公開日時: 2005年5月27日 @ 18:38
北海道池田町にある町立病院(80床)が医師の数を不正に水増し申請などしたとして、指定介護療養型医療施設(48床)の指定を6月1日付で取り消されることになりました。
同病院は2000年4月1日に介護施設の指定を受ける際に、標準医師8人、薬剤師3人と申告していましたが、その後の立ち入り調査で、医師4人、薬剤師1人は、名義を借りた不正の水増し申請だったことが分かったのです。
また、2002年4月1日に増床指定を受けた際、書面審査調書で医師数などを虚偽に報告していました。さらに、同病院は、2000年7月から01年3月にかけて、1691万8058円の介護給付費を不正に受給していたことも分かったのです。このお金は、介護保険法により、100分の40を掛けた額を保険者に払い戻さなければなりません。保険者の大口、つまり大多数は池田町です。
ここで、素朴な疑問が湧きました。介護給付費を不正受給したのは池田町立病院で、不正受給金を返還しなければならないのは、池田町です。それが、どちらも代表者は、池田町長なのです。蛸が自分の脚を食べているような話です。
ということは、誰がこの事件で一番被害を受けたのかというと、本来なら介護保険を受けられた入院している高齢者なのです。介護療養型医療施設の指定を取り消されると、再申請して指定されるまで、5年くらいかかるそうです。それまで、高齢の入院患者は待つことができるのでしょうか。他の地域なら当然受けられるはずの行政サービスだったのに、とんだ割を食ってしまったわけです。
また弱者が虐げられる姿を見てしまった感じです。