銀座「木村屋総本店」と新富座と助六寿司

 本日もまたまた「銀座ランチ」のお話です。

 私にとって、銀座ランチの最高の贅沢は、銀座4丁目の木村屋總本店の3階レストランです。運が良ければ、窓際の席に案内してくれます。

 ここから「下界」を眺める景色は「絶景かな、絶景かな」です。まるで、天守から城下町を眺める大名(城主)になった気分です。

銀座「木村屋総本店」プレートBランチ+ドリンクセット 2480円

 木村屋は、明治2年(1869年)創業です。創業者は、木村安兵衛(1817~89年)という常陸国(現茨城県牛久市)の農家出身者で、婿入りした木村家の叔父を頼って江戸に出てきます。最初にパン屋を開業したのは今の新橋駅近くで「文英堂」という名前でしたが、火災で焼失してしまいます。安兵衛は52歳ですから、当時としては相当高齢での起業だったことになります。安兵衛は、再起を目指して、明治7年に銀座4丁目に「木村屋」の看板を掲げて、日本人の口に合う柔らかいパンを売り出します。明治天皇の侍従だった山岡鉄舟が当時「へそパン」と呼ばれていた木村屋のアンパンを天皇に献上したところ、大変なお気に入りになったことから評判となり、大繁盛となって現在に至るわけです。

 レストランは、いつも混んでいて並んでいますが、本当に運が良くて窓際の席を確保できれば、贅沢気分を味わうことができます。それに、何と言っても、色んな種類のパンが食べ放題というところが最高です。でも、銀座という場所柄、お値段がちょっと張ります。それは仕方ない(笑)。

東銀座「大海」大分とり天定食880円

 木村屋に行ったのは昨日ですが、本日は数年ぶりに新富町方面に足を延ばしてみました。

 このブログを書くためだけに、ひたすら、ランチは銀座か、築地方面を回っていたので、新富町は本当に久しぶりです。銀座だと1500円とか2000円のランチなんかザラですが、少し離れた新富町ともなると、800円台でも十分美味しいランチが食べられるのです。木村屋さんの3分の1です(笑)。

 新富町といえば、私的(わたくしてき)には、歌舞伎の新富座です。新富座は、万治3年(1660年)に木挽町(現銀座六丁目)に創建された森田座を引き継ぐ劇場でした。紆余曲折の末、明治5年(1872年)にこの地に移転してきました(座元は十二代守田勘弥)。その後、大正12年(1923年)の関東大震災で焼失してしまいます。

 今は、確か、税務署になっていたはずですが、見当たりません。

京橋税務署

 そしたら、驚きです。前の古いビルは壊されて、七階建ての超近代的なビルに変わっていたのです。しばらく行っていなかったので分からなかった。

 思わず、「税務署って、本当に儲かるんだなあ~」と心の中で叫んでしまいました(関係者の皆様には、とんだ失言で失礼仕りました!)

 以前は入り口の近くに設置されていた「新富座跡」の看板は、正面から左奥に直ぐに見つかりました。歴史のある旧跡ですからね。

 ただし、この京橋税務署の道路を挟んで真向かいに合ったはずのお寿司屋さんは、どうしても見つかりませんでした。あの市川團十郎の十八番の「助六寿司」の発祥地と言われる「蛇の目鮨」です。10年ぐらい前に何度か行ったことがありました。「コロナ禍で閉店したのかしら?」と、会社に帰って調べてみたら、京橋税務署の真向かいではなく、場所は、そこからワンブロック北に行った所で、元気に営業されているようでした。

 これまた失礼致しました。

 

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