エゾリス
映画『硫黄島からの手紙』でも登場したバロン西こと西竹一陸軍中佐(42歳で戦死)の特別展が北海道本別町の町歴史民族資料館で今年7月にも開催されるという記事を読みました。
バロン西は、薩摩出身の男爵の三男として東京で生まれ、1932年のロサンゼルス五輪の馬術競技で金メダルを獲得したことで有名です。1939年3月から1年余り、陸軍の幹部として本別町仙美里にあった軍馬補充部十勝支部に勤務していたことから、同町資料館の瀬藤範子館長が、バロン西の長男の西泰徳氏に展示品の拝借を依頼をしたところ、快く遺品を貸与してくれたそうです。
本別町と聞いて大変懐かしくなりました。「日本一の豆のまち」として売り出しています。高橋正夫町長さん元気でしょうか?機会があれば、また行ってみたいですね。
1932年のロサンゼルス五輪といえば、もう既に、75年も昔になってしまいましたが、当時の五輪を舞台にした青春小説「オリンポスの果実」(田中英光)を思い出します。田中英光は、早稲田大学の学生時代にボート部選手として、オリンピック代表になっています。彼は、その後、小説家として太宰治に師事し、太宰が自殺した後、自らも太宰の墓前で自殺しています。この小説の中で、Kというオリンピック代表の体操選手が登場します。その人は、25年ほど前に日本体操協会会長だった近藤天氏から、直接「あの中に出てくる『K』は、僕のことだよ」と聞いたことがあります。
バロン西も硫黄島も、遠い歴史の物語ではなく、何か身近に感じてしまいます。