「スノーデン」は★★★★★

旧哈爾賓学院(中国) Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 
 オリバー・ストーン監督の意欲作「スノーデン」を観てきました。

 最近、ロードショーを観ることができる機会が事情がありまして(笑)、異様に減ってしまい、観る作品は目を皿のようにして、映画評を読んだり、サイトを見たりして参考にしています。

 しかし、評論家の連中は、身銭を切ることなく只で観て、感想を言っているだけで、所詮は、それがどうした程度のことしか書いていないことが多いのです。ただで観て好き勝手なことを言っているだけですから、もっと謙虚になれ、と言いたいですが、大抵は馬耳東風です。

 で、この「スノーデン」に関しては、かなりの新聞と週刊誌の映画評に目を通しましたが、芳しいものではありませんでした。私が信頼する某新聞評も星が三つしかなかったので、観るのをやめようかと思ったぐらいです。

 しかし、身銭を切って観てよかった、というのが、正直な感想です。

 以下、内容に触れますので、これからご覧になる方はさようなら。

 長春市内住宅街(中国)Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 何で、日本の評論家連中の評判がよくないのか、そこには、米国覇権主義者、特に、米軍や国家安全保障局(NSA)にとって「不都合な真実」が暴かれているせいではないのか、と勘繰ってみましたが、それほど驚天動地するほどの真実は含まれていませんでした。

 これまで、報道されてきたことをドキュメンタリータッチで追跡した感じでした。

 もちろん、機密情報を暴いたエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と恋人のリンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)との深いプライベートな関係については知りませんでしたが、それは、映画として成り立たせるための方便の一つとして選んだのでしょう。

 ストーン監督が日本の大手マスコミの全てのインタビューに応じたような感じで、作品評よりも、有名監督のインタビュー記事ばかり目立って掲載されておりましたが、ストーン監督は、インタビュー記事の中で、「日本にとっても衝撃的な事実が明らかにされます」と語っておりました。

 それが、何なのか、注意して見てみましたら、スノーデン自身が日本の横田基地に勤務した経験があり、そこで、日本人の通信、通話から、SNS、個人メールに至るまで、いつか日本が米国の同盟国ではなくなることを想定して、盗撮、見聞、情報収集したことだったように思われます。

 まあ、そもそも、インターネット自体が米軍が開発したものですから、そんなことはお手の物であって、大して驚くべきことでもないと思って観ていましたが、後から考えると、やはりぞっとする話でしたね。

 長白山山麓松花江源流(中国)

Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 スノーデンが、香港の高級ホテルでドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラスとガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルドらにNSAの機密を暴露したのが2013年6月のこと。まだ3年ちょっと前のことなのに、もう随分昔のように思えてきてしまうのは、IT時代のせいかもしれませんね。

 オリバー・ストーン監督は、この映画について、モスクワでスノーデンと9回も会って取材して、スノーデンから見た事実を追ったもの、とインタビュー記事で明かしていました。

 だから、スノーデンが、CIA職員としてハワイ勤務の際、中国からのサイバー攻撃対策チームにいたことなども事実でしょう。でも、この事実を描いてしまえば、中国マーケットで売り出し(映画公開)にくいことは容易く想像できます。

 ストーン監督は、米国の権益と機密情報にかかわることから、大手ハリウッドからの出資やスタジオを借りることなど全て断られたそうですから、製作費を回収するのが大変でしょう。

 最近のハリウッド映画は、中国系アメリカ人の宇宙人技師が活躍して、米国と中国のロケットとのドッキングが成功する映画をつくったりして、かなり「世界最大」の中国マーケットを意識していますし、CIAなどからの全面協力の下で、CIAのヒーロー物映画の製作に熱心です。

 そういう意味で、70歳のストーン監督の今回の映画は、かなりの冒険であり、「これが長編映画の最後になるかもしれない」と感想を述べたことも納得できます。

 そのせいか日本の映画評論家と称する連中が、この映画を貶す理由も、何となく分かる気がします。いや、何か裏がありそうです!

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