駆使して、他人様にも鑑賞に耐え得る資料を地道の努力で作成することができたというので、それでは、宝の持ち腐れになるのも何なんですから、何人かの有志を集めて鑑賞会でも開きましょうか、と私が言い出したことがきっかけでした。

 ですから、私のように満洲といえば、「餃子の満洲」に行ったぐらいで、満洲生まれでも育ちでも何でもない人間ながら(実際は3年前に一度だけ満洲の地に足を踏み入れ、新幹線「和諧号」にも乗ってきました!)、呼びかけ人の特権から鑑賞会の参加切符を手にしたわけです。

 昨日は、私も入れて5人も参加されましたが、私を除く全員が、満洲生まれか、満洲の小学校や中学校に通った方々ばかりでした。皆さん、子供時代に返ったように感激されておりました。(参加された方々のお名前は控えることにしますが、いずれもご尊父が満州国で重職を務めた方々です)

 旅順港 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 時間に遅れてはいけないと思い、少し早めに家を出たので、約束の待ち合わせ場所を確かめてから、初めて来た高級住宅街を散策してみました。ニューヨークのトランプタワーのような豪華なマンションもあり、凄い所だなあ、と思って約束場所に戻って、皆で連れ立って、松岡氏邸を目指したところ、何と、そのトランプタワーがご自宅だったので、吃驚してしまいました。

 もっとも、松岡氏の弁によりますと、このマンションの所有主は、トランプ政権に入閣できるような大変優秀な御令嬢のものらしいですが、ホテルのような豪華さには圧倒されてしまいました。

 居間が映写室に早変わりし、「スライドショー」は、満洲の首都だった新京と戦後の長春の昔と今を比較して、ああだった、こうだったという弁士松岡氏の弁舌が冴えて、大変見応えがあるものでした。

 氏の努力の賜物で、グーグルアースとやらも引っ張ってきて、昔、松岡氏が通った新京の桜木小学校は、今でも小学校か中学校らしいのですが、2、3年前から校庭を拡張して、Jリーグの公式試合でも開催できそうな緑の芝を満々と蓄えた広大なサッカー場ができている様を衛星写真で映し出していました。

 黒河 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 満洲は、関東軍による傀儡政権と言われ、新京駅前から南北を縦断するメインストリート付近には関東軍総司令部など壮大で、天守閣のような異様な公共建物が陸続と建設されました。

 勿論、批判や汚点はありますが、田舎の農村だった長春を首都機能設備を持つ都市として、インフラの道路、水道、電力、電話電信、行政、司法施設、警察署から、住宅、病院、学校、監獄!まで計画的に建設したのは、かの大日本帝国だったことは間違いありません。

 モノの本によりますと、戦前の日本本土では普及していなかったスチームによる床暖房設備を備えた住宅が満州には既にあったらしいですね。

 新生中国になって、彼らは勿論、「偽満洲」と断罪して、戦前の日本の「侵略」を非難する教育を展開しましたが、全面否定しているのにも関わらず、かつての関東軍総司令部が、今では吉林省人民委員会の省庁になっていたり、かつての満洲銀行をそのまま人民銀行として使ったりしているのです。

 まあ、「有効活用」という言い方もできるかもしれませんが、それこそ、満洲で生まれ育って引き揚げた日本人としては、今でも「満洲とは何だったのか」と思うようです。映像を見て、私もその気持ちが分かるような気がしました。

 鑑賞会の後、近くの有名な焼き鳥「ニューれば屋」で懇親会を開催しました。戦後ながら、旧満洲生まれの「レコードチャイナ」の八牧社長さんも参加されて、皆さんとは初対面とはいえ「満洲仲間」ということで、すぐ打ち解けて、話が弾みました。
 八牧氏は、「週刊金曜日」などのメディアからも取材を受け、最近大変ご活躍されているようですが、今後も満洲仲間との交流を一層深められたら、私のような一介の仲介者としてはこの上のない喜びです。 

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