片岡みい子さんのお別れの会

神楽坂「紀の善」のクリームあんみつ

昨日は東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行われた翻訳家・フリーライターの片岡みい子さん(1950~2017)の「お別れの会」に参列してきました。

彼女の交流の深さと人徳でしょうか、およそ170人もの友人知人が集まりました。亡くなったのが2月7日ということでしたが、まだこれから先のあるお若い年齢であの世に旅立たれたので、多くの方から惜しまれる声が聞かれました。

本当に、多くの友人知人に恵まれました。旧ソ連の反体制派の人々の支援運動家として活動した正垣親一氏(1947~2001)を支えるパートナー、妻として、毎年東京・銀座の渋谷画廊で発表する「It’s 展」会員の芸術家として、世間ではよく分からないおつな寿司セミナーの世話役などとして日々社会貢献されてきたせいか、彼女と関わってきた人たちが縁の下で働き、会場には、彼女が翻訳した数多くの本や、描いた絵画なども展示され、パワーポイントで作成された写真や動画も公開されていました。

これらは、すべて、残された友人知人が手分けしてボランティアでやったわけで、とても人徳がなければ、こんな形で盛大な会が催されることはないと思いました。

中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

小生は、(2014年に解散した)おつな寿司セミナーのメンバーの一人として、もう30年近いお付き合いでした。大学の後輩であったので、「先輩」と呼び掛けると、よく「先輩はなしにしましょうねえ」と怒られたものでした(笑)。

それでいて、「渓流斎君、これちょっと調べといてくれない?」「渓流斎ブログで本の宣伝してくれない?」なぞと、さりげなく頼りにされたこともしばしばでした。いや、ほんの数回程度ありました(笑)。

彼女の辛酸を舐めるような人生体験は、著書「たいへんよく生きました」(論創社)に詳しいのでここには触れません。

ただ、とても、しっかりとした方で、苦悩は表には出さず、むしろ、物事を前向きに明るくとらえて、話が暗くなったりすると、「そっかー」と相槌を打ちながらも、「もうその話は終わりにしましょうねえ」と言う方でした。

 中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

そして、準備のいい方で、遺言として以下の言葉を我々に残してくれました。

「皆さま、生前は大変お世話になりました。仕事や旅行や会食や趣味や、色んなプロジェクトでご一緒でき、本当に楽しかったです。いろいろ教えていただき、誘っていただき、心配していただき、美味しいものを御馳走していただき、見守っていただき、有難うございました。私はお先に参りますが、もし精霊になったら、皆さまをしっかり応援することをお約束します。

2017年2月 みい子」

あの世に旅立ち、精霊になったら見守ることを約束する、なんて実に彼女らしい。彼女の性格がモロ表れていました。

お別れの会で、司会進行役を務めた方は、彼女と親しかった元民放の女性アナウンサーの方でしたが、この文章を読みながら途中でもらい泣きさえしておられました。

 中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

私も、多くの方が集まる会合は3年ぶりぐらいで、久しぶりに参加しました。

会場には、おつな関係の方は、全体からみると意外と少なく28人程度でしたが、それでも多かったようです。

中には、3年ぶりのYさん、5年ぶりのHさん、10年ぶりぐらいのSさんら久しぶりにお目にかかる方もおりました。自分を棚に上げて何なんですが、皆さん、さすがにお年を召しました。

会が終わって、せっかく神楽坂にまで出て来たものですから、私の行きつけの料亭に行く予定でしたが、そんなものあるわけなく、いつものことながら、一体何人集まるのか分からないので予約もできず、その場で決めてしまうのですが、京都から下って来られた京洛先生がお入りになった所は、何と、近くの目の前に飛び込んできた焼き肉屋さんでした。

そこには後から合流した方も含めて12人ぐらいの大所帯になり、朝鮮の濁り酒のマッコリをガバガバ飲んで、「おつなの会って何なのですか?」と聞かれ、なんやらかんやらお話をして帰りました。この中で、この春、O氏の御子息が名門校から赤門大学に現役合格された話や世界シェアナンバーワンのベンツのバスがなぜ日本に参入できないのかといったKさんの講義は面白かったですね。

このまま帰る予定で一人、皆さんと別れたところ、途中で、悪い人たちに捕まって、何と、昼間は行列ができる老舗甘味処「紀の善」に入って、クリームあんみつまで食してしまいました。

昔は、お酒を呑んだ後はラーメンが定番でしたが、今はもう、お酒を呑んだ後はあんみつの時代になりましたか(笑)。

ここでは、重職に就いているY君が54歳にしてパパになる話(ママは何と犯罪的にも21歳も年下!)や、スウェーデンから帰国中のH氏が、意気盛んにも若い女性からもてているという自慢話をさんざん聞かされて盛り上がりました。

本当にごちそうさまでした!

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