公開日時: 2005年4月21日
◎超技巧演奏に圧倒されっ放し
=ジェイク・シマブクロはウクレレの伝道師か!?=
うーむ…。最初に聴いた時にはどうしても信じることができなかった。
「これが、あのウクレレなの?」
決して軽く見ているわけではないが、ウクレレといえば、ギターよりも2本少ないわずか4弦。ボディも小さいので音量がない。しかも音域は2オクターブしかない。漫談用の伴奏楽器、いやハワイアンの伴奏楽器というイメージが強い。これだけハンディのある楽器を「リードギター」として採用したミュージシャンはこれまでいただろうか?
今、注目のウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロを遅ればせながら聴いている。テクニックは申し分ない。何度も言うようだが、今まで「サイドギター」として甘んじていた楽器を前面に押し出してスポットライトを浴びせたのは彼の功績であることは間違いない。これまで誰も考えつかなかったことだ。まさに逆転の発想と言えよう。
彼のプロフィールを調べてみると、1976年11月3日、ハワイ州ホノルル生まれ。わずか4歳でウクレレを始め、高校卒業後、プロデビューとある。本人に直接取材したわけではないが、名前からして日系3世か4世の米国人だろう。4人の沖縄出身の女の子の「SPEED」に島袋寛子ちゃんがいたから、彼のご先祖様も同じく沖縄出身かもしれない。いけませんね。ジャーナリストが正確に調べもしないで憶測で書いてしまうとは。でも、お許しください。彼の作った曲を聴いていると、どうしてもハワイアンというジャンルには収まり切れない何かを感じるのです。
例えば今回取り上げたアルバム「クロスカレント」。1曲目にその標題曲が収められているが、パリでもニューヨークでもいい。車を運転しながら聴くと、爽快感があって、いい癒しになると思う。それだけ都会的なハイセンスに溢れている。しかも、ガット弦が醸し出す自然の温かみが感じられるのです。
それにしても彼の超技巧には圧倒されっ放し。何度も繰り返しますが「これ、本当にウクレレなの?」 (了)
ジェイク・シマブクロ
ジェイクのStill my guiter gentry weepsを聞かれましたか? 私はライブで聴きましたよ。音だけ聞いてると、実は6弦ウクレレではないかと思えてしまいます。そして何よりも、グルーブ感が素晴らしい。魂をギュっとつかんで、振り回すような感じでしたよ。