彩翔亭
フランスは、39歳の中道マクロン氏が、極右政党国民戦線のルペン氏を破って大統領に当選。お隣韓国の大統領選では、革新の文在寅氏が、保守派らを破って当選しました。
いずれの皆様もご当選おめでとう御座います。
特に、マクロンさんは、議員経験もなく、フランス革命後の最高権力者としては、皇帝ナポレオンの34歳に次ぐ若さだそうですね。
中道というのはよく分かりませんが、既成政党ではないので、よく言えばしがらみがないのですが、悪く言えば、基盤がないので議会運営には苦労を強いられることでしょう。
今回の選挙では、大統領になったマクロンさんより、25歳年上の妻ブリジットさんの方に注目が集まりました。
マクロンさんの高校の教師だったそうで、3人の子持ちで夫と別れて、再婚したそうですから、映画みたいな世界です。
プロミエール・ダム(ファーストレディ)となるブリジットさんの実家はお菓子屋さん、というより大きな菓子製造会社だそうで、いわば社長令嬢だったことが新聞記事の隅で報じられていました。
しかも、「売り」が高級菓子として知られるマカロン。銀座では一個2400円もするマカロンが売り出されたと話題になったほどです。
商魂逞しい日本人なら、さぞかし「大統領マクロン」を登録商標して、マクロンのマカロンを売り出すことでしょう。あれっ?マカロンのマクロンかな?(笑)。
韓国の文さんは、日本との慰安婦問題合意を見直すと選挙戦で公言していたので、今後の日韓関係は厳しくなるものと予想されています。
それにしても、中道も革新も保守も、自分で名乗っているのか、メデイアが命名しているのか分かりませんが、こんな名称で、選挙民の判断材料になるのはおかしい気もしています。
なぜなら、こんなあやふやな言い方もないからです。
ルペンさんも、自分のことを愛国主義者とは言っても、極右のレッテルは嫌っていました。
そこで、我が国を顧みてみましょう。
今の安倍晋三首相が尊敬して止まない祖父岸信介は戦後、A級戦犯に指名されながら首相となり、極右とも昭和の妖怪とも呼ばれましたが、戦前は、国民の期待を一身に背負った商工省の「革新」官僚だったわけですからね。
満洲に渡って、ニキ三スケ(東條英機、星野直樹、松岡洋右、鮎川義介、岸信介)の一人として建国間もない満洲の国家運営に八面六臂の大活躍をしたことは皆さんの方がよく御存知でしょう。
航空公園
安倍首相は、この祖父岸信介の背中を追うように戦前回帰の政策(マイナンバー制度、特定秘密保護法、安全保障関連法、そして共謀罪)ばかり打ち出していますが、これはまさしく、皮肉なことに保守ではなく革新なわけですよ。
安倍首相は、滅多に口にしませんが、いつも口癖のように出す母方の岸信介よりも、父方の安倍寛の方を見習うべきではないかと、私なんかは思っています。
安倍寛は旧制四高~東京帝大法卒。東條英機らの軍閥主義を鋭く批判し、勿論、大政翼賛会には参加せず、それでも、無所属・非推薦ながらギリギリ衆院議員に当選して、最後まで反軍閥主義を貫いた保守の政治家です。大政党の金権腐敗も批判しました。
戦中は、恐らく憲兵に監視され、生命の危険に晒されたこともあったでしょう。
戦後は、盟友三木武夫らと日本進歩党に加入し、これからという時に51歳で亡くなった政治家です。
安倍首相は、この父方の偉大な祖父を意識的に避けているように見えます。