毎日新聞のコラム「発信箱」で、「電凸」(でんとつ)ということを初めて知りました。筆者の花谷寿人氏は、「電話による突撃」のことと注釈して、「ネットで気に入らない書き込みがあると本人のプライバシーを暴き、電話番号を探し当てて寄ってたかって電話をかける。さらにそのやりとりまでネットに載せて糾弾する。発信する側は『匿名』という安全地帯に身を置く。『顔が見えない相手から苦しめられた』という人は多い」と書いています。
電凸はすでに、言葉として広く知られているようで、かのウイキペディアには「企業や宗教団体や政党などに電話し、それらの組織の活動についての意見を問いただす行為のことを指す。マスコミに属する者が行う職業的な取材ではなく、一般顧客用の問い合わせ窓口を通して行われるのが普通である。実質的には、その組織に対する抗議行動と考えてよい」などど、かなり事細かく詳述しています(一部改変)。
ネットで、検索してみたら、中田英寿ら世界の一流スポーツ選手や俳優らを宣伝塔にして、「世界の貧困をなくす活動資金になります」とのキャッチフレーズで、恵まれない人たちのためのチャリティーとして世界中に広まった「ホワイトバンド」なるものの実態を暴いたサイトが見つかりました。
その筆者によると、日本のホワイトバンドプロジェクト事務局なるものから質問の答えが返ってきましたが、その発信元は、SSU、つまり、サニーサイドアップ社だったということです。同社には、確か、中田元選手も所属していたのではないでしょうか。
ははーん、と思ってしまいました。
「匿名」に隠れての卑劣な行為は決して許されませんが、スポンサーや視聴者に阿って深く取材できないマスコミに代わって、新境地を開く、良い意味での電凸なら、本当に条件付きで、注目したいと思っています。
もちろん、あくまでも、くどいようですが、最初に述べた花谷氏が非難するような行為は、言語道断です。