「生涯投資家」を読み始めて

盆栽美術館

スマホ中毒なので、こうして1日も休ませてくれません。

まさに、スマホ依存症なのかもしれませんね。1日我慢できても、3日間、スマホをやらないことはとてもできません。 困ったもんです。

今、文藝春秋が送る話題騒然、沸騰の村上世彰著「生涯投資家」を読み始めましたが、なかなか面白いです。

あのインサイダー取引容疑で逮捕された「村上ファンド」の創業者の回顧談です。著者近影の写真を見て吃驚仰天。あの「物言う株主」として怖いもの知らずで、ブイブイ言わせていた超々やり手の投資家が、今では髪の毛は白くなりすっかり老人になっていました。

70歳代に見えましたが、ちょうど昨日8月11日が誕生日だったようで、まだ58歳の若さです。恐らく、あれから相当苦労と辛酸を舐めたことでしょう。

ま、本書を読むと、そのあらましが書かれています。悪く言えば、自己弁護の塊に見えなくもないのですが、単なる文章を読んだだけではありますが、想像していたような傲岸不遜ではなく、かなり謙虚で反省もしているようで、「コーポレートガバナンス」という自己の信念を最後まで曲げなかったということは大した人物だと思いました。

私は投資はズブの素人ですが、この本を読んで初めて投資家の世界が少し分かったような気がしました。

それは最終的には、人間同士の信頼関係なんですね。

村上氏はお世話になった人を沢山挙げています。一番影響を受けた人物が、「政商」と言われたオリックスの宮内義彦会長。(ああ、あたしも昔、ハワイで待ち伏せして捕まえて話を聞いたことがありました=笑)この他、最終的には迷惑を掛けてしまった福井俊彦・元日銀総裁、藤田田・日本マグドナルド社長、リクルート創業者の江副浩正、セゾングループの堤清二会長、元大本営陸軍参謀の瀬島龍三…といった錚々たる大御所です。

「なるほど、こういう人脈からトップシークレットの情報が取れるのか」と感心しましたが、結局、長続きした人もいれば、一度お話を聞いただけでその後はプッツリ切れてしまった人もいたと正直に書かれていました。

異色だったのが、小池百合子・現都知事です。著者が通産省官僚時代にエジプトで大型プロジェクトを手掛けた際、行きつけのカイロの日本食レストラン「なにわ」のオーナーから「娘がアナウンサーをやっているから会ってほしい」と言われ、日本でお目にかかった人が、今の都知事だったそうです。世の中確かに狭いですね(笑)。

著者は、台湾出身の父親に多大な影響を受けたことなど、出自についても書いていますが、どういうわけか、高校や大学名など一切触れないんですね。神戸の灘中・高校から東大法学部~通産省という超エリートコースだったため、書くのが気が引けたのでしょうか?

まあ、こんなことは彼にとっては瑣末な話なんでしょうね。

とにかく、著者は、投資が好きで好きでたまらないようで、何と小学校3年生で初めて株式投資を始めたというぐらいですから、うまいタイトルを付けたもんだと思いました。

“「生涯投資家」を読み始めて” への1件の返信

  1. Unknown
     道端や電車の中でスマフォを必死で弄り回しているのを見ると、もっとやることはないのかなあ、と思います。それとともに、こういう電脳機器を発明した人は「新興宗教の教祖様」だ、と考えます。
     渓流斎さんは自分で「スマフォ中毒」と自覚するくらいですからまだ軽症でしょうが、重症になると、どんな症状が出るのでしょうか。他人とぶつかったりするほか、眼底に障害が出たり、食べるとき、以外は一日中、弄くり廻しているので、人との会話も無くなります。夫婦の交わりも無くなり、離婚も益々増えるのでしょう。あれこれ考えるととんでもない世の中に進んでいると思います。誰もそれを止めもしなければ、「スマフォ制限法制定」も言わないのですから。これも気持ちが悪いことですね。村下さんの「障害(?)投資家」」を読んでいるときじゃないですよ( ´艸`)。

「スマフォ中毒」の世の中 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

旧《溪流斎日乗》 depuis 2005 をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む