ほとんどの人間は他人

伊太利亜フィレンツェ

【コメント】

「ガヤ」の意味が分かる人様

コメント有難う御座いました。誰方様か分かりませんが、何か、素人ではなく、その筋の通(笑)の方と思われます。ケチな野郎ですが、以後お見知りおきのほど、偏に宜しゅうお願い申し上げまする。

さて、今年は、ビートルズの名アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」がリリースされて半世紀です。

本国イギリスでは、1967年6月1日に発売されておりますから、ちょうど50年も経ちます。

となると、このアルバムを同時代人として知っている方は、もう還暦を過ぎていることでしょう。

どういうわけか、私は知ってます。やったね、です(笑)。このアルバムは、ポピュラー音楽史の中で、ベスト10、いやベスト3に入る名盤で、これまでの音楽とは一線を画し、後世の音楽に多大な影響を与えました。

とは言っても、今日は音楽の話ではなくて、ピーター・ブレイクがデザインした超有名なこのアルバム・ジャケットのことです。

中央に、架空のサージェント…バンドのメンバーに扮したビートルズの4人が立ち、その周囲に色んな有名人が並んでいます。ボブ・ディラン、マリリン・モンロー、マーロン・ブランドのほか、マルクスやユングらもおります。ほかに、ジョン・レノンが来日の際にお土産として買った福助の人形やソニーの9型ポータブルテレビ…。

伊太利亜フィレンツェ

さて、これらの人たちが、どういった基準で選ばれたのか分かりませんが、4人の、特にジョン・レノンの意見が最も反映されているように思われます。

中に、バーナード・ショーやディラン・トーマス、オスカー・ワイルドといった彼に多大な影響を与えた作家や詩人が選ばれているからです。

それにしても、サージェントが世界に発表された時、ジョン・レノンはまだ26歳ですからね。ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンはともに24歳、リンゴ・スターは26歳です。この若さで歴史に残る大きな仕事を成し遂げたのですから、彼らは天才としか言いようがありません。

伊太利亜フィレンツェ

で、この中で、今日はオスカー・ワイルドを取り上げます。私自身は、このアルバム・ジャケットで初めてオスカー・ワイルドの顔を覚えたぐらいですから(笑)。

最近、どういうわけか、彼の作品は再評価されているようですね。

オスカー・ワイルド(1854~1900)は、ダブリン生まれのアイルランド人です。(当時は英国領。ジョンもポールもアイルランド系なので、惹かれたのかもしれません)オックスフォード大学を首席で卒業するほどの秀才でしたが、鼻につく芸術家気取りで相当変わり者だったようですね。

男色家で、最期はパリで、梅毒による脳髄膜炎で亡くなります。享年46。ペール・ラシェーズ墓地に葬られます。

代表作に「サロメ」「幸福な王子」「ドリアン・グレイの肖像」などがありますが、何と言っても、彼のアフォリズムが秀逸です。例えばー。

??「男の顔はその人の自伝であり、女の顔はその人の創作である」

??「男は愛する女の最初の男になる事を願い、女は愛する男の最後の女になる事を願う」

なんてのがあります。

日本の古い格言(笑)にある「女の顔は請求書、男の顔は領収書」てところでしょうか?(爆笑)

こんなのもあります。
??「外見で人を判断しない者は愚か者である」

これは名言です。

でも、私の好きな言葉は

??「自分らしくあれ。他の人の席はすでに埋まっているのだから」

です。アイルランド人らしい皮肉で凝り固まっています。この辺りが、ジョン・レノンの好むところだったのでしょう。

最後は、駄目押し。私から言わせれば最高傑作です。

??「ほとんどの人間は他人である。思考は誰かの借り物の意見であり、人生は人の物真似。そして情熱は引用である」

はい、引用させてもらいました!

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