知床は、最後に残された日本の秘境でした。
行ってみて初めて分かったのですが、突端の知床岬までには、道路が通っていないのです。
天然のサンクチュアリです。ここに、やっと、人間に追い詰められたヒグマたちが100数頭生息しています。
知床岬に、どうしても行きたい人は道がないので船で行くしかありません。
道路が通っている最北端が、相泊という猟師街です。
ここで行き止まりです。
車から降りて歩いてみました。
港町といえるような大きな町ではありません。全国的に有名な「羅臼昆布」を採る漁業関係の人が何人かいるだけでした。
皆、不機嫌そうな顔をしていました。
「昆布はいつ取れるんですか?」とおばちゃんに聞いただけでも
「まだ、まあだー」と吐き捨てるように言うのです。
後日談ですが、知床から帯広に戻ったところ、新聞で「羅臼で昆布採りが始まった」という記事が載っていました。
まあ、余所者はおよびでないということだったんでしょう。
海に入ってみました。真夏だというのに、飛び上がるほどの冷たさです。
真冬の寒さは想像もできないくらい厳しいでしょう。
変な言葉遣いですが、本物の野生を感じました。